コロプラ<3668>は、11月9日、2016年9月期の決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した決算は、売上高847億円(前年同期比17.0%増)、営業利益318億円(同1.4%減)、経常利益312億円(同3.4%減)、当期純利益207億円(同6.6%増)となった(2015年9月期は単体のため、比較は参考値)。
また、これを計画対比で見ると、売上高は達成率99.1%、営業利益は同95.1%、経常利益は同94.8%、当期純利益は同115.1%となっている。
決算説明会では、同社の馬場功淳代表取締役社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
■『白猫プロジェクト』の落ち込みを『白猫テニス』の立ち上がりでカバー
まずは業績を四半期推移(QonQ)で見ると、第4四半期期間(7~9月)の売上高は前四半期比5.9%増の201億円、営業利益は同8.4%増の62億円、経常利益は同14.8%増の61億円、四半期純利益は同92.0%増の59億円となった。主力タイトルである『白猫プロジェクト』(以下『白猫』)はQonQで落ち込んだものの、8月1日にリリースした新作『白猫テニス』の立ち上がりでカバーし、QonQで増収増益を達成した。
四半期ごとの費用面の推移を見てみると、この第4四半期期間も広告宣伝費は約27億円と前四半期並みの水準で推移した。これは、前四半期に『激突!!Jリーグプニコンサッカー』と『ドラゴンプロジェクト』のリリースに伴って広告宣伝費が膨らんだのと同様に、この四半期も『白猫テニス』のリリースに伴う広告宣伝費を計上したことによるもの。
また、その他の費用が大きく増加しているが、これはのれん償却が増加したためとなっている。
続いて、従業員数の推移を見てみたい。第3四半期にエイティングの連結子会社化、そして新卒入社で急拡大したが、この四半期は新卒を中心に育成に注力するタイミングということもあり、前四半期と比べてほぼ横ばいの推移となっている。
サービスのリリース年ごとの状況に目を移すと、『白猫』を含む2014年リリースタイトルの落ち込みが続き、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(以下『黒猫』)を含む2013年リリースタイトルの売り上げも縮小した。一方で、『白猫テニス』の寄与により、2016年リリースタイトルの売り上げは急拡大した。その結果、2014年リリースタイトルの売り上げの全体に占める比率は45.2%に低下した。
なお、『白猫』と『白猫テニス』を「白猫IP」としてトータルとして考えると、QonQで増収を達成しているという。
海外展開は、この第4四半期において、『白猫テニス』を韓国・台湾・香港・マカオとアジア圏で、『ほしの島のにゃんこ』を台湾でそれぞれ配信開始した。
■「2017年9月期は2Qが底になると予想」(長谷部氏)
なお、2017年9月期通期の予想については、売上高550億円(前期比35.1%減)、営業利益110億円(同65.5%減)、経常利益110億円(同64.8%減)、当期純利益75億円(同63.8%減)と大幅な減収減益になる見通し。「今期予想はかなり厳しめの数字を出した」(馬場社長)とし、「2017年9月期は久々の踊り場になる」(同)とのこと。
また、取締役CFO兼CSOコーポレート統括本部長の長谷部潤氏(写真)は、「(予想は)足元の10月の実績を見てのもので、第2四半期が底になると予想している。下期が伸びるのは新作が出てくるため」としていた。
新作については、前期の3本を上回る前提とし、スポーツもの、王道RPG、対戦色を出したものなどが予定されているもようだ。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高259億7500万円、営業損益12億800万円の赤字、経常損益9億4700万円の赤字、最終損益18億6600万円の赤字(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668