【決算まとめ①】ゲーム関連企業の25年7～9月期決算は増収と減収が半々と2極化　『怪獣8号 THE GAME』寄与のアカツキの業績好転　サイバーエージェントは英語版『ウマ娘』が寄与

主要モバイルゲーム企業の2025年7～9月期の決算を振り返りたい。今回の集計データでは、黒字転換を果たした企業が5社あった一方で、赤字転落した企業も5社あるなど、各社の四半期ごとの業績変動の大きさが目立つ形となった。

そうした中で主力のスポーツゲームに加え、「メタルギア」シリーズや「サイレントヒル」シリーズなどの新作タイトルで安定した収益成長を続けているコナミグループは特筆した存在と言えそうだ。

また、市場の状況としては、任天堂<7974>の新ハードウェア「Nintendo Switch 2」が年間の販売目標を引き上げたほか、SIEは、実質値下げとなる日本国内向けの「PS5」の日本語専用モデルを11月に発売するなど、コンシューマゲーム・コンソールゲームの市場が年末年始の商戦期に向けてより活性化することが予想される。

さて、今回も前回までの形と同じく、テーマごとに少し切り分け、この記事では7～9月期の決算シーズンの主要ゲーム関連企業の決算の概略をまとめてみたい。これまでの記事とデータの連続性も踏まえ、エイチーム<3662>とgumi<3903>、アピリッツ<4174>、coly<4175>などの決算は既に次の四半期の決算発表が始まっているが5～7月期の数字を使用している。

■『怪獣8号 THE GAME』が寄与のアカツキの業績好転　サイバーエージェントは英語版『ウマ娘』が寄与

この四半期に業績の好転ぶりが目立ったのはアカツキ<3932>だろう。4～6月決算は運営タイトルを絞った影響で大幅減収、赤字計上となっていたが、8月31日にリリースした新作『怪獣8号 THE GAME』の寄与もあり、前四半期比（QonQ）で大幅な増収・黒字転換を達成している。

また、サイバーエージェント<4751>のゲーム事業も好調だった。『Shadowverse: Worlds Beyond』と『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』のヒットに続き、この第4四半期は英語版『ウマ娘 プリティーダービー』の海外でのヒットが貢献しており、QonQで大幅な増収増益を達成している。

半面、売上の減少が目立ったのは、カプコン<9697>だろう。ただ、これは前四半期に最新作の2026年2月発売が決まった「バイオハザード」のシリーズタイトルのリピート販売が好調だった反動によるものが大きく、第2四半期累計（4～9月）業績では過去最高業績を更新しており、過度な懸念を持つ必要はなさそうだ。

■集計対象企業36社中の18社が増収、18社が減収に

この四半期決算では、集計対象企業36社中の18社が増収、18社が減収となり、増収と減収が半々となった。一方で営業利益については、16社が増益（赤字幅の縮小を含む）、20社が減益と減益の企業が多数を占めた。

なお、36社を売上高と営業利益の増減別に分けると、以下のようになる（並びはコード順）。

増収増益…MIXI<2121>、コーエーテクモHD<3635>、KLab<3656>、コロプラ<3668>、オルトプラス<3672>、カヤック<3904>、アカツキ<3932>、coly<4175>、ワンダープラネット<4199>、サイバーエージェント<4751>、セガサミーHD<6460>、バンダイナムコHD<7832>、スクエニHD<9684>、コナミグループ<9766>
増収減益…アピリッツ<4174>、バンク・オブ・イノベーション（BOI）<4393>、イマジニア<4644>、マーベラス<7844>
減収増益…アエリア<3758>、gumi<3903>
減収減益…ディー・エヌ・エー（DeNA）<2432>、グリーHD<3632>、ボルテージ<3639>、ネクソン<3659>、エイチームHD<3662>、enish<3667>、ケイブ<3760>、ガンホー<3765>、ドリコム<3793>、Aiming<3911>、モバイルファクトリー<3912>、マイネット<3928>、テンダ<4198>、東京通信グループ<7359>、ブシロード<7803>、カプコン<9697>