ラディウス・ファイブは、写真から漫画やアニメ、デザイン素材向けの線画を生成するAI「Line Drawer(ラインドロワー)」をAIプラットフォーム「cre8tiveAI(クリエイティブAI)」にて公開した。
今回、リリースされた「Line Drawer」は、漫画制作の課題を元に研究・開発を行ったAIとなる。一般的に漫画の制作では背景や挿絵のクオリティが漫画のクオリティに大きく影響する。背景や挿絵の制作は、イメージしている絵を一から書き起こしたり、写真から必要な線だけをトレースしたり、3Dモデルで空間を作って線画に変換するなどの手法で制作されているが、いずれも時間のかかる作業となっている。
売れっ子の漫画家の方には多数のアシスタントがいるために、どのような手法を使ってもクオリティの高い背景や挿絵を制作することできるが、アシスタントを付けていない漫画家や個人で漫画を描いている場合は、人物描写から背景・挿絵に至るまですべてを一人で担当しなければならない。締め切りがある中で、クオリティの高い背景・挿絵を制作することは大きな負担になっている。
「Line Drawer」では、誰でも簡単に短時間で線画をGETすることができる。画像をアップロードして1分程度待てば、6種類の線画をAIが生成してくれる。このAIによって、背景制作の時間を大幅に短縮することが可能となる。
<「Line Drawer」の3つの特徴>
(1) 一度に6種類の線画をダウンロード可能
「Line Drawer」では、一度のAIによる処理実行で6種類の線画を生成する。一般的に、アップロードされる画像の種類によって、ある手法ではうまくいくが別の手法ではうまくいかないなど、線画の生成の精度にばらつきが発生する。「Line Drawer」では、6種類の手法で結果を出す仕様になっており、アップロードされた画像がいずれかの手法にうまくマッチすれば良いという考え方で作られているため、良い結果を得られやすくなっている。また、漫画に利用しやすいような背景だけではく、版画風や点描風の線画も生成するので、用途に合わせてAIを利用することができる。
(2) 1分程度で線画を生成
一般的に、「Line Drawer」で生成するような線画をデザイナーが制作する場合、写真をトレースして必要な線だけを自分の手で描く必要があるため、どの写真を線画にしたいのか次第だが、1時間から数時間程度の時間がかかることが想定される。「Line Drawer」では、ドラッグアンドドロップして1分程度待つだけで写真やイラストが映像に変換される。PCやスマホを利用するスキルがあれば誰でも写真から線画を生成を作ることができる。
(3) 圧倒的なコストパフォーマンス
線画の制作をアウトソースすると一般的には数万円といった予算が必要となる。「Line Drawer」では、月額費用が発生しないエントリープランの場合、480円で線画を生成することができる。サブスクリプションに加入している場合は、10クレジットで利用することができ、ライトプランで実質199円、プロプランで実質99円、メガプランで実質80円で利用することができるため、アウトソースと比較すると圧倒的にコストパフォーマンスが高くなる。
※サブスクリプションでは、各プランごとに毎月の支払金額と付与されるクレジットの量が異なるため、実質的な金額が変わる(上位プランに加入するほどボリュームディスカウントがある)。
<「Line Drawer」の概要>
・技術について
「Line Drawer」は独自のAI技術(Deep Learning)を用いて開発したサービス。画像の特徴から線として残すにふさわしい線を残し、1枚の線画に変換する。複数の線の残し方を選べるよう、6パターンの線画を同時に出力する。
・線画の仕様について
動画の種類:6種類(選択不要で、すべてダウンロードできる)
解像度:基本的に入力画像と同じ解像度で出力される。ただし、各プランの上限を超えたサイズの場合はプランの上限サイズまで縮小される。
アスペクト比:入力画像と同じアスペクト比
出力ファイル形式:PNG
入力ファイル形式:JPG、PNG、HEIC
アップロードできる画像の種類:写真、イラスト
・Line Drawer で生成した線画例