サイバーエージェント藤田社長、AbemaTVに「一定の手応え」 まもなく2000万DL・1000万MAU突破 とがったコンテンツと視聴習慣化でベースアップ
サイバーエージェント<4751>の藤田晋社長は、この日(7月27日)開催の決算説明会で、目下、投資を積極的に行っている「AbemaTV」について1900万件ダウンロードを突破し、まもなく2000万ダウンロードに到達すること、そして月間アクティブユーザー数(MAU)についても、5月に943万人と1000万人到達に近いことを明らかにした。
好調の要因としては、GW最終日に放送し、視聴者数が1420万と過去最高視聴数を記録した亀田興毅さんを起用した番組や、将棋の藤井聡太四段を取り上げた番組が好評だったことがあげられる。「話題となる番組を放送したとき、一気に伸びたものの、翌日には元にもどっているのが一番嫌だった」と考えていたそうだが、幸い、そういうことにはならず、アクティブユーザー数はベースアップしている。
他の動画サービスとの比較でも、MAUの規模は圧倒的で、独自のポジションを築くことができている。テレビ局の番組制作力と、ネットサービスの開発・運用力、そして多額の赤字を許容できる財務体質などの条件が必要なこともあり、競合サービスが出てこない要因となっていると藤田社長は分析している。
また、亀田さんの番組ではサーバーダウンするなど課題も浮き彫りとなったが、現在、同時接続数を現在の5倍から10倍までにするようなサーバーの強化を行っており、年内いっぱいには完了する見通し。「とがったコンテンツ」を作ろうという取り組みが亀田さんの番組という形で結実したが、年末にも特番として相当力を入れたコンテンツを用意するとのことだ。
藤田社長は、これまでAbemaTV関連で、2017年9月期は200億円の赤字を出すと公言していたが、来期(2018年9月期)については、大規模な投資は継続するものの、売上についても追求していく考えを示した。CMのメニューについてもスポットのみだったが、タイムの追加など充実させるとともに、Abemaビデオ(課金サービス)、放送外収入なども強化していく。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751