【レビュー】ボルテージが最新作『あやかし恋廻り』の先行体験会を実施…制作スタッフのこだわりが詰まった華やかな世界をひと足先に体験!


ボルテージは9月18日、最新女性向けアプリゲーム『あやかし恋廻り』のメディア向け先行体験会を開催した。当日は、制作スタッフ陣より開発の経緯、ゲームの概要、ビジュアルコンセプトなどの紹介が行われ、実際のアプリを使用した試遊体験の時間も実施。本稿では、その模様をレポートする。
 

■次世代の道を切り開く、新スタイルの恋愛ドラマアプリ!




体験会が始まると、制作スタッフによる『あやかし恋廻り』の企画発足の経緯や、ゲーム概要の紹介が行われた。数多くの恋愛ドラマアプリを作成してきたボルテージだが、今回はこれまでにない新たなスタイルの恋愛ドラマアプリを生み出したいという気持ちで開発を進めていたという。同社の強みをしっかりと活かしながら、「ターゲット」「エンジン」「ストーリー内容」の3点を主に重視した作品に仕上げているとのこと。
 
●従来のファンだけでなく、新たなファン層に狙い定めた「ターゲット」
これまでのボルテージ作品のファン層は30~40代の女性が多かったが、本作では近年のスマホ市場に多い20代の方にもプレイしてもらえるよう意識して作り込んでいったという本作。「彼氏が欲しいから恋愛をするのではなく、好きになった人に彼氏になってほしい」という感覚が、今の20代の恋愛感覚に近いのではないかという意見が社内で合致し、そのような恋愛を描いていく方向性へと動いたそう。

 

●ファンの気持ちに寄り添った「カード型エンジン」
これまでのボルテージ作品では、自身のキャラクターであるアバターを着せかえることが多かったが、本作では異なるカード型エンジンを使用。今のファンは彼への愛を表すことが大切=推しのかっこいいイラストに勝るものはないという考えが強い傾向があることから、カード型を採用することが決定した。
 


●乙女心くすぐる要素を詰め込んだストーリー内容
ストーリーコンセプトは「明治時代×あやかし×輪廻」。多くの妖怪が存在し華やかなキャラクターをたくさん作りやすい、それぞれが抱える闇の幅の広さという部分で「あやかし」の要素を取り入れている。また、女性向けゲームアプリで「あやかし」を題材にしたものが少なかったことが最後の決め手となったとのこと。
 


次に決まったのは時代を「明治時代」にするということ。和風ファンタジーと女性に好まれる大正ロマンを意識しながら、人間の主人公とあやかしを結びつけるものを考えたときに、「ヒロインが陰陽師」という要素が入ったようだ。人間とあやかしの共存、陰陽師迫害といったその時代らしさも取り入れていくとも話されていた。
 
最後の「輪廻」は、最終的に恋愛に発展する主人公とあやかしに運命的なつながりが欲しいということで入った要素。元々彼らは明治時代から1000年前の平安時代に生きており、そこで生を終えて転生してまた巡り合うという設定に仕上がっている。また、陰陽師といえば平安時代だが、そこを明治時代で表現している部分の納得度を上げるという意図もあるという。
 

■本作ならではのエッセンスが入ったストーリー構造とゲームのサイクル

 
続けて、気になるゲーム内容の説明が行われた。本作のストーリー構造は、それぞれメインとなる登場キャラクターが異なっており、各章ごとに「仲間とともに戦って絆を深める共通ルート」の"前編"と「選んだ彼と最大の敵に立ち向かってより親密になれる個別ルート」の"後編"に分かれている。なお、本編のストーリーを読み進めるには「本編の鍵」が必要で、これはユーザーランクが上がったときにもらえる。
 

▲個別ルートはどのあやかしから進めても問題はないが、もしどうしても決められない場合、プロデューサーからは個人的に暁の章は煌牙、暮の章は藤一郎がオススメと語られた。理由としては、各章で謎になっている部分がより分かりやすく理解できるかもとのこと。
 
基本のゲームサイクルは、収集であやかしのカードを得る、見回りでカードの育成、育成したカードで怨霊を退治をするという流れ。見回りで帝都を回りつつ、街中で出会った怨霊を退治して経験値をためて強くなるという流れは、本作の世界観にあわせた形となっている。
 


最後は、実際のゲーム画面の動画が上映され、本作の3つの要素「見回り」「政府要請」「ミルクホール」の詳細が紹介された。
 
 
▲帝都の街を巡りながら、アイテムや経験値などが獲得できる「見回り」。分かれ道で出現するアイコンの枠の色は、入手できるアイテムの色を表現している。中心にいるキャラクターは、経験値や絆が上昇することでカードが強くなるという仕組みになっている。
 
 
▲人に取り付いた怨霊と戦う「政府要請」。育てたカードで怨霊とバトルをすることで、それぞれのキャラクターの絆とアイテムが獲得できる。
 
 
▲あやかしたちの日常を垣間見れる「ミルクホール」。カードを設置することでキャラクターが登場し、可愛らしく動き回りつつ、時にはキャラクター同士で会話をすることも。設置したカードが豪華であるほど報酬も豪華になる特典もあるようだ。
 

■細かなギミックが詰まったビジュアルに注目

 
ゲーム内容に触れたあとは、ビジュアルコンセプトの紹介の時間へ。本作の世界観テーマは「色彩で魅せる和風ファンタジー」。あやかしとファンタジーの組み合わせという異質な世界観を表すためにキャラクターはもちろん、背景やUIといったところも含めてビジュアル面は全体的にカラフルだ。
 

▲青空も単純に青ではなく、少し緑が混じった不思議な色味をしている。夜空には紫が混じっており幻想的な雰囲気を感じられる。
 
また、本作はUIにも力を入れており、「キャラを邪魔しないUIよりも、世界観に沿った触りたくなるUI」を心がけているとコメント。UIひとつとっても、しっかりと本作の世界観が伝わるように凝ったギミックが見受けられる。
 

▲細部まで凝っている背景だが、よく見ると一反木綿といったあやかしの姿も仕込まれているらしい。端々まで目を配りたくなる作り込み具合だ。
 
キャラクターデザインは、関係性・性格を重視。ポイントとしては、キャラクターの過去やキャラクター同士の関係性をビジュアルに落とし込んでおり、ポーズや着物の柄にも要注目とのこと。
 
 
▲例として烏天狗の空耶のテーマは「屋上で寝ている不良」で、不良のチャラい感じを片耳のピアスで表現。双子の結楽と楽久のデザインでは、楽久は大好きな兄のイメージカラーと同じ色の風呂敷を持っていたりと、ちょっとした関係性を表したポイントも。
 
続く、キャラクターのモーションについての話では、Live2Dで動きや表情は個別に細かく設定していると説明。「ミルクホール」のチビキャラクターのモーションにも、それぞれオリジナルのモーションがあるようだ。
 

▲例では全員笑顔の表情だが、同じ笑顔でもそれぞれかなりの違いが見える。
 

▲本作のビジュアルは、ボルテージ作品初となる社内オールディレクション。今までは、イラストは外部に発注をしていたが今回は社内のデザイナーが描いている。


▲今のトレンドに合わせて最適な色の塗り方、好まれる造形を踏襲しながらも、ボルテージファンにも好まれていたビジュアルもしっかりと意識したとコメント。世界観に合わせつつも、使いやすさも追求しているようだ。
 
最後は、「見回り」で使用されていた「カメラマッピング」について触れていく。こちらは映像業界で使われている、ひとつの写真を2Dで3Dに見せる技術だ。遠近感建物の立体感、町並みにも注目してほしいとのことだった。
 

 

■どこを見ても華やか! ゲームを先行プレイ

 
ゲームのプレイはメイン画面からスタートしたが、やはり開発陣が気合を込めたというビジュアルに目を奪われた。華やかでモダンな雰囲気が漂いながらも、雑多にならず分かりやすい項目配置で、スムーズに自分が遊びたいように進められた。
 

 
▲最初に触れたのは、乙女ゲームアプリ好きとしては気になるガチャ。ガチャの演出も大変きらびやかで、レア度の高いカードが出たときの甘いセリフにもドキッとさせられた。
 

▲喫茶店を選ぶとミルクホールへ。喫茶店のマスターの導きでキャラクターを呼び込むと、ホール内にキャラクターが登場。チビキャラクターのキュートな動きはずっと見ていても飽きない。また、キャラクター同士の会話も豊富だ。
 

▲カメラマッピングによって、一見すると1枚絵だとは思えない立体的な帝都の街が楽しめた見回り。移動速度はスピーディーで、サクサクと進行。オート機能があるのも嬉しいポイント。
 
 
▲最後は、メインストーリーを選択。Live2Dで生き生きと動く彼ら、豪華キャストによるフルボイス(序章のみ)を堪能させて頂いた。動きや表情がころころ変わるため、もっとゲームを進めて色々なキャラクターに会いたい意欲が湧きあがる……! 
随所に制作スタッフのこだわりが感じられた『あやかし恋廻り』の先行体験会。ゲームの要となるストーリーだけでなく、UIを含めたビジュアル、カメラマッピングといった技術を取り入れたりと、細かなところも見逃せない仕上がりになっていた印象がある。先行プレイで少し触れられた、個性豊かでイケメン揃いのあやかしたちが見せる、バリエーション豊かな動きや表情も本プレイでもっと見てみたいところ! 大正ロマンが好きな乙女には、ぜひともプレイしてほしい作品だ。

 
(取材・文 ライター:永野鈴夏)


 
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 (C) Voltage
※画像は開発中の画面のため予告無く変更する場合がございます。
株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高42億5700万円、営業損益8400万円の赤字、経常損益6300万円の赤字、最終損益3900万円の赤字(2023年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
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