ユニティ、東大・廣瀬・谷川・鳴海研究室とのエンターテインメントVRシステムが「文化庁メディア芸術祭」で優秀賞を受賞 受賞作品展で展示の予定も
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは、バーチャルリアリティ(VR)技術を端緒として様々な角度からサイバネティック・インタフェースの研究を行っている東京大学大学院情報理工学系研究科の廣瀬・谷川・鳴海研究室の共同研究成果「Unlimited Corridor」が、 メディア芸術の総合フェスティバル「文化庁メディア芸術祭」のエンターテインメント部門において優秀賞を受賞したことを発表した。
「文化庁メディア芸術祭」は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するもの。今回、優秀賞を受賞した「Unlimited Corridor」は、広大なVR空間を自らの足で歩いて探索する体験を、狭いトラッキングスペースでも実現可能にする新しいエンターテインメントVRシステムで、体験者はHMDを装着し、6m四方の空間に建てられた円形の壁に触れながら歩くことで、工事中の高層ビルの足場の上を自分の足で探索して、子供が飛ばしてしまった風船を拾いに行くミッションをVRで体験できる。
本研究ではリダイレクテッド・ウォーキング技術(HMDに表示する映像に補正を加えることで、実際には曲がって歩いているにもかかわらず、まっすぐ歩いていると感じさせる技術)と視触覚間相互作用(触覚刺激が同時に受け取る視覚刺激の影響で変化して知覚される現象)を組み合わせた新技術「視触覚リダイレクション」を利用しています。現実世界の曲がった壁に触れると同時にVR世界で平面の壁を視覚的に提示することで、平面の壁に触れながら直進している感覚を生じさせる。これによりユーザーの空間知覚を強力に操作し、従来の1/50以下のスペースで無限に歩けるVR体験を実現可能にした。この基本原理に加え、円形の壁の中央に通路を配置することで、三叉路を含む複雑な構造のVR空間を無限に探索できるようにし、実現できるVRコンテンツの幅を拡げる工夫を実現した。
「Unlimited Corridor」の基礎理論は東京大学大学院情報理工学系研究科講師、鳴海拓志とユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの簗瀬洋平によって作られ、東京大学大学院情報理工学系研究科松本啓吾らによって実装された。
■第20回文化庁メディア芸術祭の受賞作品展での展示について
「Unlimited Corridor」は2017年9月にNTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京オペラシティアートギャラリーにて開催される予定の第20回文化庁メディア芸術祭の受賞作品展にて展示される。
会期:2017年9月開催予定
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京オペラシティ アートギャラリー 他
入場料:無料
主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会
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