バンナムオンライン、『VALHAIT RISING』発表会を開催 古き良きRPGの要素を盛り込んだ意欲作 ドットは芸術的な仕上がり 人気声優KENNさんも登場
バンダイナムコオンラインは、7月7日、東京都内で新作スマートフォンアプリ『VALHAIT RISING(ヴァルハイトライジング)』のメディア向け発表会を開催した。発表会には、プロデューサーの下岡 聡吉氏、スティングのディレクターの安井 光氏、本作で声優を担当するKENNさんが登壇した。今回の記事は、発表会の模様をお伝えする。
下岡氏と安井氏が登壇し、ゲームの概要を紹介した。本作は、王の命により、主人公カイトとその仲間たちが魔獣(ライズ)とともに、世界を救う王道RPG。下岡氏自身が遊んで感動した古き良きRPGの要素である、音楽や世界観、ストーリーなどをスマートフォンアプリ向けにパッケージしたタイトルになるという。ストーリーは、全6章からなり、エンディングも用意されているそうだ。マルチプレイも楽しめるようになっている。
▲バンダイナムコオンラインの下岡氏
▲スティングの安井氏
メインとなるバトルパートは戦略パズルゲームの要素が取り入れられている。主人公たち4人は、それぞれ1体のライズを使役して戦っていくもので、そのキャラのターンになったら、使役するライズを4秒以内に自由自在に動かして、敵に接近して攻撃していく。ライズの移動に関しては、『テラバトル』をイメージしていただくと良いだろうが、『テラバトル』の場合、味方キャラで敵を挟んで攻撃する必要があるのに対し、こちらはレイズを攻撃範囲に入れれば攻撃できる。そして、他のレイズがそれぞれの射程範囲が敵がいれば、同時に攻撃を行ってくれる。つまり、動かしているレイズだけでなく、他のキャラクターのレイズをうまく動かして有効活用できるかが攻略のポイントになる。
ゲームの主人公たちの拠点は、「ロンドール」とよばれる首都だ。ロンドール城以外にも鍛冶屋、アイテム研究所、図書館などがある。特に重要なのは、鍛冶屋で、親方に素材を渡し、一定時間待つと装備が完成する。作ってもらった装備は、主人公たちではなく、使役するレイズに装備させることで強化することができる。このほか、強化や進化なども行うことができる。
本作の大きな特徴は、ドット絵を使っていることだろう。古き良きRPGを思い起こさせるためだけでなく、今回、アートとしてドット絵に取り組んだとのことだった。かつてはハードウェアの制約が理由でドット絵を採用していたが、ハードウェアの性能がアップした以上、背景をしっかりと書き込み、演出にもこだわるなど、「この時代だからこそできることをふんだんに盛り込んだ」という。ドット絵の制作に関しては、特に大変だったそうだ。数百種類作る必要があるだけでなく、それぞれ3方向分、作る必要があるなど膨大な量が必要だったからだ。安井氏は、「1ドット1ドット丁寧に作り上げてきました」と述べ、その仕上がりに自信を示した。下岡氏も「芸術作品といっていいレベル」と語った。
▲ドット絵のキャラクター同士が繰り広げる会話とストーリーは家庭用ゲームソフトのRPGを思い出させてくれる。
下岡氏は、ドット絵に関しては、リテイク要望をかなり出したそうで、「安井氏から何度か殺意を抱かれたのではないか」と振り返った。なかには、「1ドットずつずらしてほしい」といった要望も出したことがあったそうだが、安井氏は、「ドット絵のゲームでは、わずか1ドットずらすだけでも見え方が大きく変わてくる。面白いゲームを作る上で大事なこと」と応じた。
また、ゲームの音楽については、メインテーマ曲とバトルテーマ曲を澤野弘之さんが担当する。オーケストラを使うだけでなく、ロック調のノイジーな楽曲を手掛けるなどチャレンジする作曲家で、『機動戦士ガンダムUC』や『進撃の巨人』の音楽を聞いていて、非常に良いと感じており、お願いすることにしたそうだ。全6章をクリアすることで、初めて聞くことができる楽曲も用意されているという。
キャラクターデザインは、土林誠さんが担当。キャラクターやライズ、世界観の原案デザインを手がけた。仕上がりとしては、「世界観としては、ファンタジーなのだが、未来でもなく、過去でもない。かといって、西洋でもなく、東洋でもない。これらの要素がうまく融合した、異世界のものになっている」と述べた。
なお、事前登録については、すでに報じたように、7月7日より始まった。リリース予定は、7月中となる。公式サイトはもちろん、LINE、Twitterなどでも受け付けているという。事前登録の特典の注目は、1万人突破でもらえる☆3ライズ「ファエル」とのこと。攻撃範囲が非常に広く、使い勝手がいいそうだ。10万人を突破すると、☆4の女神「ファエル」に進化させることのできる素材もプレゼントする。
ここでアニメーションムービーを公開した後、本作で唯一、キャラクターボイスを担当している人気声優のKENNさんが登壇した。すでに映像が出来上がっていた状態で、別の現場で会ったKENNさんに、ゲームの概要を説明したうえで、出演をお願いしたところ、快諾してもらえたとのことだった。
下岡氏は、KENNさんのセリフ量がやや少なかったため、資料として、ゲームやシナリオの要約版を送付したところ、「読むから資料を全部送って欲しい」との要望が来たことに驚いたと明かした。KENNさんは、実際にプロットやシナリオなど関連した資料を全て読み込んだ上で、収録に臨んだそうだ。下岡氏は、「それがあったからこそゲーム中やプロモーションビデオでのセリフなど、非常にいい演技をしていただいたのではないか」と喜んでいた。
▲発表会ではKENNさんも交えてマルチプレイのデモが行われた。
■コメント
KENNさん:小さい頃からゲームが触れていて、ドット絵を使ったアクションゲームやRPGは身近なものでした。こういう温かみのあるスマートフォンのゲームに携わることができて、本当に嬉しいです。1プレイヤーとしてもリリースを楽しみにしています。もしかすると皆さんと一緒にプレイすることがあるかもしれません。
安井氏:ドットのゲームだけに、1ドット1ドット、芸術品を作るような気持ちで作りました。ゲームについても、戦略性の豊かなゲームに仕上がったと思います。多くの方に手にとって遊んでいただければと思います。
下岡氏:サービスインがスタートで、その後、運用していくコンテンツではありますが、そのなかで多くの方に作品のエンディングまで遊んでもらうことが願いです。いろいろな人と遊ぶだけでなく、子供などにこういうゲーム面白いよねと、自分たちが感じた面白さを次の世代にも伝えていけたらと思っています。
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