ファリアーは2018年12月15日、京都にて第21回「駿馬 KYOTO KAIKOU」を開催した。
「駿馬(しゅんめ)」とは、ゲーム業界を目指す学生に向けてファリアーが全国各地で開催しているイベントの総称である。「駿馬 KAIKOU(邂逅)」は、そのイベントに企業も参加し、勉強会、会社説明会やトークセッション、個別指導と盛りだくさんの内容となっている。
今回で第21回となる駿馬。毎月全国どこかで開催され、ゲーム業界を目指す学生に向けて、ゲーム業界を「ただの夢」ではなく「目指す先」として具体的にイメージし、「夢から目標に」転化する機会を届けている。
今回の記事では、当媒体の連載記事「ゲーム業界活人研」( https://goo.gl/y4Rtmz )でもお馴染みのファリアー代表・馬場保仁氏が全国に届ける「駿馬 KYOTO KAIKOU」の模様をレポートしていく。
■ 様々な学校から集まり、それぞれ目指す職種が異なる仲間とのワークショップ
今回の駿馬は、これまでの開催の中でも、最多の「25校」から学生が参加する会となった。各学生が目指す職種も「エンジニア」「デザイナー」「プランナー」と様々で、専門学校・大学・大学院、1年生から4年生まで多岐にわたる。
初めて会った人と一緒にワークショップを行うことで、「自分とは異なる考え方」「異なる視点」を持つ人と話し、考え方を共有することで、今後の制作はもちろん社会に出るにあたってとても良い経験になる。
初めはぎこちない会話ではあるが、お互いものづくりが大好きな共通点があることもあり、すぐに打ち解けて自分の考えをぶつけ合う姿は、駿馬のようにワークショップが含まれるイベントならではである。
そして、そんな学生たちの姿を、企業の方々が真剣に見つめていることも印象的で、若手への強い期待が感じられた。今回の駿馬には、学校の教員たちの見学も見受けられた。「若い力」を学校と企業が共に伸ばしていきたい、少ない機会から学びたい、という想いが感じられた。
一つのきっかけが、その後に大きく影響を与える学生の時期だからこそ、学生にはたくさんの選択肢を手に入れるチャンスを逃さないで欲しいと感じた。
■ 「ホーム」ではなく、「アウェイ」での経験を!
参加した学生の学年は様々だが、今後、インターンや就職活動など、人前で話をする機会は増えて来る。馬場氏は、言う。
「就活の選考にグループワークや、ディスカッションも多くの企業さんが採用されています。そういった場においては、今日と同様に初めて会った人間同士で、短時間で、テーマに向き合い成し遂げないといけないわけです。でも、いわゆる「ホーム」で慣れた環境のみで学んでいても、なかなか緊張感がともなう経験はできません。だからこそ、こういった「アウェイ」の環境で、即時に「目的に向かって動ける」人材となるための訓練をぜひ、してほしい。駿馬はじめ、勉強会やインターンもそういう目的でも活用してほしいですね。」
事前にしっかり準備していっても、考えていることが緊張で飛んでしまったり、自分の思うように話せないなどとということは、ままあると思われる。
そうはならないための「アウェイ」経験を少しでも積めるように、駿馬には必ず発言の機会が用意されている。馬場氏の言う「目的に向かう」は、駿馬というイベントの中にも感じられるところである。
短時間のワークで考えた内容なので、細部まで深く検討していないながらも、堂々と発言できる学生もいて驚くと共に、前の学生の発表を踏まえて自分の発表を意識しながら話す姿は、学生の成長のスピードを感じることが出来た。
発表に対する馬場氏のコメントも、アウトプットに対する批評ではなく、「なぜ、そう考えたのか?」「伝えるためにはのアドバイス」など、対話型の確認で、OK/NGでないところが発表している当人も、それを聞いていてる他の学生にとっても、血となり肉となるやりとりであろう。
また、100人近い人の前でも、馬場氏の質問やコメントに必死に食い下がり、自分の意見を述べようと踏みとどまる姿勢をみせる学生もいて、非常に心強く感じた。こういった意識ある学生は、次回会う頃には一回りも二回りも成長していることだろうと想像する。
■ 企業からの熱いエール
今回の参加企業は4社。いずれも若い世代への期待と、育成に力を入れている企業が集まった。
・Aiming
・グリー
・ツェナワークス
・ディライトワークス
講義とワークショップを終え、レイアウト変更を行った会場で、企業からの会社説明が行われた。各企業それぞれのスタイルで、会社の魅力や若手へのメッセージ、現場のクリエイターからのアドバイスなど、内容の濃い説明会となった。
ゲーム業界に興味のある学生が集まるイベントということもあり、ゲームの開発現場でのものづくりのスタイルや活躍している先輩の話、失敗談や学生の時に学んでおけばよかった話などなど。企業の表面的な話ではなく、目指す先が同じ学生が集まるからこそ入り込める一体感が感じられた。
自分の数年先をイメージしながら、メモや写真を真剣な表情でとり続ける学生の目は、終始輝いていた。この中から未来のゲーム業界を盛り上げるクリエイターがきっと出てくれるはずである。
■ 企業の代表者から聞く現場の生の声「邂逅トーク」
企業説明会の後は、代表者によるパネルディスカッション「邂逅トーク」が開かれた。イベント開催から長い時間一気に進んで来たにも関わらず、学生たちは現場で働くクリエイターの話に頷き、質問をし、普段は聞けない生の声に聞き入っていた。
登壇社は、2018年の新入社員を始め、業界のベテランディレクターやエンジニア、エンジニアから採用担当となったクリエイターなど様々。
自分に近い先輩視点、自分が目指すべき先輩視点など複数の視点からのアドバイスをもらうことが出来、イベントに参加するまでは霧に隠れていた「企業」というものの霧が晴れ、実際に掴むものとして目の前にしっかりと見えて来たのではないかと感じた。
今回の駿馬で強く感じたことは、各社、新卒育成に強く力を注いでいる。そして、その年の新卒に期待することや、その年の新卒でしか経験出来ないことがある。ということ。
これまでのゲーム業界に起きて来た変化は、これまで業界で過ごして来たクリエイターのものであり、話を聞く学生が過ごす未来には異なる変化が待っている。その中でゲーム開発の面白さも変わっていくし、必要とされるクリエイターも変わって来る。
そんな変化を楽しんで欲しいし、変化に合わせて成長に対してのサポートをしていくという姿勢は、各社同じであった。
《最後に》
今回で21回目となる駿馬。各地で開催される駿馬を見て感じることは、どの地域の学生も目を輝かせて話を聞き、周りの仲間とディスカッションしているということである。
情報が溢れる時代にはなったが、地域によって情報や機会にはまだまだ差がある。この取り組みが全国各地をつなぎ、ゲーム業界を目指す学生を増やすとともに、育成していく未来が楽しみである。
2019年の開催も決定しており、「1月27日」「2月24日」「3月」に横浜にて開催。関東近辺の学生は、ぜひチェックしよう!
1月27日のエントリーは既に開始しており、その先も順次公開予定とのこと。
・1月27日( http://shunme-22.peatix.com )
・2月24日( http://shunme-23.peatix.com )
・3月( http://shunme-24.peatix.com )
随時公開予定
また、9月の名古屋開催時に発表されていたが、その後、コンスタントに、駿馬~KAIKOUの一連の勉強会とは別の、
駿馬とねっこ
も、毎月何処かの地方、地域で、高校生なども対象に含めて、開催れている(これまで、沖縄、広島、和歌山で3回開催)
今後も全国で開催される「駿馬」から目が離せない!
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【 講師 】
馬場保仁氏 株式会社ファリアー 代表取締役
【 プロフィール 】
1997年 セガ・エンタープライゼス(現セガゲームス)入社
『プロ野球チームをつくろう!』シリーズ
『Jリーグプロサッカークラブをつくろう!』シリーズ
『龍が如く OF THE END』
『スーパーモンキーボール』シリーズのプロデューサー / ディレクターに従事
2012年 ディー・エヌ・エー入社
スマートフォンアプリのエグゼクティヴプロデューサーに従事
2016年 ファリアー 創業 現在に至る
【 参加費 】
無料
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会社情報
- 会社名
- 株式会社ファリアー
- 設立
- 2016年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 馬場 保仁