テンセントゲームズは、本日(7月28日)、「詩画」という美術スタイルを採用した新作オリジナル謎解きゲーム『絵巻・長恨歌』を7月23日に日本で正式リリースしたことを発表した。
本作は、中国・唐の偉大なる詩人である白居易(はく きょい)が手掛けた古典長文詩歌「長恨歌」(ちょうごんか)を題材に現代の謎解きゲームとして再構築した、唐代の玄宗皇帝と楊貴妃の恋物語を描いた作品。ゲーム画面には、中国伝統様式である「詩画」(しいが:絵画と詩文を組み合わせた描画手法)を採用し、唐代の詩の雰囲気と絵画の美しさを現代のテクノロジーで臨場感溢れる演出を行っている。
中国古典文学の名作「長恨歌」を題材に、古典的な中国文学を現代的な芸術的解釈で表現しており、詩歌の革新と伝統文化の再現は、本作のハイライトの1つとなっている。また、中国水墨画を採用し、美しいアートワークを表現。臨場感のある演出を実現して、中国のプレイヤーに高い評価を受けた注目作だ。
そして、原文の解説と分析を加えながらも専門性と芸術性のバランスをとりながら、詩の意味をよりわかりやすく伝えることを目的としている。ゲームは「絵・再作」「絵・創作」「絵・探索」という3種類の謎解き手法を中心に、絵画や音楽などの現代芸術の形式を組み合わせて詩歌の意味を解釈して、玄宗と楊貴妃の悲恋エピソードを再現している。
▼「長恨歌」とは
白居易が綴った、唐の玄宗皇帝と楊貴妃の史実に基づくラブロマンスの詩。玄宗が楊貴妃を寵愛していた時代、国に反乱が起きて楊貴妃はその巻き添えで命を落としてしまう。玄宗は悲しみに暮れて、やがて神仙世界に楊貴妃の魂を求めて使者を派遣する。楊貴妃の魂に謁見することは叶ったものの、ついに「反魂」には至らなかった。だが、玄宗と楊貴妃は永遠に愛を結ぶことを誓う――これが古典となった「比翼連理」。
何百年もの間、長恨歌は様々な形で表現されてきた。元代の元曲の作家白樸氏の代表作「梧桐雨」、清の洪昇の制作にかかる中国の古典戯曲の傑作「長生殿」…多くの文人が書道、音楽、ダンスなど様々な形で「長恨歌」を表現してきた。そのため、長恨歌という古典詩歌は時代を超えて、その物語が引き継がれている。
日本と中国は長い文化交流の歴史がある。日本文学史上最高の傑作とされる「源氏物語」には、長恨歌の詩歌が引用されており、平安時代の貴族層の誰もが知る長恨歌のエピソードを、紫式部は平安王朝風に置き換えて、物語に取り入れた。さらに、長恨歌の作者である白居易は醍醐天皇からも好かれ、「平生愛する所、『白氏文集』七十巻是なり」という言葉を残している。
■『絵巻・長恨歌』
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