ガンホー、15年12月期は2ケタ減収減益に 中国版『パズドラ』はリリース時期が2016年1Qに延期 QonQでも22%の営業減益、販管費が34%増加【グラフ追加・追記】

ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、2月2日、2015年12月期の連結決算を発表、売上高1543億2900万円(前年同期比10.8%減)、営業利益724億2500万円(同23.2%減)、経常利益726億600万円(同22.4%減)、当期純利益434億3200万円(同30.0%減)となった。スマートフォン向けゲームの売上高は堅調に推移したものの、前年同期と比べて減少した。 
 

国内外の有名キャラクターとのコラボレーションや、スペシャルダンジョンなどの定期的なイベント実施に加え、2015年8月にはランク150以上のゲームユーザーが挑戦できる「ランキングダンジョン」を実装、さらに同年10月には2人のユーザーが一つのダンジョンを交互にプレイする「協力プレイダンジョンα(アルファ)※同年12月21日に正式版へ移行」を実装した。これは、長期的にプレイしているゲーム習熟度の高いユーザーには2人同時プレイという楽しみを、習熟度の低いユーザーや休眠ユーザーには、誰かと一緒にプレイすることで、難易度の高いダンジョンをクリアし、ゲームへのモチベーションをあげてもらうことを目的としている。

そのほかのスマートフォン向けゲームでは、新世代ボードゲーム『サモンズボード』が2015年5月以降、テレビCMを開始したことが奏功し、同年10月時点で400万ダウンロードを突破した。また、パネルRPG『ディバインゲート』は、同年9月にサービス開始から2周年を迎え、新テレビCMを開始したことなどが奏功し、同年11月には500万ダウンロードを突破した。さらに、2016年1月よりTOKYO MXなどでテレビアニメの放送を開始することが決定するなど、『パズドラ』以外のゲームも着々とユーザー数を集め、人気が拡大しつつある。

PCオンラインゲームは、従来どおり『ラグナロクオンライン』『エミル・クロニクル・オンライン』の2タイトルを主軸に、安定した収益を確保した。

■中国版『パズドラ』はリリース時期が延期に
中国版『パズドラ』については、Tencent社と共同で配信準備を行ってきた。中国と日本のゲームユーザーは嗜好が大きく異なり、中国ゲームユーザーは有料課金によるゲーム内での特典を得たいというニーズが強く、また、現状の『パズドラ』ではモンスターを収集・育成・進化させるといったゲームの進め方が複雑に感じる傾向があることなどから、ほぼゼロベースからの改変作業を進めた。2015年7月からはクローズドベータサービスを実施し、ユーザーの反応や動向を分析した結果、さらなる改善を図るため、2016年第1四半期(1~3月)まで開発を継続し、リリースを延期することになった。

■QonQでも売上高4.8%減、営業利益22.0%減と大幅減益に
業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比4.8%減の351億1000万円、営業利益は同22.0%減の135億6700万円、経常利益は同22.7%減の135億4300万円、四半期純利益は同43.6%減の61億8100万円となった。特に利益の落ち込みが顕著だが、これは販売管理費が前四半期の73億3600万円から98億8700万円と34.7%増加したことも大きく影響しているようだ。おそらく年末年始のTVCMなど広告宣伝費用が大きく膨らんだものと思われる。
 

なお、2016年12月期の業績予想は非開示。コンテンツ関連の新規性の高い事業を展開しており、短期的な事業環境の変化が激しいことなどから、業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている。また、今回より四半期決算期翌月の単体月次売上高の速報値の開示も中止している。


 
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
http://www.gungho.co.jp/

会社情報

会社名
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
設立
1998年7月
代表者
代表取締役社長CEO 森下 一喜
決算期
12月
直近業績
売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3765
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