【決算レポート】オルトプラス、21年9月期は過去最高売上も新作開発費で赤字幅拡大 BLCサッカーゲームやオンラインクレーンゲームなど開発中 開示に工夫も求めたい
オルトプラス<3672>の2021年9月通期の連結決算は、売上高72億9100万円(前の期比22.5%増)、営業損失5億5400万円(前の期は2億9200万円)、経常損失3億4800万円(同1億9800万円)、最終損失3億8800万円(同1億3900万円)と増収・赤字幅拡大となった。
・売上高:72億9100万円(同22.5%増)
・営業損失:5億5400万円(同2億9200万円)
・経常損失:3億4800万円(同1億9800万円)
・最終損失:3億8800万円(同1億3900万円)
同社では、アイディアファクトリープラスやモブキャストプラス(現OneSports)、アクセルマークから取得したゲーム事業が貢献し、過去最高の売上を記録したものの、複数の新規開発ラインの開発など先行投資を行ったため、としている。
開発中の新作については、受託案件を除いて資産計上せず、費用処理を行っているそうだ。このため、「売上ゼロの開発中タイトルに係る一切のコストが即時計上され、当該期が費用過多に見えやすい構造」になっているという。
ただ、既存タイトルの運営だけでどの程度の利益が出ていたのかがわかりづらい。数字を開示しなくてもいいので、グラフなどで示すと投資家にも安心感がでてくると思われる。前期の第3四半期決算発表時に「恒常的な黒字体制の構築を完了」と記載していたのだから。
▲2020年9月期の第3四半期決算の説明資料より。
このほか、営業損失に比べて経常損失が小さくなっているが、協業タイトルの広告協力金収入2億0400万円を営業外収益として計上したことによる。協業タイトルに関して、協業先が負担した広告宣伝費を計上しているそうだ。
なお、現在開発を進めている案件は以下のとおり。
・Jリーグオフィシャルライセンス ブロックチェーン:OneSportsとアクセルマークと共同で展開するブロックチェーンサッカーゲーム
・メジャースポーツゲームサッカーゲーム:パートナー企業と開発中
・オンラインクレーンゲーム:DMM.comとの合弁で、持分法適用会社DMMオンクレで開発中
・モバイルゲーム:大手デジタルエンターテインメント企業からの受託開発案件
なお、2022年9月期の業績見通しは非開示とした。その理由について、現時点で合理的な業績予想の算定ができないため、としている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社オルトプラス
- 設立
- 2010年5月
- 代表者
- 代表取締役CEO 石井 武
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高43億8700万円、営業損益5億5600万円の赤字、経常損益5億2200万円の赤字、最終損益4億2000万円の赤字(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3672