ボルテージ、Voltage Entertainment USAを解散　減損損失や関係会社整理損などで7200万円の特損計上　役員報酬減額、新株予約権も消却

ボルテージ<3639>は、海外子会社であるVoltage Entertainment USAを解散及び清算すると発表した。これに伴い、減損損失・関係会社整理損・関係会社整理損失引当金繰入額合わせて7200万円を特別損失として計上する予定。さらに経営責任をとって役員報酬の減額も行うほか、役員や従業員を対象に割り当てた第9回新株予約権を無償取得し消却することも決定した。

同社は、2011年から英語翻訳版タイトルの提供を開始し、2012年に北米市場への事業展開強化のため、米国サンフランシスコに子会社 Voltage Entertainment USA(SF スタジオ)を設立した。

SFスタジオでは、北米ユーザー向けのオリジナルタイトルの制作を行い、特に2017年3月に配信開始した「Lovestruck Choose Your Romance」の拡大により黒字化を達成し、本社恵比寿スタジオが提供する翻訳版タイトルとの2軸展開で、同社グループの英語女性向けタイトルは順調に拡大してきた。

しかし、2020年中盤以降、SFスタジオでコンテンツ制作力が低下したこと、本年6月にローンチした「Noir Adventure & Romance」が不発だったことにより業績が悪化し、回復施策を実行してきたものの、現状では本格的な復調は見えていない。

さらに、直近の米国女性向けゲーム市場の成長停滞やシリコンバレーにおける人件費等の高騰が続いており、今後の業績回復の見込みが厳しい状況になっているという。

直近の同社グループ業績や、海外拠点維持に係るコストを踏まえ検討した結果、経営資源をより効率的に配分するため、今回の決定に至った、としている。今後、米国の諸法制に従って必要な手続きを進め、それが完了次第、2022年中に清算する。

なお、役員報酬の減額は2022年1月から2022年8月までの8ヶ月間となる。

代表取締役社長 津谷 祐司氏 ：月額報酬の30%
取締役副社長 東(津谷) 奈々子氏 ：月額報酬の20%
取締役 松永 浩氏 ：月額報酬の10%
取締役 加藤 慶太氏 ：月額報酬の10%
取締役 玉井 謙介氏 ：月額報酬の10%
監査等委員である取締役(3名全員) ：月額報酬の5%

第9回新株予約権の消却に伴い、2025年6月期までに発生する予定だった株式報酬費用539万円が発生しないことになった。2022年6月期は262万円の発生を見込んでいた。