マノア・リノ、ゲームグラフィック制作のサンバードを買収

 システムエンジニアリングサービスのマノア・リノは、ゲームグラフィック制作のサンバードを買収したことを明らかにした。全株式を7月31日付で取得したとのこと。買収価額などについては非公開。

マノア・リノは取引先の7~8割がゲーム会社で、常駐型のシステム開発を行っている。一方、サンバードはフリーランスのクリエイター登録者約1700人を活用し、ゲームイラストやアニメーションを制作している。

マノア・リノとサンバードはM&Aにより顧客層を拡充することができ、ゲーム会社との一層の取引拡大を目指す。また、ゲーム開発で他社と差別化することが可能になるほか、フリーランスから正社員へ、正社員からフリーランスへと多様な働き方を提案できるようになる。

コロナ禍でゲームの需要が高まり、総じてゲーム会社の業績は好調に推移している。東京五輪の入場行進にゲームサウンドが使用したことで、よりゲーム需要が高まると思われ、足もとのシステムエンジニアリングサービスは当面、好調を持続するとみられている。

中長期的な成長持続を図るため、マノア・リノは「自社開発できる体制の構築、経営多角化による採用強化が欠かせない」(武井代表取締役)と考えているという。一方、サンバードは現在2Dの制作をメインとしているが、今後3Dの分野に幅を広げて業務を拡大する中で人材確保が重要と位置付けており、両者の考えが合致したとのこと。

サンバードは現在デザイナー、ディレクター約10人の体制でフリーランスのクリエイター登録者をディレクションしている。一方、マノア・リノはエンジニア、クリエイターを含め社員、フリーランス、協力会社の計百数十人が取引先に常駐している。

今後はサンバードのフリーランスのクリエイター登録者を正社員として雇用するなど、多様な働き方が可能になる。コロナ禍でリモート勤務はもちろん、自宅以外で働くワーケーションなども広がっており、多様な働き方が可能なことは企業価値を向上させる、としている。

マノア・リノは、ザスパクサツ群馬やV・ファーレン長崎、福島ユナイテッドFCなどで活躍した元Jリーガーの田中翔太氏が経営陣に入り、プロスポーツ選手向けセカンドキャリア支援事業も展開している。

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