【グリー決算説明会】16年4~6月期は減収減益 新作『ソウルアームズ』不調が響く 来期は得意の『RPG』中心に開発・配信へ



グリー<3632>は、8月4日、2016年6月期の連結決算を発表するとともに、東京都内のグリー本社でメディア・機関投資家向けの決算説明会を開催した。

2016年6月期の連結は、売上高698億円(前期比24.4%減)、営業利益142億円(同29.6%減)、経常利益105億円(同57.9%減)、最終利益84億円(前年同期103億円の赤字)となり、減収・経常減益となった。コイン消費が落ち込んだことが原因とみられる。前期は巨額の減損により赤字だったが、今期は減損があったものの最終損益は黒字転換した。
 


決算説明会に臨んだ田中良和社長(写真)は冒頭に、『ポケモンGO』について「ゲーム内容というよりはインターネット社会の情報の伝播する力のすごさを感じさせられたことだ。数年後にまたこんな風にすごい速度で伝播するサービスに出会うと思う。そういう未来に対してどのようなサービスを創っていくべきか今回考えさせられた」と述べた。
 


また、来期については「2017年は2015年から2年間やってきたネイティブゲーム事業の集大成であり、今期のリリースラッシュは自分たちができることを最大限やった成果だと考えているので、みなさんにぜひ期待して欲しい」と自信を示した。


 
■4~6月期は既存タイトルが安定するも新作がふるわず減収減益に

さて、第4四半期(16年4~6月期)の状況を詳しく見ていこう。まず、売上高はQonQで7.0%減の156億円と11億円の減収となった。主力のゲーム事業でのコイン消費の落ち込みが主な要因だ。コイン消費の推移をみると、「GREE」プラットフォームなどで展開するウェブゲームで同6.1%減の138億コインと引き続き減少した。また、海外のネイティブアプリも同15.6%減の27億コインと減少した。さらに前四半期にリリースした『ソウルアームズ』が失速して国内ネイティブアプリも同15.9%減の37億コインと減少した。なお、コイン消費については2013年第3四半期から減少し続けている。
 


営業利益は22億円(同39.0%減)と大幅な減益となり営業利益率も14.2%と7.2ポイント悪化したが、これは今四半期に限定された「一時費用」が10億円含まれているためで、これを除くと営業利益率は20.6%となりトレンドは維持しているとのこと。なお、「一時費用」の内訳については、広告宣伝費、サーバー費用削減に向けた先行投資、のれんの一括償却によるものである。
 


また、ゲーム以外の事業については順調に成長しているとのことだったが、現時点では収益にインパクトがある段階ではないようだ。
 


2016年6月期通期の業績については、売上高698億円(業績予想700億円)、営業利益142億円(同140億円)とほぼ4月21日に修正した数値に着地となったが、経常利益105億円(同125億円)については想定為替レートを110円としていたため、円高による為替差損が発生した。当期純利益84億円(同115億円)についても投資有価証券の評価損を計上したためとしている。期末配当金は配当性向22.3%の8円00銭を予定している。なお、配当性向は中期的には20%を目指しているとのことなので今回は上回る形となった。


 
■2017年6月期の見通し

2017年6月通期の業績予想については、算定が困難として開示せず、第1四半期(7~9月期)のみ開示とした。売上高135億円(前年同期比30.0%減)、営業利益10億円(同77.1%減)、経常利益10億円(同74.9%減)、四半期純利益0億円(前年同期23億円の黒字)と減収減益を見込む。減収減益の要因として、売上高に関しては、既存タイトルの減衰を織り込んでおり、かつ新規タイトルの貢献は織り込んでいないためで保守的に考えている。費用に関しては、ゲーム運営事業に対する先行投資費用を含んでいるとのこと。
 


 
■来期は新作タイトルの「リリースラッシュ」

2017年6月期は新作タイトル8本リリースを予定としている。田中社長は、「通期で8本出す計画なので四半期ごとに4分割して2本くらい出せたらいいなと思っている。」と述べた。また、「リリースラッシュ」という言葉を頻繁に発するのがとても印象深かった。
 


明らかにされているタイトルは、7月14日配信開始の「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットブレイジング」、オープンβ中の「激突!クラッシュファイト」、上半期配信予定の「追憶の青」となる。残りのタイトルについては具体的な発表はなかったが、タイミングをみながら順次リリースしていく計画とのこと。
 


 
■質疑応答ではポケモンGOの質問も

質疑応答の場で、ポケモンGOについてどのように考えているのかという質問があがった。取締役の荒木英士氏は、「ナイアンティックさんは位置情報において世界で最も経験が深いスペシャリストで、ぽっと出の会社ではない。我々もこの分野では負けないというカテゴリーリーダーを目指す。むしろスペシャリストを目指すという我々の方針の正しさが証明された。」と述べた。取締役の前田悠太氏は「ポケモンGOがヒットしたのは彼らの得意とするエンジンと相性のいいIPがポイントだった。まさに我々も得意なエンジンで今回臨んでいる。」と述べた。
 


前述の追加の質問として、グリーとしての強みはなにかという質問があがった。荒木氏、前田氏ともに「RPG」と答えた。さらに続けて、データ分析による運営ができること、定量的なアプローチが効くこと、IPを活用しやすいジャンルに開発・運用ノウハウがあるという点をあげた。今後は得意分野であるRPGに優良なIPを組み合わせてヒットタイトルを狙っていく方針だ。
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高567億6600万円、営業利益53億7800万円、経常利益110億9800万円、最終利益135億2600万円(2021年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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