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ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>が本日(7月29日)、第1四半期の決算発表を行うとともに、決算説明会資料を開示した。非常に秀逸な資料といえるが、この中でも、DeNAのソーシャルゲーム市場の見方を提示した点がこの資料の目玉になるだろうと思われる。
国内ソーシャルゲーム市場がどういった要因で成長するのか、市場成長の考え方を示している。DeNAでは、2011年度の2000億円規模から2012年度~2013年度には3000億円規模に拡大すると予想しており、この間の市場拡大は、これまでのような携帯電話のカジュアルゲーマーに加え、ハイクオリティのスマートフォンアプリがコアゲーマー層を取り込んでいくイメージだ。
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この間、DeNAは、テレビCMなどの投入を抑え気味にする一方、「Infinity Blade X」や「スーパークリエイターズ」などハイエンドなゲームの企画・開発に注力しはじめたが、同社の市場成長に対する見方と整合的だ。
さらに興味深い点として、DeNAのARPUが高い理由を示したことがあげられる。ZyngaのARPUは0.66ドルであるのに対し、「Mobage」は12.06ドルと約18倍の水準。また「怪盗ロワイヤル」の比較でも、「Mobage」で運営するバージョンは「mixiモバイル」の約10倍の水準になっているとのこと。エンタメ・バーチャル系ソーシャルメディアは、リアル系SNSに比べて高い収益性を持っているという。
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しかし、このDeNAの考え方が正しいとすれば、リアル系SNSは、PCや携帯電話、スマートフォンなど、どのような端末であっても高ARPUと高い収益性を出すことは難しいのではないか、ということを示唆しているように思われる。今後、「Facebook」は、スマートフォン向けアプリプラットフォームをオープン化すると予想されているが、世界進出を目指すSAPはグローバル版「Mobage」でリリースすべき、というメッセージとも思えるが、さすがにこれは考え過ぎかもしれない。