三菱UFJモルガンスタンレー証券（MUMSS）は、3月30日付けのレポートで、ディー・エヌ・エー（DeNA)<2432>のレーティングを「Outperform」から「Neutral」に引き下げた。目標株価は、3330円から3360円に引き上げている。
レーティングを引き下げた理由は、3月29日からさかのぼった20営業日の終値の単純平均が3055円と、レポートで設定した目標株価3360円の圏内に到達したことをあげている。また、MUMSSでは、目標株価については、国内市場に限定した業績予想に基づいているという。その理由として、海外での収益貢献を含めた業績予想を作るだけの材料がないことをあげている。
会社側は、海外でもプラットフォーマーを目指すため、米ngmoco社が「plus+Network」の運営と、SAP向け開発エンジン「ngGame」の提供を通じて、収益拡大を目指している。サムスン電子にAbdriud搭載スマートフォン端末に「mobage」を提供するとともに、ゲームベンダーとして4月以降、ngCore版アプリを3タイトルをリリースする予定。
MUMSSの荒木正人氏は、サムスン電子端末へのプリインストールの評価が難しいとしながら、海外でアクティブなコミュニティを構築できるのかどうかについて懐疑的に見ているようだ。日記やメール、イベントなどのサービスも考えられるが、グローバルでかつバーチャルグラフで、ユーザーのプラットフォームへの帰属意識を高められるかどうかがポイントになると指摘している。
同時に、2012年3月期と2013年3月期のDeNAの業績予想を引き下げた。2012年3月期の営業利益予想を681億円から644億円に、2013年3月期を729億円から662億円としている。ソーシャルゲーム関連の予想を引き下げたことが主な要因。内製ゲーム、デラックスゲーム、オープンゲームの区分別の会社側の開示がないため、保守的に見直した、としている。
