【決算まとめ②】ゲーム関連企業35社の7-9月…営業赤字計上企業は8社に ブシロードは前四半期赤字から一転最高益 enishは4四半期ぶりの営業赤字計上
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主要モバイルゲーム企業の2021年7~9月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。
この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の35社中、8社となった。前四半期は7社で1社増となる。前四半期の赤字から黒字に転換したのはKLab<3656>とブシロード<7803>の2社となる。KLabは、前四半期まで3四半期連続の営業赤字が続いていたが、『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』や『BLEACH Brave Souls』など複数タイトルで周年キャンペーンを実施したことで営業黒字を確保したものの、今期3度目となる通期予想の下方修正を実施するなど依然として厳しい状況にあるのは否めないところ。
一方、ブシロードは、TCG(トレーディングカードゲーム)部門の「ヴァイスシュヴァルツ」が業績をけん引する形となり、売上高、利益とも四半期ベースで過去最高を記録した。ゲーム部門については、『バンドリ! ガールズバンドパーティ!for Nintendo Switch』の発売により、コンソールゲームへの本格参入を果たしており、今後の動向も注目されるところだ。
半面、前四半期の黒字から赤字となったのは、ボルテージ<3639>とenish<3667>、アピリッツ<4174>の3社となる。ボルテージは、主力の女性向けゲームが国内、海外向けともに売上を落としたことに加え、「収益認識に関する会計基準」の適用で売上と費用の発生時期に従来と比べてラグが生じることが影響した格好だ。
enishは、4四半期ぶりの営業赤字計上となった。『欅のキセキ/日向のアユミ 』と『HiGH&LOW THE GAME ANOTHER WORLD』のサービス終了による売上の減少に加え、9月2日リリースの『彼女、お借りします ヒロインオールスターズ』(以下『かのぱず』)と事前登録を実施中の新作『進撃の巨人Brave Order』の外注費など新作開発費用が増加したことが利益面を圧迫した。『かのぱず』の初動が想定を下回っていることも懸念材料であり、次の四半期にどこまでばん回することができるのか、その推移を見守る必要があるだろう。
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会社情報
- 会社名
- KLab株式会社
- 設立
- 2000年8月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3656
会社情報
- 会社名
- 株式会社ボルテージ
- 設立
- 1999年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 津谷 祐司
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高34億5600万円、営業損益9400万円の赤字、経常利益1500万円、最終利益500万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3639
会社情報
- 会社名
- 株式会社enish
- 設立
- 2009年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 安徳 孝平
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3667
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803