【レビュー】ベクター初のオリジナルネイティブアプリ『東京ダンジョンRPG ひめローグっ!』を紹介 低迷する業績の起爆剤になるのか?



今回は、ベクター<2656>の本格3DローグライクRPG『東京ダンジョンRPG ひめローグっ!』を紹介しよう。ベクターのスマートフォンアプリの展開は、PCオンラインゲームと同じく、海外などで開発されたゲームアプリをローカライズして配信する形が多かったが、今回はオリジナルタイトルとなる。業績的に厳しい状況が続いている同社だが、起爆剤になりうるのだろうか。

本作は、ゼロディブと共同で企画開発、そして運営を行っている、同社初のオリジナルネイティブアプリだ。5月12日にリリースされたばかりだ。ゲームジャンルは、ローグライクRPGと呼ばれるもので、ランダムに生成されるダンジョンを探索していくRPGとなる。プレイヤーは、「武姫」と呼ばれる擬人化した武器とともに、"平行世界"の東京に出現したダンジョンを探索し、ダンジョンが発生した謎にも迫っていく、という内容だ。

ゲームの流れは、ダンジョンを探索して武姫や資材、お金を集めながら、自分の管理する「アキハバラ」に様々な施設を建設していく、という流れとなる。アキハバラの街が発展していくと、パラーメーターなども強化され、ダンジョン攻略が有利になるわけだ。また武姫は、ダンジョン攻略やガチャなどから入手可能で、武姫同士の「合成」で強化することができる。

さて、メインコンテンツはダンジョン攻略だ。山手線に似た駅周辺に出現したダンジョンを攻略していく。当初はアキハバラのみだが、攻略していくと探索可能なエリアが増えていくようだ。ダンジョンに持ち込める武姫の数は、ヘルプを含めて最大5つ(5人?)まで。剣やハンマーなど近距離武器から、銃や弓など遠距離の武器まであり、ダンジョンの特性やバトルスタイルを踏まえて構成を考えていくといいだろう。
 


ダンジョンは、自由に歩きながら、遭遇する敵と戦いつつ、素材や武姫などのお宝集めを行っていく。ダンジョンの最後にはボスエネミーが出現することもある。操作方法は非常にシンプルで、移動はもちろん、敵とのバトルもタップ操作だけで行う。移動したいところにタップする…そして、武姫の射程距離に入って敵をタップすれば攻撃してくれる。移動はオートでも可能だ。直感的な操作で遊べる。
 


また、武姫については局面に応じて持ち替えることがポイントになる。例えば、敵と距離があるのなら弓や銃など遠距離武器で攻撃すれば有利だし、逆に近くにいる場合は槌や剣など近接武器に持ち替えて叩くと良いだろう。ただし、遠距離の武器の場合、銃弾や矢の数には限りがあるため注意が必要となる。また、武姫のスキルゲージが満タンになれば、スキルを発動することもできる。
 
▲武器の持ち替えは、使いたい武器に指で触れて真ん中にスライドさせることで行う。また武器をタップするとスキルを発動させることができる。


ダンジョン内には状態異常などを引き起こすトラップが仕掛けられている。トラップの探し方は、あえて自分をタップして空振りすると発見できるそうだ。トラップを探すのは難しいが、ドロップアイテムの近くに設置されていることが多いようである。また同じ階層に長くいると魔神と呼ばれる強力な敵が現れることがある。見事倒すとレアなアイテムが手に入るそうだ。ダンジョン限定の商店などもまれに出現することがあるという。
 
▲ダンジョン内には状態異常を引き起こすトラップが用意されている。自分をタップすると空振りするが、その時にトラップを発見することができるという。探索中、トラップを探すのは非常に難しいのだが...。


ダンジョンやガチャで入手した武器は、武器同士の合成で強化することができる。親密度と武器のレベルが最大値に達した時、武器が解放されてレアリティが1段階アップするそうだ。解放できる回数は、武器によって異なるとのこと。また、武器には耐久度があり、自分の管理する「アキハバラ」の施設で「入浴」させて回復させてあげる必要がある。

このほか、街づくりでは、荒廃したアキハバラ駅周辺に様々な施設を建設し、自分だけのアキハバラを作ることができる。武器やアクセサリの所持枠を増やせる「UGXガレージ」や、武器の耐久値を回復できる施設「ABN銭湯」のほか、武器のステータスをアップさせる強化所などが設置・強化することができる。武器の充実だけでなく、町の発展度合いがダンジョン攻略を左右する要因となる。最近のスマートフォンゲームの流れを汲んだものといえよう。
 


なお、リリース後の状況だが、ユーザーからの評価を見ると、App Storeが3.9、Google Playが2.7と厳しい評価だ(5月25日現在)。ただ、レビューの投稿状況を見ると、厳しい評価が多かったのはリリース当初で、アプリの改善が進むとともに、星1つの比率が低下していることが確認できる。UIや仕様で不親切な部分が散見されるものの、ゲームの内容を考えると、記者自身もGoogle Playの星2つ台は低すぎる、という印象を受けた。


【App Store】


【Google Play】
出所:AppAnnie


また、売上ランキング(ゲームカテゴリー)についてはApp Storeでは500位台で推移している。いわゆる"スタートダッシュ"を決めることはできていないのだが、今後のアプリの運営と改善、そして、プロモーション展開次第で上の順位を狙うことは十分可能だろう。引き続き改善を期待したい。
 
出所:AppAnnie


 
(編集部 木村英彦)
 
 
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