【発表会】『ハースストーン』の新弾発表会レポート! ベン・トンプソン氏お気に入りのテーマも公開


Blizzard Entertainmentは、4月13日より配信された『ハースストーン』の新カードパック「妖の森ウィッチウッド」の発表会を秋葉原にて開催した。本稿では、その模様をレポートしていく。

 

■コストを制限する新たな能力に注目!


今回の発表会は、4月14日に秋葉原UDXシアターにて行われた。当日の司会進行を務めたのは、e-Sportsキャスターのシンイチロォ氏と、e-Sportsイベント会社RED ONEのYanaken氏の2名。


▲司会進行を務めたシンイチロォ氏(写真右)とYanaken氏(写真左)。

発表会は、まずコンセプトムービーの上映からスタート。お決まりのミュージカル調のトレーラーが正面のスクリーンに流される。

今回は、黒魔術が横行する不気味な森「ウィッチウッド」を舞台にしており、その森に住む亡霊や怪物。ドルイドたちが獣化して生まれた「ウォーゲン」と呼ばれる種族が主軸となっている。

 

●「妖の森ウィッチウッド」トレーラー(youtube)


改めて追加されるカードの内容を説明するにあたり、ステージにはBlizzard Entertainmentのアートディレクターのベン・トンプソン氏と、アソシエイツ・ファイナル・デザイナーのステファン・チャン氏が登壇した。


▲ベン・トンプソン氏(写真左)とステファン・チャン氏(写真右)。

新たにカード効果として追加されるのが「急襲」と「木霊」のふたつ。まず、「急襲」は手段を問わず場に出たターンから、ミニオンへの攻撃が可能というもの。「突撃」と似た効果ではあるが、「急襲」の場合はリーダーへの攻撃ができない点に注意が必要だ。

「木霊」の効果を持つカードをプレイすると、そのカードのコピーが手札に加わり、そのターン中だけプレイ可能になる。何度でもコピーは生成されるので、マナさえあれば同じカードを1ターン中に何度もプレイ可能になる。


▲「木霊」の効果を持つカードの調整には苦心したようだが、10マナの中で繰り返しプレイ可能な範囲を考慮し、2~3マナのカードとして採用されたようだ。

また、今回のカードパックでは、デッキ内のすべてのカードのコストを参照する効果も追加される。それらは、全てのカードのコストを「奇数だけ」、もしくは「偶数だけ」で構成した場合にのみ発動する。

一例として挙げられたカード「ゲン・グレイメン」は偶数のみで構成すると、ヒーローパワーのコストを減らす。「月を食らうものバク」は奇数のみで構成すると、ヒーローパワーが強化版になる。どちらも条件を満たしていれば、対戦開始時に能力を発動する。


▲編成できるカードが大きく絞られるが、リターンは充分に大きい。

また、これらのカードとは別に、ベン氏が個人的に気に入っているテーマを紹介した。そのひとつが「ビックハンドドルイド」。潤沢なドローソースを用意し、手札の枚数を参照するカードと組み合わせるというもの。

この際、手札が何枚以上といった制約を設けないようにすることで、スケール感を追い求めながらも、試合の流れを追いやすくすることが意識されているとのこと。

 
▲紹介されたカードは、すべて手札の枚数が多ければ多いほど効果が強くなるが、枚数の指定がないので、どのタイミングで使用するかは完全にプレイヤーの判断にゆだねられている。

もうひとつのテーマが「急襲ウォリアー」。これは、街を守るためにいち早く戦いに駆けつける兵士というイメージと、急襲という仕組みがマッチしているのだとベン氏は語る。「ドラゴンウォリアー」以降、テンポウォリアーに該当するものがいなかったので、このテーマを設けることで、面白いプレイスタイルが生まれることに期待を寄せているようだ。

 
▲プレイヤーの間でどのような戦略、シナジーが生まれるのか、未知数の面白さが秘められている。今後の動向が気になるところだ。

さらに、カードパックの追加だけでなく、2週間後に追加される新たな1人プレイ用モードの「怪物狩り(モンスターハント)」についても発表があった。

「コボルトと秘宝の迷宮」のダンジョン攻略のように、最大で8回戦まであるバトルを勝ち抜くことを目指すモードになっており、ボス戦をクリアすることで報酬カードが獲得できる。



「コボルトと秘宝の迷宮」との大きな違いは、使用できるヒーローは「怪物狩り」と称された特別なヒーローであるという点。「怪物狩り」は全員、特徴的なヒーローパワーを所有しており、それをどう活かすのかも、「怪物狩り」攻略の大きなポイントとなるようだ。


▲「怪物狩り」として登場するヒーローは4名。全員でクリアすれば、特別な報酬が手に入る。

これで新弾についての発表は終了。最後に、ハースストーンチャンピオンシップツアー(HCT)についても言及。来月には、日本でツアーストップが開催される。日本国内で、年々e-Sportsへの関心が高まっていることもあり、今年は日本からも例年以上の参加者が集まっているようだ。


▲締めの言葉として、おふたりから日本語で「頑張って!」と、来場したユーザーたちにエールが送られた。

この後、ステファン氏と『ハースストーン』世界大会に出場経験もあるb787氏によるエキシビジョンマッチが行われた。かつては、自身もプロゲーマーだったステファン氏。互いに一進一退の激しい攻防が繰り広げられ、場内は歓声に包まれていた。


▲エキシビジョンマッチでステファン氏と対戦したb787氏。


▲結果、勝利をつかんだのはb787氏。まるで世界大会を見ているかのような、トップレベルの戦いだった。

さらに、来場者の中から抽選で選ばれた1名ともエキシビジョンマッチを開催。新カードパックを使った構築済みデッキの対戦ということもあり、戸惑う様子も見られたが、こちらも熱い試合を展開。



新カードを使いこなすステファン氏に食らいつくも、挑戦者は徐々に押されていく状況をひっくり返し切れず、ステファン氏が勝利した。残念ながら敗北したものの対戦の記念品が贈呈され、本発表会の全プログラムが終了。



発表会終了後には、第2部としてファンイベント「炉端の集い」を開催。ユーザー同士での交流、対戦会も開催された。

 
(取材・文 ライター:宮居春馬


 
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