【DeNA3Q決算説明会①】『マリオラン』投入でグローバルのコイン消費は国内ブラウザを上回る 『ファイアーエムブレムヒーローズ』も順調な出足
ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>の守安功社長(写真)は、本日(2月8日)、東京都内で開催した決算説明会で、任天堂<7974>との協業タイトルについて「任天堂さんのIP(知的財産権)の引きはグローバルレベルで強いと感じた」と感想を語った。守安氏自身、このことは事前にわかっていたもので、そして予想していたものだったが、実際に目の当たりにすると驚いたとのことだった。
両社の協業における役割分担は、DeNAがサーバーサイドやインフラ、データ分析、QAを担当し、企画やクライアントは任天堂が担当する、というのが基本的な枠組みで、DeNAは「リソースを最優先で割り当てている」。タイトルによっては、クライアントの部分的な開発や、ゲームサイクルやイベントサイクル、運営面の準備のサポートを行うこともあるという。
昨年12月にリリースした『Super Mario Run』iOS版だが、「家庭用ゲーム機だけでなく、スマートデバイスのユーザーにも受け入れられている」と手応えの強さを示した。リリースから4日間で4000万ダウンロードを突破したが、サーバーやインフラなど大きなトラブルもなく提供できているという。今後、無料コンテンツを遊んでもらいながら、有料コンテンツに誘導していくことが課題となるが、同タイトルを含むグローバルレベルのコイン消費は順調に増加し、国内ブラウザの消費額を超えた。
先日リリースした『ファイアーエムブレムヒーローズ』については、日本とアメリカのAppStoreの売上ランキングで上位に入るなど順調な出足と評価した。キャラクターや世界観、バトルの戦略性など、ファイアーエムブレムシリーズの良さを活かしつつ、F2P型のマネタイゼーションをうまく組み合わせたとし、イベントの投入などで引き続き伸ばしていきたいと抱負を語った。
第4四半期の取り組みとしては、『Super Mario Run』Android版は、3月にリリースする予定だ。『ファイアーエムブレムヒーローズ』も含めて両タイトルの売上については同社の業績予想には含めていないという。これが業績上ブレの要因となる。
また、今期中にリリース予定だった『どうぶつの森』のリリースは、任天堂からアナウンスがあったとおり、来期(2018年3月期)に延期となった。両社は中長期的なパートナーシップであるため、来期以降にリリースする協業タイトルの開発を進めていくとともに、タイトルラインナップについても適宜公表していく予定だ。
なお、任天堂から他社との協業の可能性を示唆したことが伝えられたが、協業にゆらぐような要素はあるのか、という会場からの質問に対し、「『Super Mario Run』と『ファイアーエムブレムヒーローズ』の運営は順調だ。契約の問題もあるので詳細は申し上げることは難しいが、現場も含めてご信頼いただいているかと思う」と述べた。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432