【調査資料】民間企業の障がい者雇用実態調査2016 8割以上の会社が障がい者雇用に前向き

エン・ジャパンは、同社が運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』上でサイトを利用している企業を対象に「障がい者雇用」についてアンケート調査を行ない、233社から回答を得て、概要を発表した。

概要では、障がい者雇用の法定雇用率を達成している企業は31%。障がい者を雇用する理由は「法定雇用率の達成」「社会的責任」。雇用職種の第1位は「事務」。障がい者雇用の課題は「適した仕事がない」「設備が未整備」。8割以上の会社が、障がい者雇用に前向きとのこと。

 

■調査結果詳細


1:障がい者の法定雇用率を達成している企業は31%。(図1)

「障がい者雇用率制度」が改正されて3年。従業員数50人以上の民間企業では全従業員の2.0%以上の割合で障がい者を雇用することが義務付けられていますが、実態はどうなのでしょうか。従業員数50名以上の企業に「障がい者雇用の法定雇用率(2.0%)を達成していますか」と伺ったところ、「達成している」と回答したのは31%でした。「雇用しているが、雇用率は未達成」は31%、「50名以上の企業だが、雇用していない」は38%と、障がい者雇用が進んでいるとは言えない状況のようです。
 
【図1】障がい者の法定雇用率「2.0%」を達成していますか?


2:障がい者を雇用する理由は「法定雇用率の達成」「社会的責任」。雇用職種の第1位は「事務」。(図2、図3)
障がい者を雇用している企業に、雇用したきっかけを伺うと、「法定雇用率の達成」(62%)、「企業としての社会的責任を果たす」(51%)が上位に挙げられています。実際に雇用している職種や分野では「事務」(54%)がもっとも多く、次いで「軽作業」(37%)という結果でした。
 
【図2】(「障がい者を雇用している」と回答した企業)障がい者を雇用したきっかけは何ですか?※複数回答可

 
【図3】(障がい者雇用を雇用していると回答した企業)どのような職種・分野で雇用されていますか?※複数回答可


3:障がい者雇用の課題は「適した仕事があるか」「設備が未整備」。(図4)
従業員数50名以上で「障がい者を雇用していない」と回答した企業も含めて、雇用上の課題や懸念点を伺いました。上位に挙げられたのは「適した仕事があるか」(障がい者を雇用している企業:64%、雇用していない企業:77%)「法定雇用率の達成」(同:49%、36%)、「設備・施設・機器など安全面の配慮」(同:41%、41%)でした。仕事内容と設備や機器面の整備に課題感を持つ企業が多いようです。

雇用状況別に見ると、障がい者を雇用している企業は「2018年から組み込まれる精神障がい者の採用」(23%)、雇用していない企業は「障がい者採用のノウハウがない」(41%)を課題点として挙げています。

【図4】障がい者雇用の課題や懸念点を教えてください。※雇用状況別


4:8割以上の企業が、障がい者雇用に前向き。(図5)
障がい者雇用の今後について伺いました。「積極的に」(6%)、「法定基準に合わせて」(41%)、「(本人の)能力次第」(20%)、「受け入れ体制」(19%)といった、各社様々な考えがありつつも、86%の企業が「雇用したい」と回答しています。2015年では73%であったことを鑑みると、障がい者雇用に対する意識の変化がうかがえます。

【図5】障がい者雇用について今後の予定をお聞かせください。

 
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査期間:2016年6月22日 ~ 7月19日
■調査対象:『エン 人事のミカタ』(https://partners.en-japan.com/)利用企業 233社、うち従業員数50名以上:172社