【TGS2014】『グランブルーファンタジー』の今後の展開が明らかに。新コンテンツ「カジノ」「共闘クエスト」を追加した超大型アップデートを実施、完全描き下ろしアニメの新TVCMも放送予定
2014年9月18日~21日に、千葉・幕張メッセで「東京ゲームショウ2014」(以下、TGS 2014)が開催。初日のディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>ブースでは、Cygamesの人気モバイル向けRPG『グランブルーファンタジー』の開発秘話と今後の展望に関するステージイベントが開催された。
『グランブルーファンタジー』とは、「星の民」や「神々」を巡る物語、「星晶獣」と呼ばれる獣の存在など、ファンタジックな世界観を基調としたモバイル向けソーシャルRPGだ。開発には、これまで数多くの大作RPGの制作に携わったCyDesignationのキャラクターデザイナー・皆葉英夫氏と、サウンドコンポーザーとして様々なゲームに楽曲を提供する植松伸夫氏が参加している。
「ブラウザゲームの限界に挑戦」をテーマに掲げた本作は、2014年3月10日のリリースから現在登録ユーザー数150万人を突破。着々とユーザー数を伸ばしており、まさにモバイルRPGの新境地を切り開いているタイトルだ。
当日は、Cygames 執行役員である『グランブルーファンタジー』プロデューサーの春田康一氏、そして聞き手としてDeNA 執行役員 赤川隼一氏の2名が登壇。はじめに赤川氏より、春田氏に本作の世界観の成り立ちについて質問を投げかけた。
『グランブルーファンタジー』の世界観は、いわゆる異世界を舞台にしたハイ・ファンタジー。身近にある幻想的な体験を通して、感動を得られるような世界観をゲームで表現しようとしたとのこと。こだわった点としては、主要キャラクター以外となる背景やモブキャラひとりひとりにしてもクオリティ高いデザインを維持している点という。
というのも前述したゲーム説明でもあるように、本作には数多くの大作RPGの制作に携わったCyDesignationのキャラクターデザイナー・皆葉英夫氏が携わっている。リアルな一枚絵の迫力や戦闘中のデフォルメキャラの演出など、こうした細部まで描き込まれたデザイン力は、なかでも開発陣一丸となってこだわり抜いたところのようだ。
▲『グランブルーファンタジー』プロデューサーの春田康一氏
そのほか、こだわった点として「“クオリティの高いネイティブのように…”ではなく、ゲームとして面白いと思うものを、きちんとモバイルブラウザのなかで表現しようと開発してきた」と春田氏は語った。バトルでも違和感なく音が鳴ったり、演出が格好良かったりなど、“モバイルまたはブラウザだから仕方ないよね…”といった一切の妥協がない開発力が『グランブルーファンタジー』では表現されているようだ。
■超大型アップデートの実施と豪華な新テレビCMも放送決定
続いて春田氏より『グランブルーファンタジー』で直近予定されているアップデート情報を話してくれた。今回のアップデートは、なんとリリースと同等レベルにもなる“超大型”の内容という。すでに本ステージ後、公式ブログでも内容が公開されているため、こちらを抜粋しながら紹介していこう。
【今秋予定のアップデート】
・新コンテンツ「カジノ」の実装
・新コンテンツ「共闘クエスト」の実装
・ゲーム全体の消費APの見直し
・特別バージョンのキャラの衣装変更
・様々なアイテムの追加・調整
・称号の追加
・メインクエストキャラの強化
・既存キャラのフェイトエピソード追加
・既存SSレア、Sレアキャラの最終上限解放(仮)既存キャラ全てへの信頼度の導入
・JPの用途の拡張
・Lv20になったジョブのさらなる育成手段
・キャラ・武器・召喚石のボーナス(+値)のリセット
・武器の新たな強化要素の追加
・特定トレジャーをルピと交換する仕組み
・複数の敵とのマルチバトル対応
(※詳細は公式ブログでチェック)
新コンテンツ「カジノ」では、ルピで専用のコインを購入することで各種ゲームが遊べるようだ。遊べるゲームの数は順次追加されていき、カジノでしか仲間にできないキャラも登場するという。「カジノは戦闘の箸休めとして作ろうとしたのだが、結果、ひとつのゲームとして発売しても良いほどのボリュームになった」とクオリティの高さに触れた。
また、『グランブルーファンタジー』には各キャラクターのバックボーンが語られるサブクエスト「フェイトエピソード」というシステムが存在する。今回のアップデートでは、9月を第1弾として既存キャラのフェイトエピソードが毎月追加されていくとのこと。なお、追加フェイトエピソードをこなすことで、 キャラのステータスにボーナスがついたり、レアのキャラは3つ目のアビリティを習得したりすることもあるようだ。
そのほかキャラクターのさらなる上限解放など、今回のアップデートでは育成手段の広がりを感じさせる内容となっている。これについて春田氏は「やはり本作は王道ファンタジーRPGなので“キャラクターを手に入れて終わり…”ではなくて、プレイヤーとなる主人公が仲間と出会って共に物語を紡いでいく必要がある」と語った。一度仲間にしたキャラクターがレベルをカンストしたら終了とするのではなく、本作では各キャラクターが様々な要素を持ってコンテンツを拡充していくようだ。
また、動作に関する改善についても触れた。「リリースしたときは、“動作が重い”という声が届いてた。こちらも改善するために現在進めている。開発し直すぐらいのレベルでやっている。来週には何かしらの結果が出せるかも」と改善に向けて進行していることを明かした。
前述したアップデートには「複数の敵とのマルチバトル対応」とあるように、さらに敵が増えることで動作は重くなるのではないかと心配しそうだが、今後の軽量化に向けて、よりスムーズなゲームプレイが実現できることに期待できそうだ。
そして、今後知っておくと得する情報としてルビを手に入りやすくしたコンテンツ「共闘クエスト」の存在を挙げた。というのも今後は、自分自身を成長させるコンテンツとして「共闘クエスト」が中心となるようだ。「ファイターなどの基本ジョブも使えるように能力を上げたり、さらなる上位ジョブの追加も考えている」と春田氏。
最後にクロスメディア展開についても言及した。現在『グランブルーファンタジー』では4コマ漫画やラジオなど、多岐にわたり露出展開を行っている。「小説やコミック、アニメ化も進められるチャンスがあれば、すぐにでも進めていきたい。さらにキャラクターの個性が際立ってくれば、スピンオフのようなタイトルも構想としてはあり」と言葉を添えた。
また、先日「CEDEC2014」でプレイステーション4タイトルの開発もスタートしていることが明らかになったが(関連記事)、これについて春田氏は「仮に『グランブルーファンタジー』が出たとしても、世界観やゲーム面で注目されるタイトルになるだろう」と明言は避けたが、仮にプレイステーション4で開発した場合、クオリティの高いゲームになることを滲ませた。
そして、テレビCMの第2弾も計画中とのこと。こちらは完全描き下ろしのアニメーションとなり、9月27日の放送開始を予定している。「15秒のCMに8人もの声優さんにご参加いただいた本当に豪華なもの。非常に盛り上がりを見せるCMとなった」と、さらなる人気に火がつくことを期待させる完成度になっているようだ。
■『グランブルーファンタジー』
©Cygames, Inc.
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432