Synphonie開発者インタビュー(2) 男性向けコンテンツの開発にも注力

今回は、前回軽視したSynphonieの創業期からの成長を支えてきた開発スタッフに話を聞いた。今回は、プラットフォーム展開やオフィスの雰囲気、求められる人材像について語ってもらった。   【前回の記事】 Synphonie開発者インタビュー(1) 「ぼくのレストラン」の開発・運営秘話を聞く   ■プロフィール 氏家 政彰 氏(ディレクター、中央): 2009年6月入社。「ぼくのレストラン」や「料理の鉄人」など人気タイトルのプロデュースを手がける。現在、新規アプリの企画を担当している。 仲江 謙仁 氏(リード・エンジニア、右): 2009年7月入社。インフラエンジニアとして、Synphonieのソーシャルゲーム全般のインフラやシステム構築などを担当している。 前田 博敏 氏(リード・エンジニア、左): 2009年11月入社。現在、エンジニアとしてアプリの開発に携わるとともに、ソフトウェアの開発基盤を開発している。       ■プラットフォーム展開について ---: SAPによっては複数のプラットフォームに出すところと、ひとつのプラットフォームに集中する会社にわかれていますよね。ある会社に取材したとき、特定のプラットフォームに力をいれるのは、複数のプラットフォームに対応するためのコストや運営コストが大きいからだ、という話を聞きました。御社はむしろ複数のプラットフォームに出すことには積極的ですね。 氏家氏: その点は、先ほど申し上げたように、フレームワークの存在が大きいです。当社のように短時間で複数のプラットフォームに対応できる会社はそれほど多くないと思います。複数プラットフォームに対応する場合のコストはそれほど多くはないですね。プラットフォームの違いを意識せずに企画に専念できるということは当社としての強みでもあります。 前田氏: 当社では、フレームワークがありますので、少しの作業で複数のプラットフォームに出すことができます。それほど規模の大きくないプラットフォームであっても、きちんとしたゲームを出して運営していれれば上位に入れます。手間に対してリターンが意外に大きく、たとえ小さなプラットフォームでもきちんと対応するようにしています。 ---: 現在でも、新作については複数のプラットフォームに展開する前提で開発されているのですか? 氏家氏: 最近はそうでもありません。複数のプラットフォーム展開については、運営後の状況を見て判断しています。以前ですと、色々なプラットフォームでばっと出すことはよくあったのですが、最近は慎重ですね。 ---: それはなぜでしょうか? 仲江氏: 色々なプラットフォームに出してうまくいかないと、全体的にズルズルとうまくいかなくなり、なかなか立て直せないからです。ひとつのプラットフォームに出して、バランス調整や不具合の解消など行なって完成度を高めてから別のプラットフォームに出しています。プラットフォームの選択は、ゲームの性質やプラットフォームのユーザー属性などを勘案して決めています。   ■その後のタイトル展開について ---: 「料理の鉄人 for GREE」はいかがでしょうか? 氏家氏: 「ぼくのレストラン」をやっていた会社ということで、「料理の鉄人」をやりたいとグリーさんとフジテレビさんからお話をいただき、一緒にやらせてもらうことになりました。「ぼくのレストラン」と同じ料理系のゲームですが、ゲームの立て付けやテイストが異なるため、両方遊んでいただけることが多いですね。 ---: 最近ではRPGなど男性向けのゲームにも力を入れていますよね。 氏家氏: 「ぼくらのポケットダンジョン」や「ぼくらのポケットダンジョン2」などですね。外部の方と話していると、「Synphonieは女性向けのゲームを手がけている会社」とよく思われているんですが、社内ではそういう考えはないんです。女性向けタイトルがヒットしているというのは当社の強みですし、「プラチナ☆ガール」などの新作も展開しています。女性向けと男性向けの双方に力を入れていていきます。 ---: 海外展開はお考えですか? 氏家氏: 現在検討しているところです。ファッション系はなかなか難しいかもしれませんが、料理については人間の基本的な事柄ですよね。和食は世界的にも受け入れられていますし、なによりグラフィックのテイストもリアルさを追求していますので、受け入れられるかもしれないと期待はしています。 ---: 以前と比べて開発期間や人数は増えていますか? 前田氏: そうですね。最近はクオリティが要求されますので、フラッシュや画像はもちろんですが、ゲームの機能やコンテンツもある程度のボリュームが必要とされてきていますので、最低3ヵ月、タイトルによってはプラス1、2ヵ月程度がプラスされます。以前と比べて、ゲームの作り方が変わってきました。ユーザーさんのゲームに対する要求も厳しくなってきましたし、こちらとしては「がっつり遊んでいただいても大丈夫です!」とアピールできるくらいのコンテンツや機能は用意しています。 仲江氏: 以前は、我々もよくわからなかったので、とにかく作ったものをリリースしていましたが、運営して得た知見やノウハウがあります。最近は、そういったものを全て盛り込んだものしか出せないですね。去年はじっくり作り込んでいましたが、今年は色々なジャンルのタイトルを出すつもりです。 ---: 今後は? 前田氏: 女性向けについては現在、模索しているところですね。今年は今までやれていなかった分野やテーマに取り組んでいく方針です。ポートフォリオを組んで、どういった分野に攻めていくべきかを考えています。以前は人数が少なく、どこかの分野に特化することが成功する要因にもなったわけですが、最近は人数も増えてきて、これまでやれていなかったところを含めて攻めていくつもりです。もちろん女性向けタイトルに強いのは事実なので、今後ももちろん力を入れます。   ■人材募集について ---: 最近ソーシャルゲーム業界では人材の獲得合戦が過熱しています。御社でも募集されているんですよね。 氏家氏: もちろんです。ディレクター、エンジニア、デザイナーなど全職種で絶賛募集中です。 ---: なるほど。御社では女性の開発スタッフはどのくらいいらっしゃるのですか? 氏家氏: だいたい30%程度になります。以前に比べて増えました。デザイナーと企画が多いですね。女性向けのコンテンツが多いことが影響しているのかもしれません。面接をしても、「ぼくのレストラン」で遊んでいるという人が多いです。スタッフと話していても、働きやすい、という声をよく聞きます。ただ、「太っちゃう」といわれます。 ---: 太っちゃう、いいますと? 仲江氏: 実は福利厚生の一環で、お菓子を食べ放題にしているんです。コーヒーも飲み放題です。以前は徹夜上等みたいな社風があったように、労働時間が長かったんですけど、いまは深夜になる前には帰ることができるようにしています。新作のリリース前は忙しくなりますが、それでも遅くまで働かないよう、スタッフには意識的に帰らせるようにしています。体を壊してしまっては仕方ないですから。 ---: 職場の雰囲気はどうですか? 前田氏: チームによるかもしれませんが、一日中、よく話をしてしますね。もちろん、無駄話ではなく、仕事の連絡や打ち合わせです。チャットなどでコミュニケーションをとる会社が多いかと思いますが、当社では直接話をするようにしています。   ■求められる人材像について ---: どういった方に来て欲しいというイメージはありますか? 仲江氏: やはり上昇志向の強い人がいいですね。色々なアンテナを持っていて、負荷軽減のための技術やデータマイニングのためのKVSやデータベースなどの技術情報を収集できるような人は歓迎です。新しいことに興味のある、技術を磨き続ける意欲の強い人が良いですね。WEBアプリ系や中規模のPVをさばいた経験があればなお歓迎です。 ---: なるほど。 氏家氏: 企画ですと、アプリを立ち上げるメンバーに来てもらえる場合、ゲームを作りたい、面白いものを作りたいという人がいらっしゃいます。そうした意識は本当に大切なのですが、プラスしてビジネス的な観点で考えられる人だと嬉しいですね。ターゲットやどういったゲームにするかを考えるということは、「自分が面白いと思うものを作る」のとはまた違い、「皆に楽しんでもらえそうだから開発する」という考え方になります。その結果、収益にもつながってくると考えています。 ---: 業界経験は必要でしょうか? 氏家氏: 業界経験はぶっちゃけてしまうといらないです。ソーシャルゲーム開発の業務知識は勉強すれば、すぐに身につけることができますから。弊社ではノウハウの共有や社員教育にも力を入れています。ですので、業界経験やプレイ経験よりも、むしろ先ほど申し上げたような基礎の部分がしっかりした方のほうが伸びしろが大きいのではないかと感じています。うまい具合に成長して大きなサービスが立ち上がられるかなと思います。 前田氏: 大前提としては、プログラムの開発やものづくりの好きであることがありますが、さらに自分が作るものについて自分の頭で考えて、こうしたらもっと良くなると考えられる人がいいです。エンジニアは、自分が良いと思って開発するものと、人からやらされている仕事では全く生産性が違いますから。スキルについては、言語ではPHPですね。あとはスマートフォンにも力を入れていますので、HTML5やJavascriptが使えることが望ましいと思います。 氏家氏: 当社は、既存アプリをさらに良くしていくだけでなく、ヒットタイトルもどんどん出さなくてはならないと考えています。ランキング1位を狙えるタイトルをどんどん輩出したいですね。まだ一番上は取れていませんから。ライバルの会社に並ぶようなコンテンツを提供していきたいです。    

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