マーベラス、7~9月期の音楽・映像事業は過去最高業績 『刀剣』や『あんスタ』など舞台公演が貢献 "2.5次元"の先駆者として存在感



マーベラス<7844>の音楽・映像事業が好調だ。先日発表した第2四半期(2016年7~9月)の決算をみると、売上高13億0300万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益3億4600万円(同28.1%増)となり、第2四半期ベースとしては過去最高の水準となった。累計ベースでも売上高22億4900万円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益5億9900万円(同4.0%増)となっている。着実に数字を伸ばしており、マーベラスの大きな柱となっている。

「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」と『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』が好調だったほか、「薄桜鬼」や「幕末Rock」など定番シリーズも好調に推移したという。とりわけ「舞台『刀剣乱舞』」は、その公演が大盛況だったことに加えて、9月に発売したDVD・ブルーレイの販売も計画を大きく上回る実績で、同社のステージ作品でも過去最高の販売実績だったとのこと。

同社の音楽・映像事業は、爆発的な伸びはないが、着実に成長し続けてきた。2012年3月期以降の四半期ベースの売上高と営業利益の推移は以下のとおり。12年3月期においては、売上高が四半期平均で8億円、セグメント利益が1億3600万円だったが、四半期ごと変動があるものの、着実に数字を伸ばし続け、前期(16年3月期)には売上高11億3700万円、セグメント利益3億2700万円にまで成長した。

 
【マーベラス音楽・映像事業の四半期売上高の推移(百万円)】
 
【マーベラス音楽・映像事業の四半期営業利益の推移(百万円)】


下期においても引き続き好調が見込まれる。けん引役となった「舞台『刀剣乱舞』」は、規模を大幅に拡大し、12月15日から東京、福岡、大阪で開催する。『あんさんぶるスターズ!オンステージ』は、前回の続編となる新規公演で、2017年1月5日から1月29日まで、東京、大阪で開催する。新作テレビアニメ「刀剣乱舞-花丸-」の放送も開始し、12月14日から順次映像パッケージを販売する。
 


また、定番作品も引き続き貢献が見込まれる。「プリキュア」の新作映画が10月29日より公開となったが、前売りチケットの販売が昨年対比で大幅増と好調な推移となっているという。「ミュージカル『テニスの王子様』」と「舞台『弱虫ペダル』」も人気をキープしている。さらに前期に初めて公演を行った「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』」も2作目の公演を実施することが決定した。
 


こうした取り組みにより、2017年3月通期では、売上高48億円(前期比6.0%増)、セグメント利益13億5000万円(同3.2%増)と過去最高の業績を見込む。ゲームソフトは大ヒットすれば業績が「変貌」を遂げることも珍しくないが、音楽・映像事業は安定した収益源としてマーベラスを支えている存在だ。総合エンターテイメント企業であるマーベラスの強みがここにある。


 
(編集部 木村英彦)
 
株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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