ドリコム<3793>は、この日(10月28日)、2022年3月期の9月中間期(2021年4~9月)の決算説明会(オンライン開催)において、自社IP開発の一環として出版事業部を立ち上げ、そのなかでも「Webtoon」に注力する考えを示した。
「Webtoon」は、韓国発のデジタルコミックの一種で、オールカラー・縦スクロールで読み進めるマンガの形式だ。
国内では「ピッコマ」がいち早く導入し、リリースからの類型化金額が10億ドル(1100億円)に到達したと発表したほか、国内でもアカツキ「Webtoon」専門会社に創業出資するなど注目を集めているジャンルだ。
内藤裕紀社長は、サービスの特性としてソーシャルゲームと類似点があるとの見方を示したうえで、市場の状況も業界の黎明期に似ているとし、その時の経験やノウハウが活かせると考えたという。
氏によると、縦スクロールが特徴と見られがちだが、一定のまとまった時間が必要なマンガに比べ、1コマに描く情報を抑えて1話完結でテンポよく読めるため、移動中などスキマ時間に入りやすい点に特徴がある。
かつて遊ぶのに一定の時間が必要だった家庭用ゲームが主流だった市場で、携帯電話でスキマ時間で手軽に楽しめるソーシャルゲームが大流行しゲーム市場の拡大に貢献したが、この意味で類似性がある。
現在、「Webtoon」の人気作品の多くは、韓国で配信された人気作品をローカライズしたものとなっているが、日本国内で描かれた作品が徐々に増えていくことになるだろう。
唯一異なるのは、ユーザーのお金の使い方だ。ガチャなどは存在しないものの、例えば8巻まで読んだら9巻、10巻まで継続的にお金を払って読む確率が高い、といった点で異なっているという。
市場の可能性も大いに感じているそうだ。韓国における「Webtoon」市場は20年に1000億円規模に成長したが、日本はゲーム市場で韓国の2倍であることを考えると、国内の「Webtoon」市場も大きく育つ可能性があるという。
なお、IPとして育てたあと、アニメやゲームなどのメディアミックス展開を行うことでIPの最大化を図っていく考えだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793