【コロプラ決算説明会】4Qは四半期ベースで売上高100億円の大台回復 『DQウォーク』が「半月ながら大きく寄与」(馬場社長) 新作パイプラインは10本に


コロプラ<3668>は、11月6日、2019年9月期の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した2019年9月期決算は、売上高389億2000万円(前年同期比15.0%減)、営業利益29億5200万円(同57.5%減)、経常利益16億5500万円(同72.9%減)、最終利益10億7000万円(同74.5%減)となった。

決算説明会では、同社の馬場社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■『DQウォーク』が「半月ながら大きく寄与」(馬場社長)


まずは、第4四半期期間(7~9月)の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は113億4100万円(前四半期比42.5%増)と四半期ベースで売上高100億円の大台を回復し、営業利益は24億5900万円(前四半期実績100万円)、経常利益は16億7100万円(同6500万円の赤字)、最終利益は12億1900万円(同8100万円の赤字)と経常利益と最終利益の黒字転換を達成した。

主力の『白猫プロジェクト』(以下『白猫PJ』)と『白猫テニス』の周年イベントを迎えるなど、同社としてはもともと第4四半期は売上高の山となりやすい四半期となるが、今回はそれに9月12日にサービスを開始したスクウェア・エニックスとの共同タイトル『ドラゴンクエストウォーク』(以下『DQウォーク』)が「半月ながら大きく寄与」(馬場社長)したという。
 

なお、営業利益率が21.7%と大幅に改善しているが、これは「外注費が前四半期比でマイナス3.3%」(同)になるなど、コストコントロールが奏功したことに加え、『ドラゴンクエストウォーク』が売上がネット計上となることも影響しているという。また、第4四半期の広告宣伝費は11億円を見込むとしていたが、新作の遅れなどもあって、7億3100万円と当初予想を下回っての着地となっている。
 

グループの従業員数は、第3四半期期末の1395人から第4四半期期末は1374人と微減での推移となった。従業員数は、内部リソースの有効活用を進めることで、今後も引き続き横ばいの推移が続く見通しとしていた。
 
 

■『白猫PJ』を含むFY14ものと『DQウォーク』を含むFY19ものが伸長


リリース時期別等売上推移を見ると、前述の通り、5周年のイベントを7月に実施した『白猫PJ』を含むFY14ものが大きく売上を伸ばしている。ただ、その一方で、『DQウォーク』を含むFY19ものの売上が第3四半期の3億6900万円のら22億円に大きく躍進しており、『白猫PJ』への依存度が高い状況からの脱却が進む形となっている。『DQウォーク』については、「業界全体で1年に1本出るかどうかのヒットと言って過言ではないのでは」(同)とするなど、この四半期は2週間分の寄与ながら大きな手応えを得ているようだ。
 


自社IPの展開としては、『白猫PJ』で秩父市・西武鉄道とのゲーム連動コラボが11月より開始となったことがトピックスだろう。自治体とのコラボは、2016年の京都市とのコラボ以来とのことで、リアルと連動した取り組みが2020年9月期にどのように寄与してくるのか注目される。

また、『DQウォーク』についても開催中の「秋の行楽イベント」イベントにおける各自治体との連携については、同社の「おでかけ研究所」が担当しているという。本作は、同社にとって「パブリッシングを行っていない初のタイトル」(同)となるが、位置ゲームの知見という形で引き続き貢献していくことが1つの形となりそうだ。
 
 

■新作パイプラインは自社IP、他社IPとも1本増で合計10本に 年間3~4本のリリースを予定


新作パイプラインは、自社IPタイトル1本、他社IPタイトル1本が追加となり、現在は合計10本の開発が進められている。このうち、年間3~4本程度が今期のリリース予定になるという。なお、これまでも話題として取り上げられてきた「新しい遊び方の提案」を含むタイトルも引き続き開発中とのこと。
 

なお、2020年9月期通期の予想は、グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、グループの業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難とし、前期に続き非開示となっている。

第1四半期の広告宣伝費は約7億円を予定しているが、新作次第で変動の可能性があるとしている。
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
企業データを見る