Cygamesは、10月16日、六本木ニコファーレで「新規タイトル制作発表会」を開催し、iOS/Android端末向け新作アプリ『SHADOWVERSE(シャドウバース)』を発表した。
当日は佐藤かよさん、ガッチマンさんがMCを務め、『SHADOWVERSE』に携わる開発プロデューサーやイラストレーター、声優陣らをゲストに迎えて、同作のゲーム概要や今後の展開について語られた。
【公式プロモーションビデオ】
■『神撃のバハムート』のカードを用いた新世代のデジタルTCG
はじめに、本作のプロデューサーを務めるCygames 常務取締役の木村唯人氏(写真左)と、ディレクターの齊藤優太氏が登壇し、『SHADOWVERSE』のゲーム概要について解説してくれた。
本作は、スマートフォン向け本格対戦型デジタルTCG(トレーディングカードゲーム)。なかでも注目なのが、『神撃のバハムート』と深い関係性を持っており、同作のカードを用いりながらTCGを展開していくという。なお、Cygamesの処女作『神撃のバハムート』は、全世界で登録者数2000万人を超え(2015年5月調べ)、カード総数は1万種類以上にも及ぶ。
▲最初に制作された『SHADOWVERSE』のアート。ゲーム内に住まう人たちは、アートに写る謎のオブジェクトのことを“災いの樹”と呼称しており、どうやらこれらが本作の世界観に大きな関わりを持っているようだ。
▲本作は全体的に重厚ファンタジーを意識しており、背景アートのクオリティも高い。ストーリーモードなど、様々なところで背景アートを堪能できるようだ。
▲音楽は、TVアニメ「神撃のバハムート GENESIS」で作曲を務めた池頼広氏が担当。当日はビデオメッセージにて、「全曲作ります。本気で頑張ります」と意気込みを語ってくれた。
■3種類のカードに進化の重要性…「競技性の高さに自信あり」
▲ルールはシンプル。自らのデッキを駆使して、相手キャラクターの体力を0にすれば勝利。
▲カードには、「ユニット」「SPELL(スペル)」「FIELD(フィールド)」の3種類が存在。それぞれ特殊な能力を持っており、上手くバランス良くデッキを構成していく必要がある。ユニットを増やしたり、フィールドを少なくしたりと、ユーザーは自由にデッキを構成できるため、個性的なバトルが楽しめそうだ。
▲ローンチ時には、400種類以上ものカードが登場。開発陣が「競技性の高いゲーム」になることを意識しているため、早い段階から多様なデッキが組めるように盛り込んだという。また、驚くことに全カードに固有の演出を用意しているようだ。「好きなカードはもちろん、積極的に様々なカードを使うきっかけになれば」とのこと。
▲さらに、すべてのユニットカードは進化できる。この“進化”の過程は、バトル中にも非常に重要なアクションとなり、どのタイミングで進化させるのかなど、それこそ競技性の高さにも繋がってくるだろう。ここは既存のデジタルカードゲームのなかでも大きな差別化を図っているところだ。
『SHADOWVERSE』には、ストーリーモードも用意されている。このモードでは、7人のメインキャラクターたちが物語を紡いでいくほか、彼女たちに関係性のあるキーキャラクターも登場する。
▲アリサ(CV:優木かな)
▲エリカ(CV:石上静香)
▲イザベル(CV:佐倉薫)
▲ローウェン(CV:杉田智和)
▲ルナ(CV:小倉唯)
▲ユリアス(CV:諏訪部順一)
▲イリス(CV:井上喜久子)
▲ロザリア(CV:ゆかな)。メインキャラクターではないが、何やらアリサと関係性を持つようだ。
■美麗カードが生まれるまでの過程とは
ここで、本作のキャラクターボイスを務める、声優の優木かなさん(アリサ役)、佐倉薫さん(イザベル役)、石上静香さん(エリカ役)の3名に加え、『SHADOWVERSE』に携わるイラストーレーターの虫麻呂氏(写真左)、香川太郎氏(写真右)が登場した。
今回、声優陣で唯一開発中のゲームで遊んだ優木さんは、「まずグラフィックが綺麗で驚きました。TCGは何度かやったことがありますが、本作はキャラクターや世界観が魅力的ですごくのめり込みやすい」と絶賛。すでに3名ともボイスの収録はすべて終えており、期間は2ヵ月ほどだったとのことで、そのボイスのボリュームにも期待ができそうだ。
キャラクターを生み出すイラストレーター、そしてキャラに命を吹き込む声優陣と、創作におけるキーマンたちが肩を並べている会場。今回、虫麻呂氏はアリサのデザインを担当しており、それを聞いた優木さんは「お父さん!」と呼びかけて、会場の笑いを誘う場面も。一方で香川氏は、ロザリアを担当。
▲優木かなさん(アリサ役)、佐倉薫さん(イザベル役)、石上静香さん(エリカ役)
▲虫麻呂氏のアートワーク 『神撃のバハムート』より
▲香川太郎氏のアートワーク 『神撃のバハムート』より
▲こちらは虫麻呂氏による、アリサが完成するまでのアートワークメイキング。①の段階でエルフを描いて、②でポーズを決めていく。③で着色なのだが、当初は青を基調としたデザインに。「エルフのため赤は無いかなぁと思ったけど、のせてみたら綺麗にハマったので採用」と制作裏話を語ってくれた。
▲ロザリアを描いた香川氏は、事前に“お姉さんキャラ”の制作を伝えられており、①の段階で服装に時間をかけたという。本来は②のラフの段階で右往左往するとのことだが、「今回はすんなり入った」と香川氏は振り返った。なお、ロザリアと関係性を持つアリサは、演じた優木さんが「収録中にロザリア、ロザリアー! とたくさん叫びました」と語ってくれた。
■コミカライズ、WEBラジオ、英語版、e-sports…今後の展開
『SHADOWVERSE』はゲームのみならず、多種多様な展開が用意されている。まずコミカライズでは、ダークファンタジーの世界観とは一変、学園を舞台にした作品になるようだ。連載する場所は後日明らかとなるが、ゲームのリリースよりも早く連載が始まるという。アニメ化も期待されるが、「皆様からの応援があれば、アニメにもなるかもしれません」と木村氏が言葉を添えた。
そして、今回登場した優木かなさん、佐倉薫さん、石上静香さんの3名によるWEBラジオも。こちらもゲームのリリース前から展開予定。
そのほか、e-sportsとして賞金制の大会も開催予定とのこと。TCGの大会と言えば、以前Cygamesが『マジック:ザ・ギャザリング』のプロプレイヤーとのスポンサー契約を締結(関連記事)したことが記憶に新しいが、木村氏いわく「こことはあまり関係ないです」と明かした。とはいえ、恐らく双方の盛り上がりによっては、プロチーム「Team Cygames」が大会に参戦することも期待できそうだ。
また、英語版の配信も予定している。ゲーム内で海外プレイヤーとも対戦できるほか、国際大会にも繋がりそうだ。
『SHADOWVERSE』のリリースは2016年初頭を予定しており、「春になるまでは…」とのこと。公式サイトでは事前登録の受付も開始しており、登録するとお得なカードパックチケットのほか、クローズドβテストの参加権も得られる。また、それとは別に先行体験会も開催予定。
発表会の最後には、「今後はゲームの画面やプレイ動画を公開していきたい。僕も対戦型のゲームはやり込んでいて、その楽しさをひとりでも多くのユーザーさんに届けたいです。高い競技性を出しつつも、簡単操作で誰もが楽しめる作品に仕上げていきます(齊藤氏)」、「チーム一同良いものを届けられるよう鋭意開発中です。もうしばらくお待ちください。全然関係ないですけど、今日『デレマス』が最終回なので、みんな見てください(木村氏)」とのコメントで締めくくった。
(取材・文:編集部 原孝則)
■『SHADOWVERSE』
©Cygames,Inc.