最近、「Facebook」がにわかに注目を集めている。国内の主要SNSに比べて圧倒的にユーザー数が多いため、市場として魅力を感じている企業が多いようだ。すでに日本企業によるFacebookアプリが運営されているが、それらはユーザーから評価されているのだろうか。今回、いくつかアプリをピックアップして、MAU(月間アクティブユーザー)の推移をチェックしておきたい。
書き終わって、見直したとき、「仰々しいスタートの割に内容が浅いかも?」と思ったが、そのまま出すことにした。ご容赦いただきたい。グラフは、AppDataのものである。
■『TinierMe』
ジークレストが国内で運営中の「アットゲームズ」の海外向けバージョン。ゲームやチャット、アバターを通じてコミュニケーションが楽しめるネットワークコミュニティサービスとなっている。2010年12月16日以降のMAUの推移は、若干、低下気味のようだが、1月15日現在のMAUは、24万6488人と依然として高い水準にある。
アプリURL: http://www.facebook.com/apps/application.php?id=310915393329
■『Lands & Legends』
これは、日本国内でも有数の人気を誇るブラウザシミュレーションゲーム『ブラウザ三国志』の「Facebook」版とされている。昨年5月より、『ブラウザ三国志』を開発したONE-UPが『Lands and Legends』というタイトルで運営していたが、12月頃、Alpha Digital Network, Inc.が運営を引き継ぐとともに、タイトルについても『Lands & Legends』に変更している。12月16日以降、MAUは増え続け、1月15日現在、3万2610人となっている。このままどこまで伸びるのか注目される。
アプリURL: http://www.facebook.com/apps/application.php?id=167316923299588
■『Ameba Pico Virtual World』
サイバーエージェントが運営する2D仮想空間サービス『アメーバピグ』のフェースブック版。アバターコミュニティサービスで、着替えや部屋作り、チャットといったユーザー同士でのコミュニケーションが楽しめるサービスとなっている。12月16日以降のMAUの推移を見ると、着実に増えている。1月15日現在、61万8731人。
アプリURL: http://www.facebook.com/apps/application.php?id=223102214157
■『NinjaTrick』
サイバーエージェントアメリカによるアプリである。「mixi」でも運営されていたが、すでに終了している。このアプリは、忍者対戦オンラインゲーム。最大4体4で遊ぶことができるほか、リアルタイムのチャットなども楽しめる、とのこと。12月16日以降のMAUは低下傾向にあり、4万人を超えていたが、1月15日現在、3万4735人となっている。
アプリURL: http://www.facebook.com/apps/application.php?id=51099953536
■Monster Fantasy
ヘッドロックのmixiアプリ『ぼくらのファンタジア』のFacebook版。Tetris Onlineが運営している。ノンターゲット方式の2DアクションMMORPG。ダンジョンを攻略してレベルを上げつつ、素材を集めて武器を作成・強化していくというもの。12月16日には、1万7000人近くいたMAUは徐々に低下しており、1月15日現在、1万2301人となっている。
アプリURL: http://www.facebook.com/apps/application.php?id=143819028975835
■『Lost Trails』
ヴァンガード「ファンタジーウォーカー」のFacebook版。運営はTetris Online。一見すると、FFのようなエンカウント式のRPGにみえるが、移動からエンカウント、戦闘といった一連の操作が自動になっている点が特徴で、プレイヤーのできることは、仲間選びや装備の変更、スキルの分配、目的地の設定などに限られる(関連記事)。12月16日時点で、6万に近くいたMAUが降下しており、1月15日現在、3万8934人となっている。
アプリURL: http://www.facebook.com/apps/application.php?id=314453078817
以上、「Facebook」で運営中の日本企業のアプリの一部をみてきた。コミュニケーションに重点を置いたアプリが多くのユーザーを集める一方、(こういう言い方が良いのかわからないが)ゲーム要素の強いアプリはユーザー集めに苦戦する傾向にあるのだろうか。リリースされているアプリのほんの一部をチェックしたに過ぎないので、今後、どうなっていくのか、違ったジャンルのアプリではどうなのか、引き続きウォッチを続けていきたい。
最後に、日本で企画・開発したしたPC用ソーシャルアプリを「Facebook」で世界を相手に運営する場合、ゲーム内表記の英語対応やカルチャライズはもちろん、サポートも英語で行う必要がある。自社でできる企業はともかく、余力のない企業は海外企業にライセンス供与したり、一連の業務を専門の会社に委託したりすることになると思われる。
とはいえ、ライセンス供与の場合、ライセンス料やロイヤリティ、著作権などの取り扱い、膨大なページ数の契約書のリーガルチェックなど色々と業務量が多くなるため、実際にやるとなると、なかなか大変なようである。また、専門の会社に委託するとしても、コスト面で問題が出てくることになる。これはまた機会があれば。