【決算まとめ②】ゲーム関連企業36社の25年7~9月期決算は10社が営業赤字計上…社数は変わらずも5社が入れ替えに 『メテオアリーナ』苦戦のケイブ、新作開発費膨らむマーベラスが赤字転落

主要モバイルゲーム企業の2025年7~9月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。
この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の36社中、10社となった。これは前四半期と同じ数字となるが、内容は5社が前四半期から黒字転換した一方で、5社が赤字転落するなど大きく入れ替わる形となっている。
営業黒字転換を果たしたのは、コロプラ<3668>とアカツキ<3932>、coly<4175>、ワンダープラネット<4199>、セガサミーHD<6460>の5社となる。セガサミーHDは、「スマスロ 東京リベンジャーズ」の投入などによる遊技機事業の収益改善効果が大きかった。ただ、コンシューマ分野におけるフルゲームの販売やRovioの業績が想定を下回っており、第3四半期以降にさらなる立て直しが進むのかどうかが注目される。
一方、この四半期で営業赤字転落となったのは、ボルテージ<3639>、エイチームHD<3662>、ケイブ<3760>、アピリッツ<4174>、マーベラス<7844>の5社となる。ケイブは、『メテオアリーナ』のリニューアルによる立て直しの費用が収益を圧迫した格好だった。ただ、この『メテオアリーナ』については、そのサービスを2025年12月25日11時をもって終了することを11月20日に決定しており、続く第2四半期期間(9~11月)においても収益貢献は難しい状況となっていることが予想される。
また、マーベラスはハーフミリオンを達成するなど順調なセールスを記録した新作『龍の国 ルーンファクトリー』と『牧場物語 Let’s!風のグランドバザール』の貢献などで売上高は大きく伸びた一方で、新作の開発費負担が重かったことから営業利益は赤字に転落する結果となった。この開発費負担が解消される第3四半期期間(10~12月)については利益率が大きく改善してくるものと思われ、順調に営業黒字を回復してくることが期待できそうだ。

会社情報
- 会社名
- 株式会社ケイブ
- 設立
- 1994年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
- 決算期
- 5月
- 直近業績
- 売上高139億6900万円、営業利益11億3300万円、経常利益11億3100万円、最終利益2億4600万円(2025年5月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3760
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 照井 慎一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高279億6300万円、営業利益18億1700万円、経常利益18億円、最終利益8億1800万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4289億4800万円、営業利益481億2400万円、経常利益531億1400万円、最終利益450億5100万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460