【2015年ゲーム株概況】上昇率1位はエヌジェイHD 58銘柄中14銘柄が日経平均を上回る カプコンや任天堂、スクエニHDなど大手ゲーム株が活躍
2015年の株式市場も本日幕を下ろし、日経平均株価は年初の始値を9.8%上回る1万9033.71円で取引を終えた。日経平均株価が前年比プラスで年間の取引を終えたのは4年連続となる。
そんな株式市場の中で、ゲーム関連株のこの1年間の株価はどのような動きとなったのか、その状況を返ってみたい。下の表は主なゲーム関連株の上昇ランキングをまとめたものになる(2015年12月30日調べ)。
今年は周辺株を含め56銘柄をピックアップし、前年と同様に評価の基点となればということで、日経平均株価の上昇率を表内に加えている。日経平均より上にある銘柄がアウトパフォームした銘柄、下にある銘柄はアンダーパフォームした銘柄ということになるが、58銘柄中でアウトパフォームした銘柄は14銘柄となっている。昨年に続き苦戦する銘柄が目立った1年ということになりそうだ。
その要因として考えられるのが、スマホゲーム市場の競争が厳しくなったことによる各社の収益性の悪化だ。Social Game Infoでも各社の決算情報は随時取り上げてきたが、競争激化に伴ってタイトルに求められるクオリティが高くなったことで、開発費の高騰や開発期間の長期化が各社の負担となったことや、各社がマーケティング面での取り組みの強化を進めたことが収益を圧迫した。
それが決算の数字として表れたことで、これまでの成長市場という見方から成熟市場という見方に市場の評価が変化してきたとも言えるだろう。
そうした中で、上昇率トップに立ったのは、エヌジェイHD(旧・ネプロジャパン)<9421>だ。今年前半にはトライエースの子会社化が注目を集めた同社だが、子会社のモバイル&ゲームスタジオが開発を担当したスクウェア・エニックスの『星のドラゴンクエスト』がヒットタイトルとなるなど、ゲーム事業での実績を着実に積み上げていることも市場の関心を集めたようだ。
そのほかで注目されるのは、カプコン<9697>や任天堂<7974>、コナミHD<9766>、スクウェア・エニックスHD<9684>と大手ゲーム株の活躍が目立ったことだろう。これは先ほどの競争激化が企業体力のある大手企業にとって相対的にプラスに働いている側面があることや、今年はIP物のタイトルのヒットが目立ったことも無縁ではないだろう。過去のコンシューマでのヒットタイトルなどを資産として大手ゲーム会社が生かし始めてきて、業績面でもプラスの効果が見えてきていることが評価につながったと思われる。
もっとも任天堂は、同じくアウトパフォーム銘柄に名を連ねているDeNA<2432>との共同事業も含め、そうした成果が出てくるフェーズはまだ先の話となる。現状の株価上昇は市場の期待感の高さの表れということだろう。
半面、下落率の大きさが目立ったのは、ブロッコリー<2706>やエクストリーム<6033>、アクセルマーク<3624>、gumi<3903>、シリコンスタジオ<3907>といったあたりになる。うち、エクストリーム、gumi、シリコンスタジオは約1年前もしくはそれ以内に上場したばかりの銘柄だ。いずれも上場後に発表した決算の内容などで市場の期待感が大きくはく落した格好だが、中でもgumiは上場後初決算発表前に業績予想の修正を発表するなど、市場に混乱を与える結果となってしまった。
これらの銘柄は2016年に市場の信頼を回復できるのかどうかが、まずは大きな課題となってこよう。
【主なゲーム関連株年間騰落率】
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【2015年1~3月のゲーム関連株動向】提携の任天堂・DeNAはともに上昇率上位に 任天堂は時価総額が約7000億円増加 3月にバッドニュースが相次いだgumiは下落率3位に
そんな株式市場の中で、ゲーム関連株のこの1年間の株価はどのような動きとなったのか、その状況を返ってみたい。下の表は主なゲーム関連株の上昇ランキングをまとめたものになる(2015年12月30日調べ)。
今年は周辺株を含め56銘柄をピックアップし、前年と同様に評価の基点となればということで、日経平均株価の上昇率を表内に加えている。日経平均より上にある銘柄がアウトパフォームした銘柄、下にある銘柄はアンダーパフォームした銘柄ということになるが、58銘柄中でアウトパフォームした銘柄は14銘柄となっている。昨年に続き苦戦する銘柄が目立った1年ということになりそうだ。
その要因として考えられるのが、スマホゲーム市場の競争が厳しくなったことによる各社の収益性の悪化だ。Social Game Infoでも各社の決算情報は随時取り上げてきたが、競争激化に伴ってタイトルに求められるクオリティが高くなったことで、開発費の高騰や開発期間の長期化が各社の負担となったことや、各社がマーケティング面での取り組みの強化を進めたことが収益を圧迫した。
それが決算の数字として表れたことで、これまでの成長市場という見方から成熟市場という見方に市場の評価が変化してきたとも言えるだろう。
そうした中で、上昇率トップに立ったのは、エヌジェイHD(旧・ネプロジャパン)<9421>だ。今年前半にはトライエースの子会社化が注目を集めた同社だが、子会社のモバイル&ゲームスタジオが開発を担当したスクウェア・エニックスの『星のドラゴンクエスト』がヒットタイトルとなるなど、ゲーム事業での実績を着実に積み上げていることも市場の関心を集めたようだ。
そのほかで注目されるのは、カプコン<9697>や任天堂<7974>、コナミHD<9766>、スクウェア・エニックスHD<9684>と大手ゲーム株の活躍が目立ったことだろう。これは先ほどの競争激化が企業体力のある大手企業にとって相対的にプラスに働いている側面があることや、今年はIP物のタイトルのヒットが目立ったことも無縁ではないだろう。過去のコンシューマでのヒットタイトルなどを資産として大手ゲーム会社が生かし始めてきて、業績面でもプラスの効果が見えてきていることが評価につながったと思われる。
もっとも任天堂は、同じくアウトパフォーム銘柄に名を連ねているDeNA<2432>との共同事業も含め、そうした成果が出てくるフェーズはまだ先の話となる。現状の株価上昇は市場の期待感の高さの表れということだろう。
半面、下落率の大きさが目立ったのは、ブロッコリー<2706>やエクストリーム<6033>、アクセルマーク<3624>、gumi<3903>、シリコンスタジオ<3907>といったあたりになる。うち、エクストリーム、gumi、シリコンスタジオは約1年前もしくはそれ以内に上場したばかりの銘柄だ。いずれも上場後に発表した決算の内容などで市場の期待感が大きくはく落した格好だが、中でもgumiは上場後初決算発表前に業績予想の修正を発表するなど、市場に混乱を与える結果となってしまった。
これらの銘柄は2016年に市場の信頼を回復できるのかどうかが、まずは大きな課題となってこよう。
【主なゲーム関連株年間騰落率】
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会社情報
- 会社名
- 任天堂株式会社
- 設立
- 1947年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆6718億6500万円、営業利益5289億4100万円、経常利益6804億9700万円、最終利益4906億0200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7974
会社情報
- 会社名
- 株式会社エヌジェイホールディングス(NJHD)
- 設立
- 1991年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 筒井 俊光
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高96億9800万円、営業利益1億200万円、経常利益9600万円、最終利益2億7400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 9421