【決算まとめ②】ゲーム関連企業36社の25年4~6月期決算は営業赤字計上企業が10社に増加 営業黒字転換は1社 アカツキは新作『怪獣8号 THE GAME』での復調に期待も

主要モバイルゲーム企業の2025年4~6月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期に大きく減少した営業赤字計上企業についてを取り上げたい。
この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の36社中、10社となった。前四半期は4社まで減少していたが大きく増加した格好だ。もともとの季節性はあるとはいえ、企業の構造改革などが進み、収益性が大きく改善してきた一方で、それを上回るコストの増加などインフレ経済への転換が社会的に進みつつあることが影響している可能性もありそうだ。
なお、この四半期は1社が営業黒字転換を果たした一方で、7社が営業赤字に転落した。営業黒字転換を果たしたのはエイチームHD<3662>で、赤字転落したのはコロプラ<3668>とドリコム<3793>、アカツキ<3932>、coly<4175>、ワンダープラネット<4199>、イマジニア<4644>、セガサミーHD<6460>となる。
エイチームHDは、デジタルマーケティング事業とエンターテインメント事業の利益確保を優先した事業運営により、利益率が大きく改善した。また、2025年7月31日時点でプライム市場の上場維持基準にすべて適合したことも明らかにしており、前四半期の赤字転落はあくまで一過性のもとのいう考え方で良さそうだ。
やや心配なのはアカツキだろう。運営タイトルを絞った影響で、バンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の周年サイクルによる業績への影響がより顕著に出やすい事業構造となっているようだ。この四半期は『ドッカンバトル』の周年の反動が出たことに加え、開発中の新作『怪獣8号 THE GAME』の開発負担も大きく影響した。ただし、その新作『怪獣8号 THE GAME』がストアセールスランキングでトップ30入りを果たすなど好調なスタートを切っており、次の四半期以降の業績に貢献してくれば、1つの転機を迎える可能性もありそうだ。

会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチームホールディングス
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益8億4500万円、経常利益15億8500万円、最終利益10億3600万円(2025年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662
会社情報
- 会社名
- 株式会社アカツキ
- 設立
- 2010年6月
- 代表者
- 代表取締役CEO 香田 哲朗
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高236億5200万円、営業利益39億1500万円、経常利益42億3300万円、最終利益16億4600万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3932