【TGS2017】KLabとKADOKAWA、両キーマンに訊いたメディアミックスプロジェクト「Project PARALLEL」の気になること



KLab<3656>とKADOKAWAが、9月21日に発表した、メディアミックスプロジェクト「Project PARALLEL」は、同日に幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2017」のKLabブースでも発表された。

既報の通り「Project PARALLEL」は、「魔法」×「アイドル」をテーマとしたKLabとKADOKAWAによるメディアミックスプロジェクト。楽曲制作で、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントが参加する本プロジェクトは、KLabがパブリッシングするモバイルオンラインゲームをはじめとし、様々なメディア展開を行っていく予定だ。また、モバイルオンラインゲーム開発・運営において、オルトプラス<3672>が参加する。

今回、TGS2017のKLabGameブースの最新情報発表会に登壇したKADOKAWAの横山憲二郎氏とKLabの北牧涼輔氏に対し、発表会後にインタビューを実施した。満を持して発表された「Project PARALLEL」に対する想いを、プロジェクトのキーマンである両氏に訊いた。



KADOKAWA
ゲーム原作開発編集部 編集長
横山 憲二郎氏(写真左)

KLab
KLabGames事業本部 プロデューサー
北牧 涼輔氏(写真右)
 

■ゼロイチのオリジナルIPだからこそ、ファンと一緒に大きく成長させていきたい

 
――:本日はよろしくお願いいたします。まずはTGS2017で「Project PARALLEL」を発表した感想を聞かせてください。

北牧 涼輔氏(以下、北牧):ようやく発表することができた、という安心感が強いです。これから制作が進んでいくと思うので、改めて「がんばろう!」という気持ちになっています。

横山 憲二郎氏(以下、横山):僕も安心感と同時に、これから気を引き締めていかなければいけないという気持ちです。

――:「Project PARALLEL」の構想はどれくらい前から考えられていたのでしょう。

横山:僕たちが出会ったのが1年前くらいですが、その前からKLabさんのほうではオリジナルのIPを作ろうという動きがあったようです。

北牧:そうですね。いろいろと試行錯誤をしていました。ちょうど1年前くらいにになりますね。

――:お二人の出逢いのキッカケは。

北牧:弊社の別部署の者と横山さんが最初に知り合っていました。僕が「オリジナルタイトルをやりたい」と話していたら、彼から「それなら一度会ってみる?」と、社内の人間を通して横山さんを紹介してもらいました。

横山:実際にお会いして、もうそこから「やりましょう!」と話が進んでいきました。

――:プロジェクトのテーマが「魔法」×「アイドル」ですが、このテーマになった経緯はなんでしょう。

横山:難しいですね。実は、結構最初から魔法とアイドルというテーマだったんです。

北牧:そうですね。何か二転三転してこのテーマになったわけではなく、2回目の打ち合わせの時に「魔法でアイドルだ!」という感じで決まったんです。

――:最新情報発表のステージでいろいろ紹介されましたが、今回のプロジェクトで一番のポイントは。

北牧:ゲーム自体の話で言うと、クリエイティブにかなり力を入れて作っています。その辺りは来年3月に出せると思っていて、その時見ていただいて「オーッ」と驚いていただければ。

横山:現状出ている情報としては、やはり豪華な制作スタッフの存在ですね。制作陣の顔ぶれからどういうものができあがるのかを楽しみにしてもらえればな思っています。シナリオにあさのハジメさん、キャラクターデザインにU35さん、世界観設定協力には家庭用でも有名な村山吉隆氏、コンセプトアートにずじさん、そして音楽にビクターさんが入られている。その中で魔法とアイドルをどう表現するのか? 「あっ、こうなるのか!」と思ってもらえるといいですね。

――:来年3月の発表にはかなり驚きが待っていると。

北牧:ハードルが上がってしまいますが、驚きがあるようにしたいと思っています。

横山:キャストに関して、声優さんを20名発表させていただきましたが、キャラクターはキービジュアルの女の子以外はまだシルエットなので、どんなキャラクターなのかというところも3月には発表できると思うので楽しみにしてください。

――:ちなみに、プロジェクト名として「PARALLEL(パラレル)という言葉をチョイスした理由は。
 
北牧:言葉のとおりパラレルワールドを、イメージしています。「魔法」×「アイドル」というテーマに決まったとき、魔法が使える世界を作ろうとしました。これは正式タイトルではないのですが、一番コンテンツを表現している言葉だろうということでパラレルにしました。ゲームタイトルのリリース時はタイトル名が変わる予定ですが、ゲームをプレイしている時、まさにスマホの中にもうひとつの世界がある、というものを作ろうと考えているので、そういった思想も込みで名前を付けました。

――:今回、両社でプロジェクトを進めていますが、お互いの印象はいかがですか。
 
横山:この2社で、一緒にオリジナルIPを作ろうという取り組みは初めてですが、とてもうまく進んでいると思っています。
 
北牧:ゲームを作っている会社と、コンテンツを生み出している会社ということで文化の違いもあるので、始動するまではどうなるかなという漠然とした不安はありましたが、横山さんの人柄もあって非常にスムーズに進んでいます。

横山:僕らがコンテンツを作って、KLabさんはゲームを作るという座組ではなくて、双方がこのコンテンツをおもしろくするためにはどうしたらいいか、というところを遠慮なく言い合えています。僕らもすごく刺激になるし、KLabさんにとってもいい意味で刺激的だと感じてもらえていると思うので、とてもいい座組だと感じています。

――:現時点で公開されている情報だけでもかなり魅力を感じるコンテンツですが、当然ゲーム以外の展開も考えている。

横山:メディアミックスプロジェクトという形で発表していて、弊社の座組も入っていますので、大きくIPを育てていきたいなと思っています。ただ、当然ユーザーの皆様の応援があってこそです。既存のIPではないので、ユーザーの皆様1人1人が「自分が育ててやるぜ」という気持ちで、一緒にこのIPを大きくしていきたいです。
 
――:オリジナルIPを育てていく上で、成功させる秘訣はあるのでしょうか。

横山:これはあくまでも個人的な考えにはなりますが、やはりユーザーの方に楽しんでもらうことが重要だと思っています。そのために、どういったものを提供すればいいかというところは当然想定して作ったりしますが、今回のプロジェクトではいろいろな楽しみ方ができると思っています。世界観、キャラ、音楽、ゲームなど、いろいろな角度から、自由に楽しんでもらいたいです。

今回、膨大な設定を用意しているんですが、それをあまり表に出していないんです。ストーリーもちょっと匂わせるだけだったり、キービジュアルで描いている光の形も何故その形をしているのか、じつは意味というか設定があります。そういったところでいろいろな楽しみ方を見つけてもらえるかなと思います。

北牧:制作陣の方々もすごいメンバーで、一緒に仕事していて「これはすごい」と現場のメンバーも感動しています。オリジナルコンテンツを生み出す、作る過程で、そういった方々が協力してくれているので、IPとしてどんどん威力が上がっているという感じはあります。

――:ゲーム開発の部分では、オリジナルIPを題材にする上で意識していることはありますか。

北牧:いわゆるIPモノでも、ゲームのオリジナル作品でも、その作品の魅力となる部分が必ずありますよね。この作品では必殺技がかっこいいとか、別の作品ではキャラクターがとにかく可愛いとか。「Project PARALLEL」にもそういった特徴とかいうか独自の魅力があるのでその魅力を全力で引き出せるようにしています。
 
――:発表されたばかりではありますが、現時点での開発状況はいかがでしょう。

横山:コンテンツ部分で言うと、設定やストーリーは膨大なボリュームなんですが、かなり出来上がっている状態です。

北牧:そのコンテンツ部分に負けないように、ゲーム部分をがんばって作っているところです。

――:それでは最後に「Project PARALLEL」に期待しているファンに向けてメッセージをお願いいたします。

北牧:現時点だと、言いたいけど言えないことが多いですが、がんばってゲームを作っていきます。おもしろいと感じて頂けるような作品にしていきたいと思っていますので期待してお待ちください。

横山:ユーザーの皆さんと一緒に育てていければと思いますので、温かく見守ってください。
 
――:本日はありがとうございました。


(C)KLabGames / KADOKAWA
KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
企業データを見る
株式会社KADOKAWA
http://www.kadokawa.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社KADOKAWA
設立
1954年4月
代表者
代表執行役社長CEO 夏野 剛/代表執行役CHRO兼CLMO 山下 直久
決算期
3月
直近業績
売上高2581億900万円、営業利益184億5400万円、経常利益202億3600万円、最終利益113億8400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9468
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