サイバーエージェント<4751>連結子会社のCyberZは、7月8日、シード・プランニングのデジタル領域の市場・サービス調査機関であるデジタルインファクトと共同で、アジア太平洋地域(以降APAC)13か国・地域のスマートフォン広告市場動向調査を行い、その結果を公表した。
この調査では、APACのスマートフォン広告出稿額を推計し(対象期間:2014年1月~2014年12月)、市場規模予測を算出している。調査結果は以下のとおり(プレスリリースより)。
2014年は、スマートフォン端末の幅広い普及とインターネット利用の拡大を背景に、APAC全域でスマートフォン広告市場は急成長を遂げました。特にAPAC域内最大の中国市場が飛躍的な成長を遂げ、またこれに続く日本市場の高成長がその大きな要因となりました。
中国市場では、欧米を中心とする外資大手IT事業者の参入規制を中国政府が実施したことにより、政策的な保護のもと、Baidu、Alibaba、Tencent、Weiboなど中国の大手IT事業者がマーケットシェアの多くを占めております。そのユーザー数は、数億人と膨大な規模となります。2014年は、低価格で高品質なスマートフォン端末が急速に普及し、ユーザーのスマートフォントラフィックが急増したことにより、増加を続ける広告費のモバイルシフトが進みました。また、ナショナルクライアントによる投資意欲の高まりも顕著でした。
その他金額が大きいオーストラリア市場、韓国市場もAPAC全域のスマートフォン広告市場の成長に寄与しております。
日本と同じ東アジアに位置する韓国・台湾は、日本と同様に高機能なスマートフォン端末の普及が進み、通信環境も高度に整備されていることから、ユーザーのオンライン上でのコンテンツ、商品・サービスの消費行動において、スマートフォンシフトが急速に進行しています。
各国とも課金性向の高いスマートフォンゲームユーザーにより形成されるスマートフォンゲーム市場が近年急成長を遂げました。このため、スマートフォン広告市場において、ゲーム会社が大きなクライアント層を形成しております。また、いずれの国においても洗練されたプロモーション手法が普及しているなど、その市場特性においても多くの共通点が見られます。このため、近年は日本のスマートフォンゲーム会社が相次いで韓国・台湾市場に参入しており、両国のスマートフォン広告市場にも一定の影響を及ぼしています。韓国市場は、ゲームやEコマースカテゴリの広告主を中心にスマートフォン広告出稿が増加しており、また台湾では、中国・韓国・日本などのゲーム会社のプロモーション需要が急増し、広告単価が上昇傾向にあります。
韓国のスマートフォン広告市場は、世界で最も整備されたモバイルインターネット通信環境を背景に、スマートフォンゲーム会社やEコマース運営会社などの投資意欲が拡大し、2014年の市場規模は839億円、対前年比174%と高水準の成長を遂げました。2015年以降は、スマートフォンゲーム、Eコマースサービスのプロモーション需要が引き続き好調に推移するほか、PC向けインターネット広告費のスマートフォンシフトが本格的に進むことが予想されます。また、動画広告やネイティブ広告など、スマートフォン向けの新しい広告商品の普及が進むことで、新たな需要の取り込みと安定した市場成長が予測され、2018年には1,942億円に達すると予想されます。
台湾のスマートフォン広告市場は、スマートフォン普及率の高さと、ユーザーのスマートフォンメディアへの依存度が高いことを背景に、スマートフォン広告を活用したプロモーションへの注目度が急速に高まりつつあります。2013年頃からのスマートフォンゲーム市場の急成長を背景に、スマートフォン広告を活用したプロモーション需要が高まり、ナショナルクライアントのスマートフォン広告投資が本格化したことなどにより、2014年の市場規模は143億円、対前年比219.5%と急成長を遂げました。台湾では、モバイル通信速度の高速化が進んでおり、これに合わせてスマートフォンならではの表現力豊かな広告商品が普及しつつあります。
市場成長が続くスマートフォンゲームプロモーションの需要拡大と、ナショナルクライアントを含めた様々な業種や規模の広告主によるプロモーション需要の顕在化などにより、引き続き高い水準での市場成長が見込まれ、
2018年には692億円に達すると予想されます。
東南アジア市場、インド市場は、若年層を中心に形成される膨大な人口と、高度経済成長への期待を背景に、中長期的な投資的観点から、欧米諸国をはじめ、中国、韓国、そして日本など世界各国のデジタル広告関連事業者の参入が最も集中している地域です。
該当地域の多くの国において、広告市場はテレビ、新聞、ラジオなどのトラディショナルメディアの構成比が圧倒的に高く、デジタル広告の構成比は低い水準であるのが共通した特徴です。また、スマートフォン利用を取り巻く通信インフラやインターネット定額料金プランなどの環境が整備途上にあることや、クレジットカード決済が未発達であるなど、スマートフォン上でのユーザー消費行動は一部にとどまることから、
スマートフォン広告市場は本格的な立ち上がり前の状況にあります。
しかしながら、スマートフォン端末の急速な普及と世界各国からの投資の拡大に伴い、現在はスマートフォン主導によるインターネット利用の環境整備が進みつつあります。また、これらの地域ではソーシャルメディアの浸透率が高く、その利用時間は世界で最も高い水準にあるといわれており、広告主のスマートフォン広告に対する注目度は高まりつつあります。今後数年内には、スマートフォン広告の成長に必要な市場環境が整備され、中長期での高い成長が期待されております。
このため、東南アジア地域(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン)の市場規模は、2014年の154億円から、2018年には約8倍の1,231億円に拡大することが予想されます。
近年IT産業への投資が進むインドでは、フィーチャーフォンからスマートフォンへとユーザーモバイル端末の急速なシフトが見られます。大手Eコマース事業者やモバイルアプリによる情報サービスを提供する事業者などが、潤沢な資金と国内におけるサービス競争の高まりを背景に、スマートフォン広告によるプロモーションを拡大しており、2015年から2016年にかけて前年比200%以上の急激な成長を遂げることが予想されます。さらに2018年には、2014年の約13倍規模の778億円に拡大することが予想されます。
APAC域内にありながらも、言語・文化的背景が欧米諸国と強い結びつきがあるオーストラリア市場は、スマートフォン広告が成長する環境が整備されており、世界でも有数のデジタル広告先進国として知られています。その動向は米国・英国市場などの強い影響を受けており、グローバル展開をする数多くの広告主、広告会社、メディアが参入し、洗練された市場となっております。
オンラインユーザー一人あたりのデジタル広告費が世界最高水準といわれているオーストラリアでは、高いスマートフォン普及率を背景に、デジタル広告費のスマートフォン広告シフトが進んでいます。近年は、1ユーザーあたりの課金額が日本と同様に高いといわれるスマートフォンゲームや、金融、Eコマース、ライフスタイルサービスなどを中心とするスマートフォンプロモーション需要の拡大を受けて、市場は高い水準で成長を続けてきました。今後もデジタル広告費のPCからスマートフォンへのシフトのほか、グローバル企業や国内企業の旺盛な需要を背景に、市場は順調に拡大することが予想されます。
APAC域内のスマートフォンユーザー数(※)は、2014年の約14億台から2018年には27億台に増加することが予想されています。スマートフォン普及台数の順調な増加や、世界のデジタル広告産業からの投資によってスマートフォン広告市場を取り巻く環境整備が進み、中長期的に広告費のスマートフォン移行が起こると予想されます。また今後の経済成長により、広告市場全体が成長しスマートフォン広告市場の活性化が進むと考えられます。
これらを背景に、2018年のAPACスマートフォン広告市場は、2014年の1兆2,343億円から、2018年には約4倍の4兆8,161億円に拡大すると予想されます。
(※香港を除く12か国の累計普及台数、シード・プランニング調べ)
調査主体:株式会社 CyberZ
調査時期:2014 年 11 月から 2015 年 3 月
調査方法:スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォン広告市場ならびに関連市場
調査機関:デジタルインファクト(株式会社シード・プランニング)
Copyright © CyberZ, Inc. All Rights Reserved.
この調査では、APACのスマートフォン広告出稿額を推計し(対象期間:2014年1月~2014年12月)、市場規模予測を算出している。調査結果は以下のとおり(プレスリリースより)。
■APAC地域の2014年スマートフォン広告市場成長は、中国・日本がけん引
2014年の市場規模は1兆2,343億円、前年比256%と急速に拡大。
2014年の市場規模は1兆2,343億円、前年比256%と急速に拡大。
2014年は、スマートフォン端末の幅広い普及とインターネット利用の拡大を背景に、APAC全域でスマートフォン広告市場は急成長を遂げました。特にAPAC域内最大の中国市場が飛躍的な成長を遂げ、またこれに続く日本市場の高成長がその大きな要因となりました。
中国市場では、欧米を中心とする外資大手IT事業者の参入規制を中国政府が実施したことにより、政策的な保護のもと、Baidu、Alibaba、Tencent、Weiboなど中国の大手IT事業者がマーケットシェアの多くを占めております。そのユーザー数は、数億人と膨大な規模となります。2014年は、低価格で高品質なスマートフォン端末が急速に普及し、ユーザーのスマートフォントラフィックが急増したことにより、増加を続ける広告費のモバイルシフトが進みました。また、ナショナルクライアントによる投資意欲の高まりも顕著でした。
その他金額が大きいオーストラリア市場、韓国市場もAPAC全域のスマートフォン広告市場の成長に寄与しております。
■スマートフォン市場のエコシステムが成立し、日本企業の進出が進む韓国・台湾市場
韓国市場は2014年839億円、2018年には約2.3倍の1,942億円に拡大。台湾市場は2014年143億円、2018年には約4.8倍の692億円に拡大。
韓国市場は2014年839億円、2018年には約2.3倍の1,942億円に拡大。台湾市場は2014年143億円、2018年には約4.8倍の692億円に拡大。
日本と同じ東アジアに位置する韓国・台湾は、日本と同様に高機能なスマートフォン端末の普及が進み、通信環境も高度に整備されていることから、ユーザーのオンライン上でのコンテンツ、商品・サービスの消費行動において、スマートフォンシフトが急速に進行しています。
各国とも課金性向の高いスマートフォンゲームユーザーにより形成されるスマートフォンゲーム市場が近年急成長を遂げました。このため、スマートフォン広告市場において、ゲーム会社が大きなクライアント層を形成しております。また、いずれの国においても洗練されたプロモーション手法が普及しているなど、その市場特性においても多くの共通点が見られます。このため、近年は日本のスマートフォンゲーム会社が相次いで韓国・台湾市場に参入しており、両国のスマートフォン広告市場にも一定の影響を及ぼしています。韓国市場は、ゲームやEコマースカテゴリの広告主を中心にスマートフォン広告出稿が増加しており、また台湾では、中国・韓国・日本などのゲーム会社のプロモーション需要が急増し、広告単価が上昇傾向にあります。
韓国のスマートフォン広告市場は、世界で最も整備されたモバイルインターネット通信環境を背景に、スマートフォンゲーム会社やEコマース運営会社などの投資意欲が拡大し、2014年の市場規模は839億円、対前年比174%と高水準の成長を遂げました。2015年以降は、スマートフォンゲーム、Eコマースサービスのプロモーション需要が引き続き好調に推移するほか、PC向けインターネット広告費のスマートフォンシフトが本格的に進むことが予想されます。また、動画広告やネイティブ広告など、スマートフォン向けの新しい広告商品の普及が進むことで、新たな需要の取り込みと安定した市場成長が予測され、2018年には1,942億円に達すると予想されます。
台湾のスマートフォン広告市場は、スマートフォン普及率の高さと、ユーザーのスマートフォンメディアへの依存度が高いことを背景に、スマートフォン広告を活用したプロモーションへの注目度が急速に高まりつつあります。2013年頃からのスマートフォンゲーム市場の急成長を背景に、スマートフォン広告を活用したプロモーション需要が高まり、ナショナルクライアントのスマートフォン広告投資が本格化したことなどにより、2014年の市場規模は143億円、対前年比219.5%と急成長を遂げました。台湾では、モバイル通信速度の高速化が進んでおり、これに合わせてスマートフォンならではの表現力豊かな広告商品が普及しつつあります。
市場成長が続くスマートフォンゲームプロモーションの需要拡大と、ナショナルクライアントを含めた様々な業種や規模の広告主によるプロモーション需要の顕在化などにより、引き続き高い水準での市場成長が見込まれ、
2018年には692億円に達すると予想されます。
■市場環境の整備により中長期での成長期待が高まる東南アジア・インド市場
東南アジア市場は、2014年154億円の規模が2018年に約8倍に、インド市場は2014年60億円から2018年に約13倍に拡大すると予想
東南アジア市場は、2014年154億円の規模が2018年に約8倍に、インド市場は2014年60億円から2018年に約13倍に拡大すると予想
東南アジア市場、インド市場は、若年層を中心に形成される膨大な人口と、高度経済成長への期待を背景に、中長期的な投資的観点から、欧米諸国をはじめ、中国、韓国、そして日本など世界各国のデジタル広告関連事業者の参入が最も集中している地域です。
該当地域の多くの国において、広告市場はテレビ、新聞、ラジオなどのトラディショナルメディアの構成比が圧倒的に高く、デジタル広告の構成比は低い水準であるのが共通した特徴です。また、スマートフォン利用を取り巻く通信インフラやインターネット定額料金プランなどの環境が整備途上にあることや、クレジットカード決済が未発達であるなど、スマートフォン上でのユーザー消費行動は一部にとどまることから、
スマートフォン広告市場は本格的な立ち上がり前の状況にあります。
しかしながら、スマートフォン端末の急速な普及と世界各国からの投資の拡大に伴い、現在はスマートフォン主導によるインターネット利用の環境整備が進みつつあります。また、これらの地域ではソーシャルメディアの浸透率が高く、その利用時間は世界で最も高い水準にあるといわれており、広告主のスマートフォン広告に対する注目度は高まりつつあります。今後数年内には、スマートフォン広告の成長に必要な市場環境が整備され、中長期での高い成長が期待されております。
このため、東南アジア地域(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン)の市場規模は、2014年の154億円から、2018年には約8倍の1,231億円に拡大することが予想されます。
近年IT産業への投資が進むインドでは、フィーチャーフォンからスマートフォンへとユーザーモバイル端末の急速なシフトが見られます。大手Eコマース事業者やモバイルアプリによる情報サービスを提供する事業者などが、潤沢な資金と国内におけるサービス競争の高まりを背景に、スマートフォン広告によるプロモーションを拡大しており、2015年から2016年にかけて前年比200%以上の急激な成長を遂げることが予想されます。さらに2018年には、2014年の約13倍規模の778億円に拡大することが予想されます。
■整備された市場環境を背景に高水準の成長が続くオーストラリア市場
APAC域内にありながらも、言語・文化的背景が欧米諸国と強い結びつきがあるオーストラリア市場は、スマートフォン広告が成長する環境が整備されており、世界でも有数のデジタル広告先進国として知られています。その動向は米国・英国市場などの強い影響を受けており、グローバル展開をする数多くの広告主、広告会社、メディアが参入し、洗練された市場となっております。
オンラインユーザー一人あたりのデジタル広告費が世界最高水準といわれているオーストラリアでは、高いスマートフォン普及率を背景に、デジタル広告費のスマートフォン広告シフトが進んでいます。近年は、1ユーザーあたりの課金額が日本と同様に高いといわれるスマートフォンゲームや、金融、Eコマース、ライフスタイルサービスなどを中心とするスマートフォンプロモーション需要の拡大を受けて、市場は高い水準で成長を続けてきました。今後もデジタル広告費のPCからスマートフォンへのシフトのほか、グローバル企業や国内企業の旺盛な需要を背景に、市場は順調に拡大することが予想されます。
■膨大なスマートフォンユーザー数の増加と広告費のスマートフォン移行を背景に、APACスマートフォン広告市場は高い成長水準を維持、2018年には約4倍の4兆8,161億円に拡大。
APAC域内のスマートフォンユーザー数(※)は、2014年の約14億台から2018年には27億台に増加することが予想されています。スマートフォン普及台数の順調な増加や、世界のデジタル広告産業からの投資によってスマートフォン広告市場を取り巻く環境整備が進み、中長期的に広告費のスマートフォン移行が起こると予想されます。また今後の経済成長により、広告市場全体が成長しスマートフォン広告市場の活性化が進むと考えられます。
これらを背景に、2018年のAPACスマートフォン広告市場は、2014年の1兆2,343億円から、2018年には約4倍の4兆8,161億円に拡大すると予想されます。
(※香港を除く12か国の累計普及台数、シード・プランニング調べ)
■ 調査概要
調査主体:株式会社 CyberZ
調査時期:2014 年 11 月から 2015 年 3 月
調査方法:スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォン広告市場ならびに関連市場
調査機関:デジタルインファクト(株式会社シード・プランニング)
Copyright © CyberZ, Inc. All Rights Reserved.
会社情報
- 会社名
- 株式会社CyberZ
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 山内 隆裕
- 決算期
- 9月