【ミクシィ決算説明会】1Qは大幅減収減益 『チケキャン』閉鎖と『モンスト』の落ち込みが原因 MAU上昇、3Qの5周年イベントでV字回復の期待も


ミクシィ<2121>は、8月8日、東京都内で2019年3月期第1四半期(4~6月)の決算説明会を開催した。説明会に先立って発表された連結決算では、売上高345億円(前年同期比28.3%減)、営業利益110億円(同45.4%減)、経常利益110億円(同45.2%減)、最終利益72億円(同46.8%減)となった。

例年同社の1Qは減少傾向にあるが、今期については大幅な減収減益となった。決算説明会では、木村 こうき社長(写真)より、今後の経営方針と足もとの状況説明を行った。


 
■『チケキャン』閉鎖、「モンスト」は課金率低下も復調の兆し

セグメント別の売上高を見ていこう。第1四半期のエンターテイメント事業は、QonQで売上高36.35%減の327億円となった。一方のメディアなどを行うライフスタイルメディア事業のQonQの売上高は同18.42%減の18億円となった。そして営業利益は同59.99%減の11億円と大幅な減収減益となった。

減益要因は大きく2つある。1つは主力タイトルである『モンスターストライク』の売上減少によるもの。木村社長によると、キャラクターの人気によって単価が想定に比べて上下することがこれまでもあったそうだが、今回は「想定よりも下振れた」という。もう1つは、ライフスタイルメディア事業の要であったチケットキャンプが5月を持って閉鎖したことにある。

ただし悪いニュースだけではない、『モンスターストライク』については、7月のXFLAG PARK2018開催をはじめ、各種施策でMAUは上昇しているという。また3Qには5周年イベントや映画が控えていることを挙げ、今後の回復に期待を寄せていた。
 




費用については、XFLAG PARL2018の開催に伴い広告宣伝費が一時的に増加した一方、外注費や売上に連動するプラットフォームへの決済手数料が低下した。コストが下がったが、売上の低下をカバーできなかった。
 
 
 
■鍵は『モンスト』の回復と新たな柱の創出

決算説明会では、冒頭、木村社長より経営方針について語っていた。その方針は「得意領域に資源を集中する」ことで、その事業ドメインをコミュニケーションサービスとして設定している。今後は『モンスターストライク』を中心にしたデジタルエンターテイメント、『みてね』などメディア、その他スポーツ、ウェルネス、ライブエクスペリエンスといったサービスに資源を集中していくという。
 

また前回の説明会でも言及したが、新しい事業領域への投資については、今後3〜5年に事業開発とM&Aで1000億円規模の投資を行う方針を堅持する。現在はエンターテインメントを中心に、様々な分野に投資を行っており、勝ち筋が見えたタイミングでアクセルを踏んでいく、とした。
 


 
またその投資を支えるためには、『モンスターストライク』の復調が不可欠だが、現在、国民的IP化を目指して施策を行っているという。同社の売上の比率を考えても非常に重要な取り組みであり、今後の鍵を握っているといいってもいいだろう。特に10月には5周年イベントと映画の公開を控えており、非常に注目の集まる期間になる。
 

 

 
なお、2019年3月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高1750億円(前期比7.5%減)、営業利益480億円(同33.7%減)、経常利益480億円(同34.0%減)、最終利益310億円(同25.8%減)を見込む。一株当たり利益(EPS)は409.99円となっている。
 
 
 
 
株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6700万円、営業利益248億2000万円、経常利益182億5000万円、最終利益51億6100万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
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