ミクシィ<2121>は、11月7日、第2四半期(2Q、7-9月期)の決算発表を行うとともに、東京都内で決算説明会を開催した。2Qは、売上高が222億円(前四半期比:74.8%増)、営業利益が96億円(同108.3%)、経常利益が97億円(同109.3%)、最終利益が29億円(同111.1%)と、第1四半期(1Q、4-6月期)に引き続き驚異的な増収・増益を達成した。
『モンスターストライク』を含むコンテンツ事業の売上高が200億円に迫る勢いなど、引き続き高い成長を見せたことが主な要因だ。また、非開示していた2014年度通期の業績予想を、売上高が1000億円であることを発表した。このほか、決算発表当日に初公開した新プロジェクト『モンストスタジアム(仮称)』が発表された。(以下、「」内は断りがない限り、森田氏の発言)。
決算説明会では、はじめに取締役の荻野泰弘氏が財務状況を説明した。冒頭でも記載している通り、2Qは売上高が222億円(前四半期比:74.8%増)、営業利益が96億円(同108.3%)、経常利益が97億円(同109.3%)、最終利益が29億円(同111.1%)と、驚異的な増収・増益を達成した。『モンスターストライク』の業績拡大に伴い、売上・利益ともに順調に成長したことが要因である。
また、同作を含むコンテンツ事業の売上高は、前四半期比(4-6月期)が約100億円に対して、93.5%増の194億円とさらなる伸びを見せた。そのほかの内訳としては、結婚支援やフォトブック、求人広告などのライフイベント事業が14億9700万円と前四半期比で1億円の増収を達成、SNS「mixi」を扱うメディア事業も12億円と前四半期で同等の売上高を維持した。
売上原価は、引き続き『モンスターストライク』に係る外注費が増加し、そのほかは横ばいとなった。販管費も同様に『モンスターストライク』の売上増に伴い、AppleやGoogleに支払う決済手数料が前四半期比85%増の64億3900万円、テレビCMなどの広告宣伝費が同48%増の24億5900万円となった。おもに『モンスターストライク』の売上増に伴う変動費のみのコスト増が要因になっている。
続いて、代表取締役社長の森田仁基氏より、『モンスターストライク』の近況を含む事業状況の説明に移った。
2014年10月10日でサービス開始1周年を迎えた同作は、初のユーザーイベント「モンスト 1周年記念“超絶”感謝祭 in nicofarre」を10月25日に都内で開催した。イベントでは、1周年を振り返るトーク&クイズコーナーや主題歌LIVEなどを実施。また、本イベントのニコニコ生放送の番組来場者数は120万人を突破。森田氏は「伺うところによると、3時間程の番組ではニコニコ生放送で歴代1位。大成功を収めたイベントになった」とコメントした。
利用者数も順調に推移しており、現在の世界累計利用者数は1500万人を突破(2014年10月27日時点)。なお、利用者数には、同一端末で重複ダウンロードされた数は含んでいない。森田社長は、「概ねデイリーで4万~5万ダウンロードあり、月に換算すると120万~150万の間となる」と具体的な数字を明かした。
また、会場からはARPU(一人あたりの課金額)やDAU(1日に利用したユーザーの数)の推移に関する質問が挙がったが、同社はいずれの数字も非開示としている。ただし、KPI(重要業績評価指標)として指標しているのは、DAUであることを添えた。「アクティブユーザー数が順調に積み上がっているからこそ、業績も堅調に積み上がっている。具体的な数字は控えるが、課金率やARPUに関しては概ね横ばいから若干微増となっている」と述べた。
App Annie公開のアプリ市場動向をまとめた最新レポート「Worldwide App Annie Index for Games July 2014」で、ミクシィが世界トップパブリッシャーとして5位にランクインしていることも発表した(関連記事)。アプリ単体では『モンスターストライク』が4位にランクインし、森田氏は「『モンスト』は世界で4番目に売れているアプリ。順調に売上を伸ばしている」と言葉を添えた。
おもな売上・ダウンロード増加の要因は、積極的なプロモーション施策である。なかでも2Qの大きな施策のひとつとして、テレビCMに「LINE」の人気キャラクターが出演したことを挙げた。「このテレビCMがユーザーから非常に好評で、急激にユーザーが増えた」と、クリエイティブの内容が奏功したことを明らかにした。変わり種では、千葉ロッテマリーンズと共同で、ピッチャーがストライクを投げるとバックスクリーンに広告が表示される「ストライクフラッシュアド」などの新しい取り組みを実施。
マーチャンダイジング展開では、攻略本が好調に推移しているとのこと。また、「東京ウォーカー」(発行:角川マガジンズ)とコラボした、情報誌「モンストWalker」に関して森田氏は「Amazonの書籍ランキングで、全ジャンルのなかで1位を獲得」と“瞬間風速”であることを前置きしながらも、関連書籍の大ヒットについても述べてくれた。
また、KONAMIとの共同事業になるアーケードゲーム『モンスターストライク MULTI BURST』は、全国でロケーションテストを実施した。2015年春の正式稼動に向けて、鋭意制作中とのこと。
海外展開の直近では、台湾版の利用者数が100万人を突破(※11月6日時点)。こちらは大規模なプロモーション施策を展開しておらず、口コミを中心にユーザー数が増加したという。今後は積極的なマーケティング施策を予定。現在は、日本同様に公式YouTubeチャンネルを開設し、著名なタレントやYouTuber(ユーチューバー)を招いて、『モンスターストライク』を複数人で遊ぶ動画を逐次配信中とのこと。「“『モンスト』ってこうやって遊ぶんだ…”と、きちんとコアバリューをユーザーに伝えていきたい」と森田氏。
なお、北米版は10月23日に提供開始、韓国版は11月中旬に提供開始予定。これに加えて、中国・東南アジア・ヨーロッパの展開を考えているとのこと。なお、具体的な展開時期は未定という。
そして、今回の決算発表と同時にサプライズ発表されたのが、『モンスターストライク』の新プロジェクト『モンストスタジアム(仮称)』の始動である。まだ詳細については未定だが、『モンスターストライク』が協力プレイをテーマにしたタイトルに対して、『モンストスタジアム(仮称)』は対戦プレイに特化したアプリになるとのこと。
森田社長は「YouTubeなどで2チームに分かれ“どちらが先に勝つか”というルールで楽しんでいる方がいる。これが見ている人もやっている人も非常に楽しんで、なおかつ興奮するものになっており、これを実際に体験してもらいたい……という思いでプロジェクトを発足」とコメントした。
SNS「mixi」を中心としたメディア事業では、引き続き「興味関心でつながれるサービス」をコンセプトに、改修及びコンテンツ提供を進めている。現在は、「mixi」の10周年企画(コンテンツ)を軸に、ユーザー同士のコミュニティ活性化に努めているという。
ライフイベント事業は、前述の通り順調に売上を伸ばしている。なかでもフォトブック事業「nohana」は、会員数が約90万人、決済方法にキャリア課金を追加するほか、「ノハナ年賀状2015」を提供開始するなど話題に事欠かない。
また、2014年8月にスマートニュース社と資本業務提携し、同社が開発・構築するネイティブ広告ネットワーク「スマートアド(仮称)」は、現在インフィード型ネイティブ広告の共同開発およびテスト配信を実施中とのこと。具体的なサービス開始日は未定。
経費に関しては、「2Qの使い方を踏襲して予想を組んでいる」とのこと。具体的には、2Qの広告宣伝費が約25億円であったように、同様のボリュームで広告宣伝費は推移するという。「ただし、海外展開が加速した際には、若干その売上高に紐づく形で経費も推移する」とした。人件費は既存の従業員で十分にまかなえるため、事業の進捗に応じて増加はするが、大規模な採用費の投資や人件費の増加にはならないようだ。
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『モンスターストライク』を含むコンテンツ事業の売上高が200億円に迫る勢いなど、引き続き高い成長を見せたことが主な要因だ。また、非開示していた2014年度通期の業績予想を、売上高が1000億円であることを発表した。このほか、決算発表当日に初公開した新プロジェクト『モンストスタジアム(仮称)』が発表された。(以下、「」内は断りがない限り、森田氏の発言)。
■2Qの『モンスト』含むコンテンツ事業の売上高は194億円
決算説明会では、はじめに取締役の荻野泰弘氏が財務状況を説明した。冒頭でも記載している通り、2Qは売上高が222億円(前四半期比:74.8%増)、営業利益が96億円(同108.3%)、経常利益が97億円(同109.3%)、最終利益が29億円(同111.1%)と、驚異的な増収・増益を達成した。『モンスターストライク』の業績拡大に伴い、売上・利益ともに順調に成長したことが要因である。
また、同作を含むコンテンツ事業の売上高は、前四半期比(4-6月期)が約100億円に対して、93.5%増の194億円とさらなる伸びを見せた。そのほかの内訳としては、結婚支援やフォトブック、求人広告などのライフイベント事業が14億9700万円と前四半期比で1億円の増収を達成、SNS「mixi」を扱うメディア事業も12億円と前四半期で同等の売上高を維持した。
売上原価は、引き続き『モンスターストライク』に係る外注費が増加し、そのほかは横ばいとなった。販管費も同様に『モンスターストライク』の売上増に伴い、AppleやGoogleに支払う決済手数料が前四半期比85%増の64億3900万円、テレビCMなどの広告宣伝費が同48%増の24億5900万円となった。おもに『モンスターストライク』の売上増に伴う変動費のみのコスト増が要因になっている。
■『モンスト』のDL数は月120万強、課金率やARPUは微増
続いて、代表取締役社長の森田仁基氏より、『モンスターストライク』の近況を含む事業状況の説明に移った。
2014年10月10日でサービス開始1周年を迎えた同作は、初のユーザーイベント「モンスト 1周年記念“超絶”感謝祭 in nicofarre」を10月25日に都内で開催した。イベントでは、1周年を振り返るトーク&クイズコーナーや主題歌LIVEなどを実施。また、本イベントのニコニコ生放送の番組来場者数は120万人を突破。森田氏は「伺うところによると、3時間程の番組ではニコニコ生放送で歴代1位。大成功を収めたイベントになった」とコメントした。
利用者数も順調に推移しており、現在の世界累計利用者数は1500万人を突破(2014年10月27日時点)。なお、利用者数には、同一端末で重複ダウンロードされた数は含んでいない。森田社長は、「概ねデイリーで4万~5万ダウンロードあり、月に換算すると120万~150万の間となる」と具体的な数字を明かした。
また、会場からはARPU(一人あたりの課金額)やDAU(1日に利用したユーザーの数)の推移に関する質問が挙がったが、同社はいずれの数字も非開示としている。ただし、KPI(重要業績評価指標)として指標しているのは、DAUであることを添えた。「アクティブユーザー数が順調に積み上がっているからこそ、業績も堅調に積み上がっている。具体的な数字は控えるが、課金率やARPUに関しては概ね横ばいから若干微増となっている」と述べた。
■「『モンスト』は世界で4番目に売れているアプリ」…LINEキャラ出演のTVCMも奏功
App Annie公開のアプリ市場動向をまとめた最新レポート「Worldwide App Annie Index for Games July 2014」で、ミクシィが世界トップパブリッシャーとして5位にランクインしていることも発表した(関連記事)。アプリ単体では『モンスターストライク』が4位にランクインし、森田氏は「『モンスト』は世界で4番目に売れているアプリ。順調に売上を伸ばしている」と言葉を添えた。
おもな売上・ダウンロード増加の要因は、積極的なプロモーション施策である。なかでも2Qの大きな施策のひとつとして、テレビCMに「LINE」の人気キャラクターが出演したことを挙げた。「このテレビCMがユーザーから非常に好評で、急激にユーザーが増えた」と、クリエイティブの内容が奏功したことを明らかにした。変わり種では、千葉ロッテマリーンズと共同で、ピッチャーがストライクを投げるとバックスクリーンに広告が表示される「ストライクフラッシュアド」などの新しい取り組みを実施。
マーチャンダイジング展開では、攻略本が好調に推移しているとのこと。また、「東京ウォーカー」(発行:角川マガジンズ)とコラボした、情報誌「モンストWalker」に関して森田氏は「Amazonの書籍ランキングで、全ジャンルのなかで1位を獲得」と“瞬間風速”であることを前置きしながらも、関連書籍の大ヒットについても述べてくれた。
また、KONAMIとの共同事業になるアーケードゲーム『モンスターストライク MULTI BURST』は、全国でロケーションテストを実施した。2015年春の正式稼動に向けて、鋭意制作中とのこと。
■台湾は口コミでユーザー数100万人突破、中国・東南アジア・欧州の展開も進行中
海外展開の直近では、台湾版の利用者数が100万人を突破(※11月6日時点)。こちらは大規模なプロモーション施策を展開しておらず、口コミを中心にユーザー数が増加したという。今後は積極的なマーケティング施策を予定。現在は、日本同様に公式YouTubeチャンネルを開設し、著名なタレントやYouTuber(ユーチューバー)を招いて、『モンスターストライク』を複数人で遊ぶ動画を逐次配信中とのこと。「“『モンスト』ってこうやって遊ぶんだ…”と、きちんとコアバリューをユーザーに伝えていきたい」と森田氏。
なお、北米版は10月23日に提供開始、韓国版は11月中旬に提供開始予定。これに加えて、中国・東南アジア・ヨーロッパの展開を考えているとのこと。なお、具体的な展開時期は未定という。
■対戦プレイに特化した新作『モンストスタジアム(仮称)』が電撃発表
そして、今回の決算発表と同時にサプライズ発表されたのが、『モンスターストライク』の新プロジェクト『モンストスタジアム(仮称)』の始動である。まだ詳細については未定だが、『モンスターストライク』が協力プレイをテーマにしたタイトルに対して、『モンストスタジアム(仮称)』は対戦プレイに特化したアプリになるとのこと。
森田社長は「YouTubeなどで2チームに分かれ“どちらが先に勝つか”というルールで楽しんでいる方がいる。これが見ている人もやっている人も非常に楽しんで、なおかつ興奮するものになっており、これを実際に体験してもらいたい……という思いでプロジェクトを発足」とコメントした。
■「nohana」筆頭にライフイベント事業が好調
SNS「mixi」を中心としたメディア事業では、引き続き「興味関心でつながれるサービス」をコンセプトに、改修及びコンテンツ提供を進めている。現在は、「mixi」の10周年企画(コンテンツ)を軸に、ユーザー同士のコミュニティ活性化に努めているという。
ライフイベント事業は、前述の通り順調に売上を伸ばしている。なかでもフォトブック事業「nohana」は、会員数が約90万人、決済方法にキャリア課金を追加するほか、「ノハナ年賀状2015」を提供開始するなど話題に事欠かない。
また、2014年8月にスマートニュース社と資本業務提携し、同社が開発・構築するネイティブ広告ネットワーク「スマートアド(仮称)」は、現在インフィード型ネイティブ広告の共同開発およびテスト配信を実施中とのこと。具体的なサービス開始日は未定。
■通期業績予想は売上高1000億円、『モンスト』海外版は北米・韓国含まず
2014年度通期の業績予想は、前回の発表時に“合理的な算出が難しい”とのことで非開示としていたが、今回足元・直近の数字を加味して、売上高1000億円(前期比8.2倍)、営業利益450億円、経常利益450億円、当期純利益290億円を見込んでいることを発表した。『モンスターストライク』の海外売上に関しては、台湾版のみを含んでおり、北米版や韓国版の売上は含んでいないでの数字だ。
経費に関しては、「2Qの使い方を踏襲して予想を組んでいる」とのこと。具体的には、2Qの広告宣伝費が約25億円であったように、同様のボリュームで広告宣伝費は推移するという。「ただし、海外展開が加速した際には、若干その売上高に紐づく形で経費も推移する」とした。人件費は既存の従業員で十分にまかなえるため、事業の進捗に応じて増加はするが、大規模な採用費の投資や人件費の増加にはならないようだ。
Copyright (C) mixi, Inc. All rights reserved.
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121