gumi<3903>は、2025年4月期 第2四半期決算説明の動画を公開した。川本社長は、事業方針の一部変更、決算概要、業績回復の進捗について詳細に説明した。モバイルオンラインゲーム事業では、オリジナルタイトルの開発を当面中止し、IPタイトルや受託タイトルに注力する方針を示した。ブロックチェーン事業では、エンターテインメント領域でのパイプライン見直し、アセットマネジメント領域での運用資産拡大、投資領域での戦略的投資を進めていることを強調した。第2四半期の業績は、売上高26億4500万円、営業利益1億1400万円、経常利益7億2800万円、純利益7億6700万円と第2四半期に続き営業・経常黒字を達成した。また、OSHIトークンプロジェクトの展開やAI領域への取り組み強化など、新たな成長戦略についても言及した。
※読みやすくするため一部表現を変更しております。
【主な内容】
■事業方針の見直し
■決算概要
■セグメント別業績
■トピックス
■業績回復の進捗
■事業方針の見直し
株式会社gumi代表取締役社長の川本です。それでは、当社第2四半期決算のご説明をさせていただきます。本日は、事業方針の一部変更および決算概要、そして業績回復の進捗を中心にご説明させていただきます。
まず、事業方針の一部を変更しておりますので、こちらについてご説明いたします。まずはモバイルオンラインゲーム事業についてです。オリジナルタイトルの開発は当面中止し、ヒットの蓋然性の高いIPタイトルや安定収益源となる受託タイトルの開発、並びに収益の多角化に向けたカジュアルゲーム等の開発を行っていく方針に変更はございませんが、これらに加え、製作委員会などの外部プロジェクトへの積極的な参画を行ってまいります。
これにより、リスクを分散しつつ、IPビジネスを展開することができ、当該IPを活用したゲームの開発のみならず、アニメやグッズ等の様々な収益機会を創出することが可能となります。これらの取り組みを通じ、収益源を多様化させることで、業績におけるボラティリティを抑え、安定的な成長を図ってまいります。
また、これらの方針を確実に実現するために、開発スタジオの再編も進めてまいりました。これらの改革にとどまらず、今後も市場環境に応じて継続的に最適な組織改革を進めていく予定です。このような取り組みを通じ、本事業をキャッシュエンジン事業として確立すべく鋭意取り組んでまいります。
続きまして、成長市場であるブロックチェーン市場において、さらなる収益拡大を目指すため、事業方針の一部見直しを行いましたので、ご説明いたします。まず、エンターテインメント領域についてです。まずはゲーム領域となりますが、昨今の市場動向に鑑み、パイプラインを大幅に見直すことといたしました。IPタイトルについては、版元が市場動向を見定めた動きへと方針を変更したことに伴い、一部タイトルについて開発を当面中断する形に変更いたします。自社開発については、現在開発中の『ブレイブ フロンティア バーサス』に経営リソースを集中投下し、大ヒットタイトルを創出すべく取り組んでまいります。協業タイトルについても、原則開発は継続するものの、一部タイトルについては開発を中断いたします。
次に、プラットフォーム領域についてですが、こちらについてはこれまでと変わらず、ブロックチェーン技術を活用した新しい推し活のプラットフォームプロジェクト「OSHI3」を引き続き推進し、OSHIトークンの価値の持続的向上を図ってまいります。
続きまして、金融領域になります。まずはアセットマネジメント領域におきましては、昨今の暗号資産マーケットの拡大を受け、これまで以上にノード運用事業に注力すべく、運用資産を拡大してまいります。そのための具体的な取り組みの一つとして、外部資本を活用した事業を開始すべく、関係各所と綿密に準備を進めております。
ノード運用事業は、運用資産の大きさがそのまま収益に寄与するビジネスモデルとなっています。本取り組みのみならず、今後も様々な有力企業との事業連携を企図しておりますので、これらを通じ、本事業を当社の中核事業へと成長させるべく積極的に取り組んでまいります。
次に投資領域となりますが、こちらに関してはこれまでと変わらずgumi Cryptos Capital1号および2号並びにDECIMAファンドの3ファンドからの投資活動を通じ、グローバルな有力企業とのネットワークを構築しつつ、投資収益の創出を図ってまいります。
■決算概要
続きまして、2025年4月期における第2四半期の業績をご報告いたします。第2四半期においては、売上高は26億4500万円、営業利益は1億1400万円、経常利益は7億2800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億6700万円となりました。
売上に関しては、一部タイトルのサービス終了の影響を受け、QonQでは2億0300万円の減収となりましたが、Q1で実施した収益構造の改善施策が奏功し、加えてOSHIトークンの継続事業が収益を下支えした結果、営業利益は増益を達成することができました。
経常利益に関しては、クルーズ社との協業案件である『エルゴスム』におけるFCTトークンの継続受領および時価上昇、さらにはOSHIトークンおよびノード関連トークンの時価上昇に伴う収益寄与により、営業外収益が大幅に増加した結果、大幅に増益を達成しております。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益についても、これら経常利益の大幅な増益の影響を受け、黒字で着地することができ、第2四半期累計期間においても黒字化を実現しております。
■セグメント別業績
続きまして、セグメント別業績についてご説明いたします。
まずはモバイルオンラインゲーム事業についてです。不採算タイトルのサービス終了に伴い、売り上げが減少しましたが、Q1に実施した収益構造の改善が奏功し、Q1対比で増益となりました。なお、『アスタタ』につきましては、サービス終了に伴う一過性の収益を計上したことで、黒字転換しておりますが、こちらは一時的なものであり、計画通り9月30日をもってサービスを終了しております。
また、長年にわたり多くのユーザーに支持されてきました『タガタメ』につきましても、8年と10ヶ月もの間、多くのユーザーにご愛顧いただきましたが、11月28日をもちましてサービスを終了いたしました。これまで『タガタメ』を楽しんでいただいた皆様、そしてタイトルを支えてくださった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
続きまして、ブロックチェーン等事業になります。エンターテイメント領域では、一部タイトルの開発中止があったものの、OSHIトークンの継続的な需要が収益に大きく貢献しました。アセットマネジメント領域においては、8月から9月にかけて、暗号資産市場が下落した影響を受けたものの、引き続き安定した利益を創出することができました。
投資その他の分野では、ファンド運営費用などの定常的なコストが発生しており、赤字となっておりますが、ブロックチェーン等事業全体としては増益を実現し、営業黒字を継続することができました。
続きまして、ブロックチェーン等事業の利益に関する補足説明をさせていただきます。当社が保有するトークンの時価変動がどのように当社のPLへ及ぼしているのか、ご理解いただけるかと思います。初めに、ブロックチェーン等事業全体における会計処理を簡単にご説明いたします。まず、役務の対価として新たにトークンを受け取った場合には、原則、売上として計上しております。こちらについては、OSHIトークンやノード運用事業におけるバリデータ報酬の受領時に計上しているものになります。一方、既に保有しているトークンや投資の対価として受領したトークンの時価の変動については、原則として営業外損益として計上しています。
これらの違いを踏まえた上で、各領域の状況をご説明いたします。エンターテイメント領域におきましては、既に受領済みのOSHIトークンの価格がQ2末において上昇したことにより評価益を計上いたしました。また、クルーズ社との協業案件である『エルゴスム』に付随するFCTトークンを継続的に受領しており、その評価益を計上した結果、当該領域における経常利益は大幅な増益となっております。
アセットマネジメント領域におきましては、8月から9月にかけて、暗号資産マーケットが下落している中において、ポートフォリオの組み替えを行ったことから、売却損を計上したものの、10月末には主要銘柄の価格が回復したため、評価益を計上し、経常黒字へと転換いたしました。今後もポートフォリオの分散化および運用資産の拡大に努め、長期的視点で安定した資産運用を継続してまいります。
投資領域におきましては、gumi Cryptos Capital2号において、Etherfiの価格上昇により、持分法による投資利益をQ1において計上しましたが、Q2では価格下落に伴い、評価損を計上しました。しかしながら、Q2累計期間では評価益を計上しており、収益貢献している状況です。引き続き投資リターンの最大化を目指して取り組んでまいります。
■トピックス
続きまして、トピックスになります。まずは『乃木坂的フラクタル』の運営体制移管についてご説明いたします。これまで当社が主体となり、運営を行ってまいりましたが、この12月より、開発パートナーであるアピリッツ社との共同運営体制に移行することといたしました。今後もユーザー様に長期的なサービスを提供すべく取り組みを行ってまいります。なお、今回の移行に伴うサービス内容の変更は一切ございません。ゲームをお楽しみいただいているユーザーの皆様に引き続き、高品質かつ魅力的なコンテンツを提供し、満足度をさらに向上させていく方針です。
続きまして、クルーズ社との協業案件である『エルゴスム』についてご説明いたします。本作は、クルーズ社との戦略的パートナーシップのもと提供しているタイトルであり、2024年10月17日に正式配信を迎えました。当社は2024年6月より、本タイトルに付随するFCTトークンを継続して受領しており、Q2においては大きく評価益を計上いたしました。今後も継続的にトークンの受領および保有トークンの時価の洗い替えを行っていくため、時価の変動状況によっては、評価損益を計上することとなります。
続きまして、Suiとの連携強化についてご説明いたします。当社は2023年6月に、Layer1ブロックチェーンであるSuiへのノード参画を皮切りに、ブロックチェーンゲーム『ブレフロバーサス』の開発において、Sui Foundationと共同開発を進めるなど、戦略的な連携を深めてまいりました。この連携をさらに発展すべく、年内をめどにOSHIトークンの一部を水のブロックチェーン上に移行させる計画でおります。この取り組みにより、当社と水とのパートナーシップをより一層強化し、事業の成長を加速してまいります。
Suiは、デジタル資産の所有を迅速かつ安全に行い、そして誰もがアクセスできるようにするためにゼロから設計された世界初のLayer1ブロックチェーンとスマートコントラクトのプラットフォームです。その設計思想はゲーム領域と非常に高い親和性を持ち、特に当社が提供する『ブレフロバーサス』のようなブロックチェーンゲームにおいて、ユーザー体験を大きく向上させる可能性を秘めております。
今回のOSHIトークンの移行により、トークンの利便性がさらに向上し、ユーザー体験の強化とともに、エコシステム全体の発展が期待されます。当社は、この技術基盤を活用することで、ブロックチェーン技術の持つ潜在力を最大限に引き出し、競争力を高めるとともに、新たな収益機会を創出してまいります。
続きまして、SPST社との事業連携に関する進捗状況についてご説明いたします。今年7月に締結した資本業務提携以降、当社とSPST社(SUPER STATE HOLDINGS)は密接に連携を進めており、既に複数のプロジェクトは進捗しております。特にゲーム領域においては、両社の知見を活用の上、LINE等のアプリを活用したゲーム配信や、新たなゲームプラットフォームの構築を検討しております。本連携を通じ、エンターテイメント市場における当社の競争力を一層強化し、収益機会を拡大すべく取り組んでまいります。
続きまして、AI領域における当社の取り組みについてご説明いたします。当社グループは現在、モバイルオンラインゲーム事業およびブロックチェーン等事業を主軸として展開しておりますが、近年急速に成長を遂げているAI領域においても、新たな事業創出を目指し、積極的に取り組んでおります。
2024年6月には第1弾として、gumi Americaと、米国カリフォルニア大学バークレー校のインキュベーションプログラムIEBとのパートナーシップを締結いたしました。この連携を通じて、最先端のAI技術にアクセスし、AIスタートアップの育成や新たなビジネスモデルの構築を進めてまいります。
さらに、シリコンバレーを初めとした複数の有力スタートアップ企業に対し、戦略的な投資を実行してまいりました。これらの投資先企業はAI分野での革新を牽引する技術や事業モデルを有しており、当社のAI領域におけるプレゼンス向上に寄与するものと考えております。当社はこれらの取り組みを通じて、AI領域での新たな成長機会を積極的に模索し、グローバルでの競争力を強化してまいります。
■業績回復の進捗
続きまして、モバイルオンラインゲーム事業における業績回復への進捗をご説明いたします。既にご説明差し上げた通り、『アスタタ』および『タガタメ』の2タイトルに関して、サービスを終了しております。その他の既存タイトルについてはQ1で実施しました、収益構造の改善が奏功し、引き続きセグメント黒字を牽引しております。
今後もタイトルベースで収益管理を徹底しつつ、安定した収益を確保してまいります。新規タイトルに関しては、IPタイトルである「ジョジョの奇妙な冒険」をはじめとする、複数の有力IPタイトルを鋭意開発しておりますが、IPタイトルの開発費は原則として資産計上しております。このため、PLへの影響は軽微でありますが、将来的な収益貢献が見込まれる重要なプロジェクトと位置づけております。
また、8月には「ファンキル」のIPを活用したカジュアルゲームを配信しましたが、本タイトル以外にも、少額の投資で効率的に収益を創出しうる新作の企画やその他コンソール領域、Steamといった新たなプラットフォームへの対応も現在企画段階にあり、これらの市場での拡大が今後の成長を支える大きな要因になると考えております。
続きまして、ブロックチェーン等事業における業績回復の進捗状況についてご説明いたします。ゲーム領域におきましては、昨今の市場動向に鑑み、パイプラインの見直しを行いました。選択と集中を進め、収益性の高いタイトルに注力することで競争力を一層強化してまいります。また、継続的に受領している『エルゴスム』のFCTトークンも順調に推移し、収益に大きく貢献しております。
次に、プラットフォーム領域に関してですが、現在、アライアンスパートナーは17社まで拡大しており、今後もさらなる提携先の拡大を目指して、OSHI3構想の実現に向けた取り組みを加速してまいります。また、トピックスにおいてもご説明差し上げました通り、Suiのブロックチェーン上にOSHIトークンの一部を移行する計画を進めており、アライアンスパートナーである水との連携をさらに強化しております。
次に、アセットマネジメント領域については、運用元本の拡大を目指し、暗号資産マーケットのボラティリティを注視しながら、収益性の高い運用方法を検討してまいりました。暗号資産マーケットの上昇も後押しし、直近の運用元本は24億円まで拡大しております。また、新たにビットコインのステーキングを開始するなど、ステーキング報酬と時価上昇の期待値をバランスよく取り入れたポートフォリオ運営を進めてまいります。今後もこれまで培った運用知見を活用し、安定的な収益確保を図ってまいります。
次に、投資領域については、gumi Cryptos Capital2号ファンドにて保有しているEtherfiトークンの価格変動等により、Q2では持分法による投資損失を計上しましたが、Q2累計期間では投資利益を計上しており、また、有望な投資先にも確実にアプローチができております。
さらに、DECIMAファンドでは、これまで24件の投資案件が進捗しており、今後も市場調査とリスク評価を徹底しながら、優良な投資案件の実行を進め、安定したリターンの最大化を目指してまいります。
続きまして、当社が展開するプラットフォームプロジェクトOSHI3について詳細をご説明いたします。OSHI3は、SBIグループとの強力な事業連携のもと推進している推し活構想であり、従来のリアルな推し活体験をデジタル領域へ拡張することで、ユーザーに新たな価値ある体験を提供することを目指しております。このプロジェクトを通じ、OSHIトークンを基盤とした新たな経済圏を構築し、トークンの価値向上に向けたユーティリティの拡充および流動性の向上を図ってまいります。
この構想を実現するために当社が注力しているのは、1)多様なコンテンツの提供、2)戦略的アライアンスの拡充、3)主要な大手暗号資産取引所への上場、4)イベントやDeFi施策の展開という四つの柱となります。その具体的な取り組みに関してご説明いたします。
まず、多様なコンテンツの提供に関しては、OSHIトークンの利用価値をさらに高めるべく、ユーザーにとって魅力的なコンテンツの創出と提供に注力しております。現在配信中の『ファンキルオルタナ 』に加え、第2弾タイトル『ブレフロバーサス』も順調に開発が進行しております。また、凸版社の子会社である凸版デジタル社とともに、推し活コンテンツの共同開発を進めており、24年内のローンチを予定しております。その他にも、他社との連携のもと、様々なコンテンツの提供も進めており、段階的にリリースを行っていく計画です。
次に、アライアンスの拡充についてご説明いたします。当社はOSHIトークンのエコシステムをさらに拡大し、その可能性を最大限に引き出すべく、国内外の有力企業との戦略的アライアンスを積極的に推進しております。具体的には、KDDI社との連携のもと、当社のブロックチェーンゲームである『ファンキルオルタナ 』をαUウォレットと接続し、ユーザーの利便性を向上させる取り組みを実現いたしました。
その他にも、Suiの『ブレフロバーサス』の共同開発をはじめ、DEXにおける流動性強化キャンペーンやマーケット支援など多岐にわたるアライアンスを構築し、関係を深めております。アライアンスパートナーについても14社から17社へと着実に拡大しており、これらの戦略的提携を通じて、OSHIトークンの新たな活用機会を創出し、市場の地位を一層強化するとともに、OSHI3プロジェクトも持続的な成長を支える基盤を築いてまいります。
次に、主要な暗号資産取引所への上場に関する取り組みについてもご説明いたします。当社はOSHIトークンの取引量を増加するとともに、ユーザーの利便性向上を目指し、主要な暗号資産取引所への上場を計画的に進めております。この上場を機に、トークンの認知度を高めるため、大規模なマーケティングキャンペーンを展開する予定です。具体的には、ターゲットユーザーに向けた多彩なプロモーションやトークンのユニークな価値提案を訴求する施策を実現することで、新規ユーザーの獲得とエコシステムの活性化を図ってまいります。
次にイベント、DeFi施策についてご説明いたします。認知度向上やユーザビリティの向上を目指し、様々なイベントに参加しております。直近で申し上げますと、9月に行われた東京ゲームショウでは、Sui主催のイベントに登壇し、またポリゴンブースにおいてはOSHI3を出展し、認知度向上に取り組んでまいりました。また、10月に開催されましたTokyo SAKE Collectionでは、ユーザビリティ向上を目的として、先ほどご説明いたしました凸版デジタル社と開発中の推し活コンテンツに連動するキャンペーンとして、ラベルに当社オリジナルIPタイトルのキャラクターを用いた日本酒の販売をいたしました。これからも様々な取り組みを実施し認知度やユーザビリティの向上に取り組んでまいります。
以上は、これまで行ってきた様々なOSHI3プロジェクトに関する各種施策をご説明いたしましたが、次は今後のロードマップをご説明いたします。当社はOSHIトークンの価値向上を実現するため、さらなる施策を計画しております。
まず、関連コンテンツの充実に注力し、既存タイトルの運営強化に加え、新規タイトルやエンターテイメント領域を超えた多様なコンテンツを順次投入してまいります。これにより、OSHIトークンの利用シーンを拡充し、ユーザーに新たな体験価値を提供しています。また、メタバースプロジェクトと連携することで、リアルとデジタルを融合させた新しいエコシステムの構築を検討しております。この取り組みは、推し活というテーマのさらなる拡張とOSHIトークンの価値向上に直結する施策であると考えております。加えて、DeFi施策の展開により、トークンの流動性を向上させるだけでなく、トークンホルダーへの新しい価値還元の仕組みをさらに構築していきます。具体的には、ユーザーが積極的にトークンを活用できる環境を整備し、エコシステム全体の活性化を図ります。また、メンバーシッププログラムの拡充を通じて、ロイヤルユーザーとの繋がりを強化し、ユーザー基盤の安定化を目指します。これらの取り組みを通じて、OSHI3プロジェクトの成長を一層加速させるとともに、ユーザーエンゲージメントを高めることで、長期的なトークンエコノミーを構築してまいります。
これらの施策を通じて、10月末時点では約60億円の時価総額となっておりますが、今期末にはOSHIトークンの時価総額を100億円に到達させることを目標としております。
続いて、アセットマネジメント領域のノード運用についてご説明いたします。当社は、2018年の暗号資産市場黎明期から培ってきた投資判断力を生かし、資産運用の成長を着実に進めてまいりました。特に有望なチェーンを慎重に選定し、そのエコシステムにバリデータとして参画することで、ステーキング報酬を活用しながら、暗号資産の価値上昇も組み入れたポートフォリオ戦略をとっております。このバランスのとれた運用アプローチが、当社の競争優位性を支える要因の一つとなっております。現在、当社がバリデータとして参画している有望チェーンは着実に拡大しており、これらは安定した収益源として機能しております。直近では4件のチェーンに新たに参画いたしました。
運用銘柄としては、ビットコインも追加しており、さらに暗号資産マーケット全体の成長が続く中、中長期的な視点で資産規模の拡大を目指しております。また、当社のアセットマネジメントは、SBIグループとの戦略的パートナーシップを基盤とし、その協力関係を最大限に活用しております。これにより、自社資本のみならず、外部資本を活用した新たな金融サービスの提供を検討しており、多様な投資機会を市場に提供することで、事業規模をさらに拡大させる方針です。
次に、投資領域に関してのご説明となります。当社では現在、総額200億円を超える規模で3つのファンドを運営しております。その中で、2018年に組成されたgumi Cryptos Capital1号ファンドは、現在回収段階に入っております。当社への帰属分は約56億円となっており、今後も継続的に投資回収を進めてまいります。
一方、gumi Cryptos Capital2号ファンドにつきましては、現在積極的に投資活動を展開しております。これまでに55件の投資を実行しており、ファンドの消化率は約55%に達しています。当社はこの投資活動を通じて、新たな成長機会を創出し、更なる収益基盤の強化を図ってまいります。
さらに、DECIMAファンドが45億円の資金調達を完了し、既に24件の投資案件を進めてまいりました。これまでのファンド運用戦略を大きく拡張し、これまで未開拓であった国内のブロックチェーン、Web3、上場トークンといった新興領域への投資を実行してまいります。
これにより、従来の投資分野を一層深めるとともに、新たな市場への進出を可能とし、より多様化されたポートフォリオの構築を通じて、リスクの最適化と収益機会の最大化を目指してまいります。当社は今後も変化する市場環境に迅速かつ的確に対応し、更なる価値創造を追求してまいります。
なお、決算説明資料においては、本件ご説明以外にも、パイプライン、業績の推移、そして既存タイトルの状況を記載しておりますが、こちらに関しては説明を割愛させていただきますので、別途ご確認をいただければと思います。
以上駆け足ではございましたが、2025年4月期第2四半期決算および事業方針の一部変更、並びに業績回復の進捗についてご説明をいたしました。こちらで説明を終わらせていただきます。ご視聴いただき誠にありがとうございました。
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903