トーセ<4728>が8日、決算短信を開示しました。業績はすでに記載したとおりですが、3ページ目の業界環境に関する説明が読み応えのある内容で、非常に勉強になります。事業の状況も詳細に記載されており、投資家に対して真摯に説明しようという姿勢がひしひしと感じられます。カプコンのケースもそうですが、こうした真摯な姿勢は、投資家から信頼を集めるものです。たとえ一時的に減益になったとしても。
その要点は以下のとおりです。
【家庭用ゲーム市場について】
- 家庭用ゲームソフトは、次世代ゲーム機への端境期にあり、ゲームメーカーは、新タイトルの投入には慎重だった。
- SNSやスマートフォンの普及で、安価なカジュアルゲームが増加し、ゲーム人口を増加させる要因になった。
- そうしたカジュアルゲームに、家庭用ゲームのユーザーが流出した。
- 一部有力タイトルや、単価の安いカジュアルゲームにユーザーが集中し、ゲーム市場規模は2年連続で縮小した。
- 「iPad」が発売されたことにより、タッチタイプのゲーム開発に乗り出す企業が出てきた。
- SNSゲームについては、システム環境が外部企業に解放され、参入する企業が増加した。
- 急激に増加したSNS向けアプリケーションを開発する企業の生き残りをかけた激しい競争が始まった。
- SNS運営会社や大手ソフトメーカーによる有望ベンチャー企業の買収や出資が盛んに実施された。
- スマートフォンやSNSゲーム市場は、小型のカジュアルタイトルが多数を占め、収益性の低いコンテンツに需要が集中していることから、多くの企業が未だにビジネスモデルを確立できていない。
- 従来のモバイルコンテンツ市場からはユーザーが流出し、従来のコンテンツビジネスを圧迫する傾向が見られた。
- ただし、スマートフォン向けコンテンツ市場では、価格設定が高めの大型タイトルの配信が始まっている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728