東京証券取引所は11月25日、「ソーシャルかぶコン2013」の最終審査・表彰会を開催した。「ソーシャルかぶコン2013」は株式市場をより身近に感じさせるようなスマートフォン向けアプリケーションの開発・企画コンテストだ(関連記事)。アプリ開発部門やアプリアイデア企画部門のほか、写真や画像1枚からでも応募できるプロモーション部門の3部門で募集し、応募総数は122件に達した。最終審査会に登場したコンテスト作品から、ソーシャルゲームインフォとしての視点で注目したいアプリや企画をピックアップした。
▲第1回にもかかわらず、全部門合計で120件を超える応募が集まった
アプリアイデア企画部門の準グランプリは『DREAM TREADER』。予知夢を見る女性と協力して、株の売買で利益を上げていくトレーダーと、トレーダーを追う調査官との攻防を描く、株式投資を舞台としたアドベンチャーゲームだ。(プレゼン資料、動画)
面白い発想だと思ったのは『パーソナル有価証券報告書』だ。20問の簡単な質問に回答すると、企業が決算ごとに作成する「有価証券報告書」で使われるような言い回しや専門用語を使って、「履歴書」を作成してくれるアプリだ。(プレゼン資料)
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■関連サイト
・「ソーシャルかぶコン2013」公式Facebook
・「ソーシャルかぶコン2013」公式サイト
コンテストの対象が、株価の上げ下げや株式取引に直結するようなアプリではなく、あくまで株式市場の認知度を高めるためのアプリだったこともあり、市場の専門家では思いもつきそうにないアイデアが飛び出した。このコンテストをきっかけに株式市場について調べたという参加者や、学生の参加者もおり、投資家のすそ野が広がる兆しを感じられるコンテストだった。
▲第1回にもかかわらず、全部門合計で120件を超える応募が集まった
【アプリアイデア企画部門】
■グランプリ:『社長カメラ』(作者:瀬尾真一郎さん)
『社長カメラ』はアプリアイデア企画部門でグランプリを受賞した。スマートフォンのカメラで自分を撮影すれば、上場企業の社長のなかで誰と似ているかを判定。「自分と似ている人が社長」という認識を、上場企業に親近感や興味を抱かせるきっかけとする。また、同じ社長に似ている人同士のソーシャル機能なども構想していた。(プレゼン資料)
■準グランプリ:『DREAM TREADER』(作者:鎌田純さん)
アプリアイデア企画部門の準グランプリは『DREAM TREADER』。予知夢を見る女性と協力して、株の売買で利益を上げていくトレーダーと、トレーダーを追う調査官との攻防を描く、株式投資を舞台としたアドベンチャーゲームだ。(プレゼン資料、動画)■『どんぐりデイトレ』(作者:小原さん)
『どんぐりデイトレ』は受賞はしなかったものの、株式市場について子どもに教育するという視点では、シンプルかつ明快なアプリで注目に値する。仕組みは簡単で、どんぐりや蝉の抜け殻といった子どもが屋外で遊ぶときに収集する「定番」の品を、アプリの交換レートに応じて、お小遣いと交換する。たとえばどんぐりなら、ネット上のどんぐり関連記事の多さに連動して、どんぐりと現金の交換レートが変動する。市場原理に基づくトレードについて、身近なものを使って教えることができるアプリだ(プレゼン資料)。■『企業成長目覚ましアプリ』(作者:大石さん)
『企業成長目覚ましアプリ』は登録した企業の成長を、アラームで知らせるほか、画面に登場する少女の仕草の変化で示す。シンプルな機能ながら、企業の成長を身近なものにするという目的には合致した作品だった。(プレゼン資料)
■『パーソナル有価証券報告書』(作者:ゼンリンデータコム企画本部新規サービス推進室)
面白い発想だと思ったのは『パーソナル有価証券報告書』だ。20問の簡単な質問に回答すると、企業が決算ごとに作成する「有価証券報告書」で使われるような言い回しや専門用語を使って、「履歴書」を作成してくれるアプリだ。(プレゼン資料)【アプリ開発部門】
■グランプリ:『おおきなかぶ』(作者:小泉さん)
アプリ開発部門のグランプリは、クリック募金でこつこつと株を買う『おおきなかぶ』だ。応援したい企業を指定して、「1円マーク」を押すとスポンサー広告が表示され、1円が株式購入資金として出資される。(プレゼン資料)▼個別企業のページに移動すると…
■『株と繋がるソーシャルゲーム「COMA(コマ)」』(作者:藤澤さん、高取さん、延澤さん)
受賞はしていないが、『株と繋がるソーシャルゲーム「COMA(コマ)」』も、ソーシャルゲームらしい作品ということで注目した。株価と連動したキャラクターでチーム(株式投資風に言えばポートフォリオ)を組んで、対戦するゲームだ。(プレゼン資料)【プロモーション部門】
■グランプリ:『DREAMS KABU TRUE!!』(作者:SHIFTBRAINコミュニケーションプランニング部)
プロモーション部門でグランプリを受賞したのは『DREAMS KABU TRUE!!』。参加者を子どもに限定して「10年後の夢の世界」をテーマにしたスケッチコンテストを開催。一般投票で最も応援を集めた夢は、コンテストに協賛した企業によって実現されるという企画だ。協賛企業は自由で前向きな子どもの発想から、事業アイデアを得られる可能性がある。▼コンテスト最後の集合写真
■関連サイト
・「ソーシャルかぶコン2013」公式Facebook
・「ソーシャルかぶコン2013」公式サイト