SBクラウドとスクエニ、『ドラゴンクエストライバルズ』で機械学習を活用した共同研究を実施 CPU対戦のバランス調整精度の向上が目的
SBクラウドは、 スクウェア・エニックスと機械学習を活用した共同研究の実施を発表した。
本研究は、 スクウェア・エニックスが提供するスマートフォン向けデジタルカードゲーム『ドラゴンクエストライバルズ※1』において、 ユーザーのゲーム内の行動ログデータを分析することで、 コンピューター対戦のバランス調整の精度を向上させることを目的に行った。
本研究においてSBクラウドは、 機械学習のシステム基盤として、 GPUを搭載した仮想サーバーサービス「Elastic Compute Service(ECS)」と、 ビッグデータ処理プラットフォーム「MaxCompute」を提供している。
※1 2020年8月にリニューアルされ、 現在は『ドラゴンクエストライバルズ エース』として配信中。 この研究はリニューアル前に実施したもの。 現在 『ドラゴンクエストライバルズ エース』に実装されているAIとは異なる。
■ 共同研究の 背景と 概要
カードゲームのコンピューター対戦において、 これに特化した強力なAIの実装を想定する場合、 AIが対戦相手(ユーザー)の行動を予想して最適なカードを選択するには、 まずは対戦相手のデッキ※2を予測する必要がある。
デッキの予測にはデータの分析が伴い、 ゲームの運営には膨大な量のデータが取り扱われるため、 適切な分析手法の選定と、 データを高速に処理できる環境を用意することが重要。
そこでSBクラウドとスクウェア・エニックスは、 機械学習に最適なAlibaba Cloudのプロダクトを活用し、 『ドラゴンクエストライバルズ』のデータ分析を行う共同研究を実施した。
本研究では、 過去に収集したユーザーのゲーム内の行動ログデータを機械学習を用いて分析し、 流行しているデッキやカード、 どの行動が勝利に貢献したかなどの推論を行った。
※2 デッキとは、 プレイヤーがゲームをするために用意するカードのセットのこと。
■ 共同研究の結果
データ分析の結果、 カードごとの利用状況を可視化すること、 この結果を基にカードの組み合わせを改善することで、 コンピューター対戦のバランス調整の精度向上への活用が期待される。
なお、 本研究に関するスクウェア・エニックスの淡路滋氏へのインタビュー記事を下記のページに掲載している。
https://www.sbcloud.co.jp/entry/case/sqex
■ 活用している Alibaba Cloud の プロダクトについて
本研究における機械学習を活用したデータ分析は、 Alibaba Cloudのプロダクトである、 主にNVIDIA GPUを搭載した仮想サーバーサービス「Elastic Compute Service(ECS)」と、 ビッグデータ処理プラットフォーム「MaxCompute」を利用して行われた。
「MaxCompute」は、 ペタバイト(PB)級の大容量のデータの処理および保存に対応した、 高速なデータウエアハウスソリューションです。 さまざまなデータの連携ができるソリューションを利用可能な他、 分散コンピューティング処理をベースにした効率的なデータ処理により、 大規模なデータセットへの照会・検索処理が可能。
https://www.alibabacloud.com/ja/product/maxcompute
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)