ニフティの第3四半期は2ケタの減収減益、ISP事業が不振で Webサービスやクラウド事業は好調

ニフティ<3828>は1月27日、2014年3月期第3四半期(13年4~12月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比10.4%減の539億円、営業利益は25.6%減の31億円、経常利益は21.8%減の31億円、純利益は13.7%減の18億円。2ケタの減収減益となった。

ゲームアプリなどのWebサービス事業やクラウド事業は増収増益だったが、会員数の減少などによるISP(インターネットサービスプロバイダ)事業の不振を補えなかった。
 

以下、事業別の概要。

ISP事業:売上高は前年同期比16.5%減の400億円、営業利益は同31.1%減の35億円
ブロードバンド接続会員数の減少が響いた。利益は会員獲得時の損益悪化と会員数減に伴う利益減で、大幅に減少した。なお、CATVを含むブロードバンド接続会員数は151万人(同6万人減)となった。内訳は、FTTH接続サービスの2013年12月末現在の会員数が109万人(13年3月末比2万人減)、ADSL接続会員数は20万人(同4万人減)。モバイルブロードバンド接続サービスは拡大しているが、獲得競争の激化で会員数は10万人(同1万人増)にとどまった。
 
Webサービス事業:売上高は前年同期比10.5%増の106億円、営業利益は同2.3倍の9.46億円
情報ポータルサイトから、マーケットプレイス型事業とスマートデバイス向けサービスへの転換に注力。ペット関連のコマース事業(連結子会社のプロミクロス)が好調だった。昨年12月、ゲームアプリ『ハローキティ ワールド』の第二弾として、iOS向けパズルゲーム『ハローキティ キャンディ』をリリースした。前期に減損損失を計上したことで減価償却費が減り、営業利益は大幅に改善した。

クラウド事業:売上高は前年同期比23.0%増の32億円、営業利益は同16.4%増の5.79億円
13年10月に、SaaSを箱型パッケージにして提供する「ハコクラ NIFTY Cloud selection」を提供開始。同11月には、スマートフォンアプリ開発に特化したクラウドサービス「ニフティクラウド mobile backend」の他社サービス連携を強化し、開発からマネタイズまでを一貫して支援する総合プラットフォームとして展開した。ただ、大口商談の受注延伸などで、売上は計画未達となった。


なお、2014年3月期通期の見通しは据え置いた。