東映アニメ、4~9月期は7.5%の営業増益 「キャプテンハーロック」など映像制作販売が伸びる ソーシャルゲームは不調

東映アニメーション<4816>は10月28日、2014年3月期第2四半期(7~9月期)の連結決算を発表した。4~9月累計の売上高は159億円(前年同期比10%増)、営業利益は18億円(同7.5%増)、経常利益は20億円(同7.8%増)、純利益は12億円(同5.8%増)だった。「キャプテンハーロック」や「トリコ」などの劇場アニメや、ライブラリー作品の放映権販売など、映像制作・販売事業が好調に推移したため、増収増益となった。

もっとも決算短信において、「ソーシャルゲーム『聖闘士星矢 ギャラクシーカードバトル』の反動減があった」「『ワンピース』のソーシャルゲームがやや軟調に推移した」など、ソーシャルゲーム分野の不調を示す記載が目立った。

 

セグメント別の収益動向は以下の通り。

「映像制作・販売事業」:売上高は71億6000万円(前年同期比29.0%増)、セグメント利益は3億9500万円の黒字(前年同期は2億6900万円の赤字)だった。
劇場アニメ部門では9月に公開した「キャプテンハーロック」や7月に公開した「劇場版トリコ」の製作収入に加え、3月公開の「ドラゴンボールZ 神と神」の配給収入を計上したことで増収となった。テレビアニメ部門も、「探検ドリランド」の放映や、ライブラリー作品の放映権販売が好調だったため増収。パッケージソフト部門も「ワンピースフィルムZ」や、劇場公開の効果で「ドラゴンボール」シリーズが好調に推移し、増収となった。海外部門も「ワンピース」など中国向け大口映像配信権契約や、映画「キャプテンハーロック」の海外配給契約などで増収だった。
一方、その他部門では、前年同期に好調に稼動したソーシャルゲーム『聖闘士星矢 ギャラクシーカードバトル』の反動減があったことから、大幅な減収となった。

「版権事業」:売上高は51億5400万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益は20億5300万円(同9.5%減)だった。国内は劇場公開もあって「ドラゴンボール」シリーズの商品化が好調に推移したものの、前年同期に好調に稼動した「ワンピース」のソーシャルゲームがやや軟調に推移したため、前年同期と比較して減収となった。海外部門は台湾や中国などアジア圏で「ワンピース」の商品化が好調に推移し、増収となったが、国内ソーシャルゲームの不振を補い切れなかったようだ。

「商品販売事業」:売上高は28億5900万円(前年同期比3.5%増)、セグメント利益は4800万円(同56.5%減)だった。「ドラゴンボール」シリーズや「トリコ」の関連商品が劇場公開に伴い好調に推移したという。


なお、14年3月期通期の見通しは据え置いた。
 

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適時開示情報
東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高874億5700万円、営業利益286億6900万円、経常利益297億9100万円、最終利益209億円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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