所有権はない! 関弁護士が語った「知財・契約の観点から見たNFTマーケットプレイスの課題と未来」とは…「ユニマ」事業戦略説明会レポート3



モバイルファクトリー<3912>は、7月6日、NFT総合マーケットプレイス「ユニマ」事業戦略説明会を開催した。

説明会では、NFT総合マーケットプレイス「ユニマ」の説明や概要と共に、関真也法律事務所代表でニューヨーク州弁護士でもある関真也(せきまさや)氏による「知的財産権・契約の観点から見たNFTマーケットプレイスの課題と未来」と題したNFTの法的な面について説明があった。

本稿では知的財産分野を専門に活躍する関弁護士が語った「NFTを所有すると何ができるのか、何がNGなのか。ユーザーやプラットフォームに期待することに」ついて語られた内容をお届けする。

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出品者と購入者




NFT購入した際の実際の権利については、非常にわかりにくい。車などの有体物とは異なり、NFTはあくまでもデジタルデータだ。そのため、公開、売却、複製などの権利が購入者にあるかと言われれば、それはNFT購入時の合意の内容(契約の内容)によるのだという。



購入者からすれば「買ったんだから自由に使えるのでは?」と考えがちだ。例えば車を購入した際には、その所有権が手に入る。勝った車がいつでも自由に使うことができる。車は購入しても貸してもいい。何だったら破壊してもよい。それもこれも車の購入した際の所有権が自身にあるためだ。所有権はものに対する使用権限や処分権限が生まれるということだ。

一方でNFTでは事情が異なる。NFTには所有権がないと関弁護士は説明する。なぜか。それは所有権は、ものに与えられる権利というのがその答えとなる。「もの」というは法律上定義されており、有体物としている。実世界の中で空間を一部占めるものが有体物だ。

NFT(正確に言うとNFT化されたデジタルコンテンツ)は、ネットワーク上で取引されるデータとなる。空間を占めていないので「もの」ではないため、所有権の対象にはならないということだ。




そのためNFTを購入したからと言って、自由の利用できるはイコールにはならない。そのため、

「複製してもいいか?」 - 駄目

「公開してもいいか」-場合によっては駄目

など、著作権も絡んでなかなか購入者の自由にはいかないようになっている。

それもNFTとして取引されるものは、絵画や書籍、キャラクターカードなど、その多くは創作的な表現物として著作権で保護されているためだ。



そのため購入者は所有権という積極的な権利はなく、その上で出品者や著作権者から著作権で制限を受ける状態にある。


▲NFTの更に詳しいNG内容は上記のとおり。原則としては著作権に抵触するのだという。一番上の例では、絵画が物体であれば所有者の権限で可能だが、デジタルコンテンツ上ではNGとなる。3番目の例では公衆送信にあたり、著作権上保護される権利に抵触する。

さてここまでNGの理由を多く並べてきたが、購入者の権利がかなり厳しいように見える。実際に購入者にどのよう権利が得られるのかが次のポイントとなる。結論としては著作権者の利用許諾を得るということだ。許諾を得てしまえば、その範囲内で購入者は利用することができる。

では実際にはどうすればよいか、それが冒頭にも説明した合意の内容(契約内容)にかかってくるわけだ。デジタルコンテンツを扱う企業などでは、契約時には様々な取り決めを行っている。

例えば利用できる範囲であれば、展示してもいいのか、ネットでの配信は可能か、放送できるのか、売却は?といった内容だ。もちろん地域や期間といった点においても含まれている。

また特徴的なことで言えば、その契約は独占的なのか、非独占的なのかどうかだ。NFTで言えば、マーケットプレイでの購入時にそれが非独占的な契約であれば、他の人に同じコンテンツを利用して良いということも可能になる。その上、契約にその内容がはっきりと記載されていない場合は、原則的に非独占的な契約になるのだという。

大金叩いて、購入したNFTコンテンツが独占的な内容であるのかと思っていても、「実際にはそんな権利はなかった」ということがあり得るわけだ。



関弁護士は「これからNFTマーケットプレイスに出品しようとするアーティストやクリエイターは、デジタルコンテンツの権利は何かをしっかり理解する必要がある」と話し、「デジタルコンテンツビジネスのプロフェッショナルのように知識を身につけ、それにあわせた振る舞いが必要だ」と続けた。またNFTはそれを加速する存在になるという。

そのためマーケットプレイスに出品する際には、どの範囲で利用されるのか考慮して、的確に言葉で表現する必要があるとした。そのいっぽう購入者は、どの範囲の権利が得られるのか。表示された権利と表示されていないが適用される非独占的な権利などを理解し、判断した上での購入することになる。デジタルコンテンツでは、権利の内容を確認することが、金額の支払いに大きく影響するのが大きなポイントの一つとなる。



これまでの話を考慮すると非常に敷居が高く感じただろう。そんな背景から関弁護士は、NFTマーケットプレイスの求める役割として以下の3点を上げた。

・ユーザーの知識・経験等を補完するサービス・仕組みを提供すること

・利用範囲・条件を明確にプラットフォーム上に提示する仕組みを提供すること

・提示された利用範囲・条件等が出版社・購入間の合意の内容になると法的に評価される仕組みを提供すること

この3点を今後NFTプラットフォームのあり方として期待しているそうだ。出品者側が、自分の許諾を容易にわかりやすく理解した上で出品し、その内容を購入側がプラットフォームを通して購入する。そしてそこに至るまでの機能やノウハウを提供するのが望ましいのだという。

関弁護士は最後に、「ユニマの機能は、こういった知的財産権や契約といった部分において、NFTマーケットプレイスに求められる役割を担っていこうとしているのではないか」と今回ユニマの説明会で感じたとして、発表を締めくくった。

 

株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高24億3700万円、営業利益7億3600万円、経常利益7億2200万円、四半期純利益5億1100万円(2017年12月期)
上場区分
東証1部
証券コード
3912
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