Kingの最高経営責任者が、知的財産に関する書簡発表…『Candy』と『Saga』の商標登録へ

『Candy Crush Saga』や『Pet Rescue Saga』、『Papa Pear Saga』などで世界的大ヒットを記録している「King」の最高経営責任者(CEO)であるRiccardo Zacconi氏は、日本時間の1月28日、同社の企業サイトで、知的財産に関する書簡を発表した。
 
同書簡では、同社の知的財産権の保護と他の知的財産権への尊重を表明しており、市場の混乱を避け、同社の企業ブランドの維持を図り、同社の従業員の努力とその結果を尊重するために、同社の知的財産に関わる方針を決定した、とのこと。
 
同書簡では、論点として、以下の3つがあげられた。
 
  1. 「『Candy』の商標を、EUとアメリカにおいて商標登録を行うことを決定」したこと
  2. 「『Banner Saga』の商標に関して、法的措置を実施することを決定」したこと
  3. さらに「5年前に、他のゲーム開発者に既存ゲームのクローンゲームの開発を委託していた」こと

を発表した。その上で、Riccardo氏は、「これらの3つの論点に対して、同社が真摯に受け止め、対応検討することで、同社の"知的財産権に関わるポリシー"を明確化したい」と述べた。
 
Riccardo氏によると、同社の"知的財産権に関わるポリシー"とは、「それはシンプルで、私たちのポリシーとしては、"私たちの知的財産権を保護し、そして、他の知的財産権を尊重すること"です。」とのこと。

また、同氏は、現在のゲーム市場に関して、「私たちは、大盛況なゲーム開発コミュニティの中にいると信じています。そして、そのコミュニティの中には、小規模なものから大規模なものまで、良質なゲーム開発者たちが、彼らの熱意ある仕事と彼らがつくりあげたゲームを保護するために、適切な対応を行っていると信じています。」と述べた。
 
そして、今回の論点とその対応に関して、Riccardo氏は、「様々な責任ある会社のように、私たちは、私たちの知的財産権を保護するために適切な法的措置をとります。それには、外観やデザインも含まれます。私たちの目的は、とてもシンプルで、"従業員の熱意ある仕事の成果をただ誰にも模倣されないようにすること、そして、市場の混乱を避け、私たちのブランドイメージの維持を図る"ことです。そのために、今回の論点に真摯に向き合い、模倣品に関する法的対応をとることとなりました。」と述べた。
 
<以下、同社の「知的財産に関する書簡」より抜粋>
 

 

「Kingは、クローンゲームの会社ではない」



 
まず、Riccardo氏は、約5年前に、『ScamperGhost』に酷似したゲーム『Pac-Avoid』の開発をサードパーティーに委託していたことを明らかにした。同ゲームの開発に至った経緯に関しては詳細な説明は無かったものの、現在は同ゲームを閉鎖したことを発表し、謝罪を述べた。
 
その上で、同氏は、「みなさんに、はっきりとお伝えいたします。この不運な状況は、ルールを逸脱しています。Kingは、クローンゲームの会社ではない。そして、私たちも、私たちのゲームを、誰にも模倣されたいとは思っていません。」と述べた。
 
そして、同社のゲーム開発については、ゲーム開発のプロジェクトが始まる前に、徹底した市場調査を行っていること、他の知的財産件の侵害を避けるために法務による知的財産権の調査を行っていることを明らかにした。また、現在、同社のゲームタイトルは100タイトルを超え、そのうち特許や商標など登録可能なものについては法的対応をとっていることも明らかとなった。
 

 

『Candy』を商標登録へ



 
次に、Riccardo氏は、カジュアルゲームにおける『Candy』と『Saga』の商標登録について述べた。
 
同氏は、『Candy Crush Saga』が歴史的にも大成功したカジュアルゲームのひとつとなったことを讃えた上で、「毎日、『Candy Crush Saga』をたくさんの方々がプレイしている。それは驚くべきことではないし、今までにこのゲームの大ヒットに便乗して、ゲーム開発をしてきた方々や、類似音楽や類似外観・デザインのゲームもリリースされています。私たちは、そのような模倣品から私たち自身を保護するために、適切で合理的な対応をとりたいと強く思っています。」と、今回の商標登録への経緯を説明した。
 
そして、昨年、同社は、EUでの『Candy』の商標登録に向けて、倒産していた企業から『Candy』の商標を買い取っていたことを発表し、アメリカでの『Candy』の商標登録の申請に至ったことを明らかにした。
 
今回の『Candy』という広く一般的な単語に関する商標を登録することに関しては、『Apple』や『Time』などの単語が商標登録されていることを例に挙げ、
「商標登録をすることで、私たち以外に同様の商標を利用することができなくなるため、私たちの成功に不当に便乗したゲームをつくろうとする他の開発者を阻止することができる」メリットがあるとしている。
 

 

商標『Banner Saga』へ法的措置



 
最後に、Riccardo氏は、商標『Banner Saga』に関して断固反対の法的措置をとることを明らかにした。
 
『Banner Saga』のゲーム自体については、同社のゲームと類似してはいないとしたものの、同社は先行して、『Candy Crush Saga』、『Bubble Witch Saga』、『Pet Rescue Saga』や『Farm Heroes Saga』などの「Saga」シリーズをリリースしていることから、今回の『Banner Saga』によって、商標権の侵害と著作権の侵害があると判断し、法的措置に行ったとした。
 
今回の対応について、同氏は、「私たちは、『Saga』という単語を使うことに反対しているのではなく、私たちのオリジナルゲームを保護するため、私たちの能力を保全するために、彼らの商標に対して反対の立場を取らざるを得ないのです。」としている。



 

関連サイト


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『Banner Saga』公式サイト


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