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【インタビュー】BXD手塚社長が振り返る「enza」躍進の背景…プラットフォーム運営会社からIPエンターテイメントハブ会社に進化へ

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2019年のモバイルゲーム市場を見ていくと、大きなトピックスの一つとして、BXDの提供するHTML5プラットフォーム「enza(エンザ)」の躍進があげられるだろう。このサービスは、バンダイナムコエンターテインメント、ドリコム、両社の合弁会社であるBXDによる共同プロジェクトで、モバイルゲームアプリ市場の成熟化が指摘される中でひときわ輝きを放った。今回、BXDの手塚 晃司社長(写真)にインタビューを行い、2019年の振り返りとともに、2020年に向けての展望と抱負を聞いた。


──:まずは、2019年のenzaを振り返っていただきたいのですが。

手塚 :まだ発表していなかったのですが、enzaの総プレイユーザー数が500万人を突破しました! アプリストアとは異なる展開のため、外部の方からすると、どれぐらい盛り上がっているのかがわかりづらい部分があるのですが、今も順調に伸びています。当初、我々が目標としていた規模には達しています。また、売上を見ると、アプリ版と比べて、ブラウザ版の方が売上が高くなっています。そういう意味でも、我々がやりたかったことが実現できる段階まで来たと思っています。


──:ブラウザ版の方が売上が高いというのは驚きました。

そうですね。これについては全く発表していなかったので、このインタビューを読んでくださっている皆さんも気になっているところだと思います。プレイヤーの比率も、ブラウザ版が大分上がってきていますので、そういった意味でもお客様には違和感なく遊んでいただけているという手応えを持っています。


──:2019年は黒字化したとのアナウンスもありましたが、売上もだいぶ上がったのでしょうか。

はい。2018年は色々と初期開発にコストがかかったので大変でしたが、2019年は黒字を出し続けられていますし、お客様の反応も良く、成長フェーズに入ったという手応えを感じています。収益を出しながら投資も続けていくという状態ですね。


──:以前はどちらかと言うと投資に寄っていましたよね。

今はようやくバランスが整ってきたというところです。先行投資が徐々に終わり、投資の回収をしながら次の話を進めていくことができています。おかげさまでBXDのスタッフの人数もだいぶ多くなり、やれることが増えてきました。新作の開発に関しては、収益とのバランスを取りながらですが、次の大きいタイトルとして『NARUTO X BORUTO 忍者TRIBES』がすでに発表されており、このタイトルの作り込みに注力しています。


──:enzaが立ち上がったとき、AbemaTVに次ぐくらいの規模の投資なのかなと、内心、どうなるかと心配だったんです(笑)

おかげさまでなんとか怒られないぐらいにはなれました。一緒に取り組んでくれたドリコムさんが頑張ってくれました。投資額だけでなく、技術的にも大きなチャレンジでした。そこをきっちり一緒にパートナーとしてやってくれたので、すごく感謝しています。

 


──:アプリに関しては『アイドルマスター シャイニーカラーズ(シャニマス)』がリリースされてすごく盛り上がったのは体感できたのですが、ブラウザ版のユーザーが増えた要因は何だとお考えですか?

ゲームと商品やイベント等と行った連動キャンペーンの効果が大きかったと考えています。ゲームのグッズや商品に付いているシリアルコードをご利用いただいたほか、位置情報を使ってライブ会場でチェックインしていただく、といったことを実施しました。こうしたチャレンジはやはりブラウザの方が仕掛けやすいです。

お客様も、ブラウザやアプリなど関係なく遊ぶ方が多くて、外出時にはアプリ版、自宅ではブラウザ版といったように、様々な環境で同じゲームを遊んでいらっしゃいます。我々が提供したかったサービスの形が実現できたと考えています。



──:分布はブラウザとアプリで何割ぐらいの比率になっていますか?

この点は、1人のお客様が複数の環境で遊んでいることもあって、正確な比率を出すのが難しいのですが、思っていた以上に複数のプラットフォームで遊ばれているなと感じています。


──:2019年の年始には、マルチタッチポイント戦略を打ち出していましたが、状況はかなり良好ということですね。

はい。もちろん、タイトルによって上手くいっているものと、乗り越えるべき課題が残っているものに分かれますが、全体としてみると良好でした。そして、ノウハウを貯めることができたとも考えています。

enzaというプラットフォームが目指すべきものや、HTML5ゲームならではの良さを考えることが多い1年でした。マルチタッチポイントとして、アプリだけでなく、ゲームや、玩具、ライブも含め、このIPはどのように成長していくのかという観点から考えるようになりました。

現在、バンダイナムコグループ全体では、エンターテイメントを様々なマルチプラットフォームで出したいという、IP軸戦略を打ち出し、組織が一丸となって取り組んでいます。それはIPを軸にして色々な商材を、それぞれの部署が頑張って出していこうという戦略です。

それに対して、我々BXDが掲げているスタイルは、IPハブ戦略というものになります。IPの世界を皆がどこでも楽しめるように、我々がハブとなって、コンテンツや商品とお客様を繋いでいき、ひとつの大きなエンターテイメントを作っていこうという考え方です。

要するに、これまで単独でやっていたことを、グループ内外を巻き込んでやっていこうという考え方です。そのためにも、色々な会社さんとお話させていただくなかで、このIPを育てていくためにはこうすべきだという提案を積極的にさせて頂いています。


 
▲「enza」発表時に掲げられていた将来構想。
 


──:個別のタイトルの状況はいかがですか?

なかなか詳細にはお伝えできないのですが、それぞれの課題は明確にわかっていますので、それにどう対応していくべきかを前向きに検討しています。これまでは、そのゲームタイトルのなかで何とかしようと考えがちでしたが、今はIPとしてどうあるべきなのか、あるいはIPの中におけるゲームの役割は何なのかといった考え方になっています。今後はゲームとしての形を変えていくタイトルもでてくるかもしれません。


──:サードパーティーの会社と組みたいというお話をされていましたが、そちらの状況はいかがですか?

それについても、国内外を問わずたくさんのお問い合わせをいただいています。だからといって焦って本数を増やすのではなく、しっかりとお互いの得意領域を確認し、そのIPがどういった姿であるべきなのかを議論しながら、着実に広げていきたいと考えています。IPの中でこのゲームがどのように機能していくのか、どのような付加価値を付けられるのかをしっかりとお話ししています。


──:その他に2019年にチャレンジしたことがあればお聞かせください。

一番大きなチャレンジになったのはアプリですが、新しいエンターテイメントを作り出すために、コンビニエンスストアや、日本郵便さんなど、色々な会社さんとお話をできたことも大きいです。実は年間100件以上の連動をグループ内外の企業と展開しました。どういった連動キャンペーンを実施すると、どのような反応が得られるのか、そのデータの蓄積も進めています。今のところは、ライブでの連動がもっとも手応えが感じられました。多くの人がチェックインしてくださいましたし、一体感を共有できるような体験を提供できたと思います。

『シャニマス』は、『アイドルマスター』というブランドのなかでも、比較的若いお客様に遊んでいただいているタイトルですので、新しい『アイドルマスター』を一緒に盛り上げていこうという空気感があって、これまでとは違った熱量を感じています。
 

──:2020年に向けて、今後の取り組み方や抱負を教えていただけますか?

今まで、BXDとして色々なことに挑戦をしてきましたが、そのなかで学んだこと、分かったことが数多くありました。それを活かしながら、もっと規模を大きくしていきたいと思っています。そのためにも、ひとつのプロダクトに止まらない考え方をもち、大きなグループとして広げていく1年にしたいと考えています。

これはゲームだけにとどまらず、それ以外のエンターテイメントでもあり得る話です。ゲームが出なければIPと連動できないということはなく、映像ひとつあればエンターテイメントは成立します。そのなかで我々ができることはあると思いますし、そういった意味でIPハブとしての役割を果たすことをミッションとしていきたいと思います。


 


──:enzaを運営する会社というイメージからだいぶ変わってきているんですね。

はい。IPプロデュースという中で、enzaはひとつの武器になりえます。IPの新しい遊びのひとつの表現として、ですね。そういった新しい表現をできたのは、この一年でも良かったことだと感じています。enzaがあることで、今までできなかったようなことが色々できるようになりました。アプリでできることもあれば、家庭用ゲームでできることもあり、さらに映像としてできることもあるので、IPプロデュースの方法についてはもっと考えていきたいです。

実は、社内の分析部隊がすごく力を入れていて、分析のチームが一番人数も多いんです。それは、自社のタイトルの分析だけではなく、色々なお客様がどういう時に喜んでいただけるのかを分析していますので、そういったIPの成長のための役割も今後は担っていかないといけないと思っています。

こういったデータ蓄積と分析は、実はバンダイナムコグループが少し苦手としてきた分野ではありますが、運営型ゲームでしっかりとお客様に喜んでいただけているのは、お客様としっかり向き合って分析してきたからでもありますので、そのノウハウを他のエンターテイメントにも使っていきたいと考えています。



──:『NARUTO X BORUTO 忍者TRIBES』もリリースが近いですよね。

今冬リリース予定で進めています。ゲームは、ほとんど出来上がってはいますが、細部までこだわるためにも作りこんでいるという段階です。今回が初めてとなる試みとして、ワールドワイドでの展開に挑戦しています。『NARUTO』という作品は、北米で根強い人気がありますので、北米のお客様にも楽しんでいただけるように、関係者と色々と意見交換をしながら進めています。我々の感覚だけで進めてしまうと、海外の方には受け入れてもらえない可能性があるので、そこにはしっかりと時間をかけていこうと考えています。


──:アメリカの配信サービスの「Crunchyroll(クランチロール)」ですね。

はい。「Crunchyroll」さんの歴史を見ていくと、まさに『NARUTO』のアニメと共に大きくなられてきたことがわかります。先方にとっても思い入れのある作品です。我々から『NARUTO』のゲームで新しい体験を一緒に作っていきませんかと打診したときにも、最初から非常に前向きに応じて頂けました。

弊社のメンバーのなかに、Crunchyrollの立ち上げに関わっていたスタッフがいることもあって、その頃の話をしたりしながら協力体制を築いています。そういった意味でも、アニメの『NARUTO』や『BORUTO』を見た流れで、同じ環境のなかでゲームに遷移するような体験を提供できると思っています。

 


──:基本はブラウザから遊ぶようなイメージになりますか?

北米に関してはブラウザが中心になると思っています。当然、アプリ版も同時に進めていきますので、北米の方でも家の中、家の外を問わずに様々な状況で同じゲームが遊べるような環境を作り上げていきたいと考えています。


──:その他にも海外への展開を考えていらっしゃいますか?

海外から色々なお問い合わせや引き合いをいただくことが増えました。HTML5は、世界的にもこれから伸びると言われている分野なんです。

ただ、それをゲームとしてちゃんと完成できている会社は、世界中でもそんなに多くはないです。パズルや放置ゲームが多く、クオリティの高いゲームに仕上げている会社は少ないです。HTML5は、色々な会社が取り組み始めていますので、我々が扱っているIPはそういう意味でも注目されています。これは2020年のテーマにもなっていくかもしれません。



──:『シャニマス』のライブに伺ったとき、中国語を話す方が結構いたのが印象的でした。アジア展開についてのお考えは?

ここで具体的にお話できませんが、IPやゲームによって、相性の良い地域・国はあると感じています。実際、アジア圏から引き合いはたくさんきています。我々のゲームは、SNSとの相性がすごくいいんです。わざわざSNSの世界から外に出なくても遊べたりするので、そういった意味で色々な挑戦ができると思っています。 SNSから起動できればシェアもしやすいですし、シームレスな体験ができます。すでにHTML5のゲームはそういった遊び方をするゲームが多くなっています。


──:技術的な面など、他にも挑戦してみたいことは何かありますか?

技術的には何でもやりたいです。

あとは、Crunchyrollさんとご一緒するものにも近いんですけれど、この前『シャニマス』でライブの時に中継をenza内で配信したんです。ブラウザで見ながらライブを楽しんで、ライブ中の投票に参加したり、終了後にコミュニティで皆で盛り上がったりしていただけました。こういったサービスをワンストップで提供できたのは大きいです。

そして、あらためて映像の力がすごいと感じましたね。皆が一緒に同じものを体験して楽しむことができるのは素晴らしいことで、今後、想像もつかないような展開が見られると思います。弊社に新しく加わってくれたスタッフは、新しいことをやりたくて来てくれていますから、新しいことに対して積極的なんです。



──:ところで、市場全体に目を向けますと、2019年のモバイルゲームの市場をどう見ていますか?

2018年までは、ゲームはリッチ化の流れで進んでいました。とにかくハイスペックな3Dモデルが登場し、より作り込まれたゲームを出していこうという流れだったのに対して、2019年は遊び方を変えたゲームがお客様に受け入れられていたと思っています。そういう意味ですごく幅が広がって面白い1年だったのではないでしょうか。

我々としても、ここまで作ったからもっと良くしたらいいということではなく、本当に今までにない遊び方を提供していくべきだと思います。シングルならこう遊ぶけど、マルチならこう変わるなど、お客様の生活スタイルまで踏まえて、ゲームやエンターテイメントを作っていかなくてはいけないですね。



──:おっしゃる通り、2019年は面白いゲームが出てきたと思いますね。ただ、その多くは、海外のタイトルだったとも感じています。

その点は、我々も危機感も感じています。ただ、IPのファンのことをよく知っているのは我々であるという自負がありますので、そういったお客様にゲームを遊んでいただくだけでなく、そのIPのことをもっと好きになっていただけるような、その世界に入っていただけるような状態を考えていきたいと思っています。


──:最後になりますが、2020年のマーケットの展望を聞かせていただきたいのですが?

2019年にできた、リッチ化競争から外れていく流れはもっと進んでいくと予想しています。また、アイデア勝負の時代になるとも思っています。2020年は、大きな開発費をかければ勝てるような市場にはならないと思います。そこで必要なのは、より深くお客様と向き合うことなんです。それは、家庭用ゲームの世界で何十年もやってきていたことなので、その知見を今後は活かせるのではないかとも考えており、そういった部分との融合も進めていきたいです。

あとは、STADIAが登場しましたが、色々なプラットフォームでデバイスなどの垣根が減ってくるとみています。我々のマルチタッチポイント戦略もそうですが、色々な環境で遊べるのはすごくありがたいことです。我々としても、モバイル用、 PC用、家庭ゲーム用と分けて作るのは大変なんですが、ひとつのゲームを作れば、様々なデバイスで楽しめる、というのは作り手にとっても非常に助かります。

 


──:クロスプラットフォームやクロスデバイスは最近の流れですね。

そうですね。そういう意味でも、これまでお伝えしたように、HTML5のゲーム屋さんという定義ではなく、そこを超えてコンテンツやIP単位で物事を考えるように変わってきているところですね。


──:来年も何かびっくりするような何かを仕掛けてくれると思っていていいですか?

そうですね。この時点ではまだ申し上げづらいのですが、お話できるようになったら、真っ先にお伝えするようにします。まだまだ色々なことをやっていきたいと考えていますから。総プレイユーザー数が500万人を超えたことは本当にすごいことで、これだけの規模があれば挑戦の幅も広がるはずです。ぜひご期待ください。
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企業情報(株式会社バンダイナムコエンターテインメント)

会社名 株式会社バンダイナムコエンターテインメント
URL http://bandainam.co/1mZsovM
設立 1955年6月
代表者 大下 聡
決算期 3月
直近業績 売上高2570億円、営業利益285億円、経常利益291億円、最終利益227億円(2018年3月期)
上場区分 非上場
証券コード

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