今回は、テレビ東京ブロードバンド。社名から分かるようにテレビ東京系のモバイルコンテンツプロバイダーで、2005年12月、東証マザーズに上場した。2010年10月にテレビ東京ホールディングスに統合し、上場廃止となっている。
2006年当時、モバイルについては、「ワンセグ」や「フェリカ」、「3.5G携帯電話の普及」などが市場のテーマになっていたと記憶している。特に「3.5G」については通信速度の上昇とともに、付加価値の高いコンテンツを提供することで、モバイルCPにとっては大きなチャンスになると見られていた。
同社は、こうした流れについて、コンテンツのリッチ化に伴う収益性の悪化につながると判断、版権事業や音楽関連事業に進出するなど事業の多角化で収益拡大を目指す、とした(関連の決算説明会資料)。しかし、2008年3月期、2009年3月期の連結業績は赤字に転落、音楽関連事業から撤退するなど、残念ながら、業績を伸ばすことができなかった。
現在、テレビ東京との連携強化や、スマートフォンへの対応などを通じて立て直しを図っているようだ。特に今年に入ってからスマートフォンアプリを精力的にリリースしており、その動きは非常に目立っている。
テレビ東京ブロードバンド(東証マザーズ・3786)・・・2005年12月12日(月)上場
「テレビ東京系のモバイルコンテンツ配信会社」
テレビ東京子会社のテレビ東京ブロードバンドが12月12日、東証マザーズに上場する。
主力は「携帯関連事業」で、全体の売り上げに占める割合は約86%。テレビ東京で放送するコンテンツや時が経ても価値が下がらない「エバーグリーンコンテンツ」の各種デジタル化権を取得することに強みがあり、権利取得したコンテンツを携帯電話やPC向けに配信している。 「スヌーピー」や「セサミストリート」、「ミッフィー」といった「キャラクターサイト」やアニメコンテンツを活用した「アニメ専門サイト」、地上波テレビ番組を素材にテレビと連動する「テレビ東京番組サイト」などを展開している。
そのほか、システム開発やコンサルティング、モバイルコンテンツの企画・開発を行う「システムソリューション事業」なども手がけている。
今後は、事業領域を携帯関連事業の周辺にも広げ、更なる業績成長を図る方針。また、テレビ東京とのシナジー効果を生かすためのビジネスの開発のほか、優良コンテンツの獲得・プロデュースなどを行うプロパティマネジメント事業、音楽関連事業に進出する。
なお、手取り概算金13億9800万円については、携帯関連事業に関わるシステム開発費用や、新規コンテンツの権利獲得費用、音楽原盤権の獲得、権利獲得を伴う企業や協業価値のある企業との資本提携などに充当する予定。
〈会社概要〉
本社=東京都港区虎ノ門4-3-13
URL=http://www.tx-bb.com/
社長=髪林孝司
設立=2001年3月
発行済株式数=3万3600株(上場時)
資本金=7億9500万円(05年9月30日現在)
大株主=テレビ東京 11,798株(39.85%)、日本経済新聞社 4,700株(15.88%)、東日本電信電話 3,600株(12.16%)、シャープ株 2,600株(8.78%)、 インターチャネル 1,700株(5.74%)、 ドコモ・ドットコム 1,200株(4.05%) 、ボーダフォン 800株(2.70%)、QUICK 600株(2.02%)、集英社 600株(2.02%)、小学館プロダクション 600株(2.02%)