【モバイルファクトリー決算説明会】『駅メモ!』中心に好調続く 『ポケモンGO』登場は大チャンス 広告費増額&大型IP活用したタイトルに意欲
モバイルファクトリー<3912>は、7月22日、第2四半期(16年1月~6月期)の決算発表を行うとともに、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催した。発表した決算は、売上高9億8200万円(前年同期比22.8%増)、営業利益2億9900万円(同121.5%増)、経常利益3億円(同135.4%増)、最終利益1億9700万円(同161.3%増)だった。
第2四半期(4~6月期)の業績をみると、売上高4億9900万円(前四半期比QonQ3.7%増)、営業利益1億4800万円(同2.1%減)、経常利益1億4800万円(同1.7%減)、最終利益1億円(同3.7%増)だった。
決算説明会に臨んだ宮嶌裕二社長(写真)がスライドを用いて決算の状況を手短に説明し、『ポケモンGO』の評価や、同社の位置情報ゲームの展開について説明を行った。
第2四半期の数字を中心に見ていくと、売上高がQonQで3.7%増の4億9900万円だった。主力の『ステーションメモリーズ!(駅メモ!)』を中心とする位置情報ゲームが好調に推移したことが主な要因だった。同社によると、DAU(日次アクティブユーザー数)と継続率、ARPPU(課金者1人あたりの課金額)が伸びたことが背景にある。
位置情報ゲームの売上高を見ると、QonQで14.1%増の2億6600万円となり、過去最高を更新した。『駅メモ!』が大きく貢献したが、「その他の位置情報ゲームも順調に伸びている」(宮嶌社長)。
スタンプや着メロなどを配信するコンテンツサービスは、同1.1%増の2億0200万円だった。SoftBankのアプリとり放題サービス「App Pass」にて総合人気ランキング1位を獲得するなど人気だったことが背景にある。アクティブユーザーが多いほど収益が配分される仕組みのためだ。下げ止まりではなく、一時的な要因とみており、今後も下落トレンドは続くと見ているという。
他方、営業利益は2.1%減の1億4800万円とほぼ横ばいだった。売上が伸びたものの、位置情報ゲームで実施した体験型イベントと、Webプロモーションの実施による広告宣伝費の増加が収益を圧迫した。
また、2016年12月通期の業績予想を上方修正し、売上高19億7100万円(前回予想18億8800万円)、営業利益5億2000万円(同4億6000万円)、経常利益5億2100万円(同4億6000万円)、最終利益3億4000万円(同2億9900万円)とそれぞれ予想値を引き上げた。従来予想からの修正率は、売上高4.4%増、営業利益13.0%増、経常利益13.2%増、最終利益13.9%増となる。
会場からの質問は、位置情報ゲームに集中した。同日リリースされた『ポケモンGO』の影響についても注目を集めた。
この日リリースされた『ポケモンGO』については、「(説明会前の午前中に遊んだが)ゲームというものを一つの文化にするような作品だ。これはスゴイことになると思った」と感想を語るとともに、今後の見通しについて「位置情報ゲームだけでなく、スマートフォンゲーム業界にとっても大きなチャンスになる」との期待を示した。
かつてDSやWiiの登場でゲーム人口が一気に広がったが、『ポケモンGO』はそれに匹敵するほどの影響力を持った作品と評価しているという。『ポケモンGO』のスマホゲーム業界への影響については、アクティブユーザーが取られるリスクがあると認めつつも、ポジティブな側面として、これまでスマートフォンのゲームで遊んでいなかった人も遊び始める、つまり、スマートフォンのゲームユーザーの増加をあげた。また、課金へのハードルも低くなるようにしているため、これまで課金しないと決めていた人でも始める可能性もある、とも指摘した。
『ポケモンGO』の登場をきっかけに、停滞気味だったスマートフォンゲームの市場が再び活性化するだけでなく、位置情報ゲームがRPGやパズルゲームと並ぶメジャーなジャンルになる可能性も十分あるという。これから大型IP(知的財産権)を活用した位置情報ゲームが出てくると予想しており、実際にモバイルファクトリーにも引き合いがあると明かした。開発ラインを増やすため、採用活動についても強化していく考えも示した。
またスマートフォンのユーザーを中心に位置情報ゲームへの認知度が一気に高くなってくると予想されるため、こうしたユーザーをターゲットにした広告宣伝も行っていく方針だ。予算については、修正した業績予想に含まれており、これまでに比べて高い広告効果が期待できるそうだ。
またタカラッシュとのリアル宝探しイベントの影響についても質問が出た。友達同士などと一緒にわいわいと参加することにより、オーガニックユーザーが増加すると期待していたものの、期待した効果はなかったことを明かした。宮嶌社長は、「一人でも謎解きができるものとなっており、新規ユーザーを勧誘するためのイベント設計ができていなかった」と振り返った。
ただ、既存ユーザーのアクティブ率がアップするなど明確な効果が出ていただけでなく、大きな反省点も得られたとし、冬のイベントからそれらを反映させたものをやりたいと語った。夏のイベントで反映させられなかったのは、リアルイベントは、ゲーム内のイベントに比べて関係者も多く手間がかかるためだ。
このほか、リアルなイベントではないが、『駅メモ!』などではギルドやマルチプレイなど人とのつながりを重視した要素を取り入れていく考え。「これまでソーシャルな機能は導入していなかったが、アプリストアの売上ランキング上位のタイトルでは、リアルな友達同士で遊ぶとゲームを有利に進められるようになっており、夏に行う一部のイベントなどで導入を開始している」という。位置情報ゲームは、ライフログ的な性格を持つため、もともと高い継続率が出やすいものだが、ソーシャル機能の実装でさらに高める。
第2四半期(4~6月期)の業績をみると、売上高4億9900万円(前四半期比QonQ3.7%増)、営業利益1億4800万円(同2.1%減)、経常利益1億4800万円(同1.7%減)、最終利益1億円(同3.7%増)だった。
決算説明会に臨んだ宮嶌裕二社長(写真)がスライドを用いて決算の状況を手短に説明し、『ポケモンGO』の評価や、同社の位置情報ゲームの展開について説明を行った。
第2四半期の数字を中心に見ていくと、売上高がQonQで3.7%増の4億9900万円だった。主力の『ステーションメモリーズ!(駅メモ!)』を中心とする位置情報ゲームが好調に推移したことが主な要因だった。同社によると、DAU(日次アクティブユーザー数)と継続率、ARPPU(課金者1人あたりの課金額)が伸びたことが背景にある。
位置情報ゲームの売上高を見ると、QonQで14.1%増の2億6600万円となり、過去最高を更新した。『駅メモ!』が大きく貢献したが、「その他の位置情報ゲームも順調に伸びている」(宮嶌社長)。
スタンプや着メロなどを配信するコンテンツサービスは、同1.1%増の2億0200万円だった。SoftBankのアプリとり放題サービス「App Pass」にて総合人気ランキング1位を獲得するなど人気だったことが背景にある。アクティブユーザーが多いほど収益が配分される仕組みのためだ。下げ止まりではなく、一時的な要因とみており、今後も下落トレンドは続くと見ているという。
他方、営業利益は2.1%減の1億4800万円とほぼ横ばいだった。売上が伸びたものの、位置情報ゲームで実施した体験型イベントと、Webプロモーションの実施による広告宣伝費の増加が収益を圧迫した。
また、2016年12月通期の業績予想を上方修正し、売上高19億7100万円(前回予想18億8800万円)、営業利益5億2000万円(同4億6000万円)、経常利益5億2100万円(同4億6000万円)、最終利益3億4000万円(同2億9900万円)とそれぞれ予想値を引き上げた。従来予想からの修正率は、売上高4.4%増、営業利益13.0%増、経常利益13.2%増、最終利益13.9%増となる。
会場からの質問は、位置情報ゲームに集中した。同日リリースされた『ポケモンGO』の影響についても注目を集めた。
■『ポケモンGO』は業界全体にポジティブ IP位置情報ゲームで引き合いも
この日リリースされた『ポケモンGO』については、「(説明会前の午前中に遊んだが)ゲームというものを一つの文化にするような作品だ。これはスゴイことになると思った」と感想を語るとともに、今後の見通しについて「位置情報ゲームだけでなく、スマートフォンゲーム業界にとっても大きなチャンスになる」との期待を示した。
かつてDSやWiiの登場でゲーム人口が一気に広がったが、『ポケモンGO』はそれに匹敵するほどの影響力を持った作品と評価しているという。『ポケモンGO』のスマホゲーム業界への影響については、アクティブユーザーが取られるリスクがあると認めつつも、ポジティブな側面として、これまでスマートフォンのゲームで遊んでいなかった人も遊び始める、つまり、スマートフォンのゲームユーザーの増加をあげた。また、課金へのハードルも低くなるようにしているため、これまで課金しないと決めていた人でも始める可能性もある、とも指摘した。
『ポケモンGO』の登場をきっかけに、停滞気味だったスマートフォンゲームの市場が再び活性化するだけでなく、位置情報ゲームがRPGやパズルゲームと並ぶメジャーなジャンルになる可能性も十分あるという。これから大型IP(知的財産権)を活用した位置情報ゲームが出てくると予想しており、実際にモバイルファクトリーにも引き合いがあると明かした。開発ラインを増やすため、採用活動についても強化していく考えも示した。
またスマートフォンのユーザーを中心に位置情報ゲームへの認知度が一気に高くなってくると予想されるため、こうしたユーザーをターゲットにした広告宣伝も行っていく方針だ。予算については、修正した業績予想に含まれており、これまでに比べて高い広告効果が期待できるそうだ。
■リアルイベントは既存ユーザーの活性化に効果 新規ユーザーの獲得には不十分
またタカラッシュとのリアル宝探しイベントの影響についても質問が出た。友達同士などと一緒にわいわいと参加することにより、オーガニックユーザーが増加すると期待していたものの、期待した効果はなかったことを明かした。宮嶌社長は、「一人でも謎解きができるものとなっており、新規ユーザーを勧誘するためのイベント設計ができていなかった」と振り返った。
ただ、既存ユーザーのアクティブ率がアップするなど明確な効果が出ていただけでなく、大きな反省点も得られたとし、冬のイベントからそれらを反映させたものをやりたいと語った。夏のイベントで反映させられなかったのは、リアルイベントは、ゲーム内のイベントに比べて関係者も多く手間がかかるためだ。
このほか、リアルなイベントではないが、『駅メモ!』などではギルドやマルチプレイなど人とのつながりを重視した要素を取り入れていく考え。「これまでソーシャルな機能は導入していなかったが、アプリストアの売上ランキング上位のタイトルでは、リアルな友達同士で遊ぶとゲームを有利に進められるようになっており、夏に行う一部のイベントなどで導入を開始している」という。位置情報ゲームは、ライフログ的な性格を持つため、もともと高い継続率が出やすいものだが、ソーシャル機能の実装でさらに高める。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社モバイルファクトリー
- 設立
- 2001年10月
- 代表者
- 代表取締役 宮嶌 裕二
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3912