【KLab決算説明会2】既存タイトルを固めて今期黒字化を目指す 日系IP×日本ユーザー向けタイトルで確実なヒット作を創出へ ゲーム以外の柱となる事業の準備も

KLab<3656>は、5月10日、2016年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算を発表するとともに、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を実施した。
 
本稿では、主に同社における各ゲームタイトルの展開及び、今後の経営戦略についてレポートする。
 

同社専務取締役CGO の森田英克氏は、同社の開発中及びプロト開発中のタイトルについて、内部開発が5本、外部開発が3本あることを明かした。前回の決算説明会では、内部開発が6本となっていたが、こちらが1本減り、外部での開発タイトルが3本増える形となっている。
 


また、既存の個々のタイトルの今後について説明があった。

まず、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』について、2016年夏の「ラブライブ!サンシャイン‼」TVアニメ放送に合わせて、大型アップデートを実施予定。さらに、新たなスクールアイドルグループとなる「Aqours」のメンバーと楽曲の追加を予定している。さらにリアルイベントとして「スクフェス感謝祭2016」も実施する。
 

 
『BLEACH Brave Souls』では、やはり2016年夏に大型アップデートを実施予定、さらに7月にはリリース1周年記念キャンペーンも予定している。また、フランスでの「BLEACH」人気をかんがみて、フランス語版を準備中であることが明かされた。
 

 
バンダイナムコエンターテインメントが配信している『テイルズ オブ アスタリア』では、3月末に新章をリリース、TVCMの放映を行った。第2四半期に入った4月においては好調に推移しており、今後も2016年夏に新作TVアニメが放送予定だ。さらに8月にはシリーズ新作「テイルズ オブ ベルセリア」がリリースされるため、シリーズ全体が盛り上がる見込みがあり、さらなる売上の拡大が期待できるとしている。
 
 

『Age of Empires: World Domination』については、オンライン対戦を含む大型アップデートを近日実施予定。PVP機能や、ソロプレイシステムの改善や、同盟システムの強化などが実施される。
 

 


また、ここで代表取締役社長CEO の真田哲弥氏より、中長期計画及び今期の方針の説明が行われた。
 
 

中長期計画では、現在、100%ゲームでの収益となっている売上構成比率を、「ゲーム事業(内部開発)」「パブリッシング事業(外部開発)」、「非ゲーム事業」の3つによる三分鼎立状態を目指すとしている。



今期の方針として、2016年度通期黒字を目指すとし、下期以降、「既存タイトルの改修とコンテンツ追加による売上回復」「コスト(ライン数)の絞り込みとパブリッシングによるパイプライン数の維持」「新規タイトルは日系IPと王道路線回帰によるヒット率に向上」「非ゲームの新規事業立ち上げによる収益構造の転換」という4つの方針が示された。
 
「コスト(ライン数)の絞り込みとパブリッシングによるパイプライン数の維持」の具体的な取り組みとしては、他社との共同開発やパブリッシングでの開発費、固定費を抑制、さらに、新規採用の抑制及び人員の自然減による固定費削減を狙うとしていた。
 

▲同社および海外子会社の人員方針。KLab Americaはスタジオ閉鎖の為スタジオ人員はゼロに、中国子会社であるKLab Chinaは、中国国内マーケットの拡大により人員削減は実施なし。
 


パブリッシング事業の方針については、自社の強みを生かし、単に他社が開発したゲームをパブリッシングするのではなく、開発段階から両社ノウハウを出し合い、ヒット作を作ることを目標とする。パブリッシングタイトルについてKLabはプロモーションのコストを担当することになり、人員コストや開発費用の削減を見込む。
 
 

ゲーム開発の方針においては、同社ならではの強みを生かしたヒットタイトル創出に注力するとし、日系のIPによる、日本のユーザーに向けた、日本ならではのビジネス手法を使ったタイトルを開発するとしている。これに対して真田社長は、日本人が考える西洋向けのゲームより、日本人が作る日本のゲームのほうが結果、西洋にいる日本ゲームファンに受け入れられるという。今期はあくまでも日本向けのゲーム作りを推進していくとしている。
 
 

「非ゲームの新規事業立ち上げによる収益構造の転換」では、2015年に立ち上げたKLab Entertainment(今期より連結の範囲に含まれている)とKLab Venture Partnersの黒字化の目処がたっているとした。さらに、短期的に黒字化を見込める事業と、大規模な成長が見込める事業を、バランスをとりつつ立ち上げる。また、中期戦略に合致した企業を獲得し、早期黒字化及び成長させる。
 
さらに、フィリピンの経済成長率を鑑みて、オフショアであった同社フィリピン子会社である KLab Cyscorpionsにおいてもフィリピン国内向けに新規事業を開始する。
 
一方で、一時的には赤字になるものの、将来的には大きな黒字化を見込める事業についても、現在研究開発の段階に進んでおり、事業化に関してはまだ先にはなるが、すでにゲームの次の柱になるもの準備を進めているという。



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KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
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