東宝、第3四半期決算は営業益64%増の281億円…「呪術廻戦」や「ヒロアカ」「ウマ娘」などアニメ作品が多面展開で貢献 東宝配給作品も好調

東宝<9602>は、この日(1月12日)、2022年2月期の第3四半期(21年3~11月)の連結決算を発表し、売上高1686億2000万円(前年同期比22.3%増)、営業利益281億7600万円(同64.0%増)、経常利益299億4600万円(同64.5%増)、最終利益201億6400万円(同79.6%増)と大幅増益を達成した。

・売上高:1686億2000万円(同22.3%増)
・営業利益:281億7600万円(同64.0%増)
・経常利益:299億4600万円(同64.5%増)
・最終利益:201億6400万円(同79.6%増)

 緊急事態宣言により映画館や商業施設等の臨時休業・営業時間の短縮や座席販売の制限、演劇公演の中止・一部公演チケット販売の停止等をしたが、一方で東宝配給作品の大ヒットやアニメーションレーベル「TOHO animation」作品が業績に寄与した。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置の適用を受けた雇用調整助成金及び国や地方自治体等からの助成金等を「助成金収入」として特別利益に、劇場や商業施設等の臨時休業期間中の人件費・借家料・減価償却費等ならびに中止した演劇公演に係る製作費等を「臨時休業による損失」として特別損失に計上している。

セグメントごとの経営成績は以下のとおり。

■映画事業
映画営業事業では、東宝において、共同製作や配給した作品のうち、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「名探偵コナン 緋色の弾丸」「竜とそばかすの姫」「マスカレード・ナイト」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIEワールド ヒーローズ ミッション」が大ヒットを記録したほか、東宝・東和ピクチャーズとの共同配給において「映画 モンスターハンター」や東宝東和において「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」等を配給した。これらの結果、映画営業事業の営業収入は296億3600万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は69億8600万円(同15.2%増)となった。

 なお、東宝における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(25億1400万円、前年同期比3.4%増)控除前で338億8800万円(同3.0%減)であり、その内訳は、国内配給収入が261億5500万円(同5.5%減)、製作出資に対する受取配分金収入が8億7400万円(同64.9%増)、輸出収入が24億2200万円(同76.5%増)、テレビ放映収入が6億5500万円(同35.4%減)、ビデオ収入が3億4200万円(同66.5%減)、配信その他の収入が34億3900万円(同3.8%増)だった。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(億8100万円、前年同期比86.1%減)控除前で5億4000万円(同36.3%減)だった。

映画興行事業では、TOHOシネマズ等において、緊急事態宣言により東京・大阪等での休館・営業時間短縮や座席販売の制限等を実施し、緊急事態宣言解除後も公開予定作品の延期やリバウンド防止措置対応など引き続き厳しい状況にあったが、上記配給作品がヒットしたことや、前年同期に比べ劇場の休館等の制約期間が短くなったこともあり、増収となった。これらの結果、第3四半期累計における映画館入場者数は2100万人と前年同期比20.7%の増加となった。映画興行事業の営業収入は409億5800万円(前年同期比27.6%増)、営業利益は4億8800万円(前年同期は12億3500万円の営業損失)となった。

なお、第3四半期累計中の劇場の異動は、TOHOシネマズが11月17日に大阪府松原市「TOHOシネマズセブンパーク天美」(10スクリーン)をオープンした。これにより当企業集団の経営するスクリーン数は全国で10スクリーン増の712スクリーンとなっている。

映像事業では、TOHO animationレーベルの作品が各種事業において好調に推移した。パッケージ事業において、Blu-ray、DVDでTVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」が好調なセールスとなった他、TVアニメ「呪術廻戦」、映画「ゴジラvsコング」等を提供した。アニメ製作事業では、TVアニメ「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「ゴジラ S.P〈シンギュラポイント〉」等の作品に加え、映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」に製作出資し、商品化権収入をはじめとした各種配分金収入により増収となった。


▲第4四半期に計上される「劇場版 呪術廻戦0」の興行成績も好調だ。


出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて映画「名探偵コナン 緋色の弾丸」、TVアニメ「呪術廻戦」、映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールドヒーローズ ミッション」の販売が伸長した。TOHOスタジオでは、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、順調に稼働した。東宝映像美術及び東宝舞台では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務に関して、一部持ち直しの兆しがみえたものの、依然として厳しい状況にあった。これらの結果、映像事業の営業収入は362億7000万円(前年同期比67.4%増)、営業利益は88億5300万円(同196.8%増)となった。

なお、東宝における映像事業部門の収入は、内部振替額(63億8600万円、前年同期比103.7%増)控除前で351億1900万円(同74.2%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が102億9700万円(同64.9%増)、出版・商品事業収入が27億5100万円(同27.1%減)、アニメ製作事業収入が205億9200万円(同137.3%増)、実写製作事業収入が7億6900万円(同25.5%減)、ODS事業収入が4億8200万円(同12.9%増)、その他の収入が2億2500万円(前年同期に比べ2億2500万円増)だった。

以上の結果、映画事業全体では、営業収入は1068億6500万円(前年同期比29.9%増)、営業利益は163億2800万円(同109.0%増)となった。

■演劇事業
演劇事業では、緊急事態宣言が発出され、公演の中止や公演チケット販売の停止・払い戻し対応等を行った。緊急事態宣言の解除後も感染症予防対策に努め公演を行った。

東宝の帝国劇場で「Endless SHOCK -Eternal-」「モーツァルト!」「レ・ミゼラブル」「王家の紋章」「DREAM BOYS」「ナイツ・テイル―騎士物語―」「マイ・フェア・レディ」を上演、シアタークリエでは「GHOST」「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」「CLUB SEVEN ZERO Ⅲ」「SHOW BOY」「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」「ドッグファイト」「VOICARION XIII~女王がいた客室~」「Home,I'm Darling~愛しのマイホーム~」「GREASE」等を上演し、その他全国へと社外公演を行った。

また、東京建物 Brillia HALLで「マドモアゼル・モーツァルト」を上演したなど、前年同期に比べ公演数の増加により、大幅増収となった。東宝芸能では、所属俳優がCM出演等で好調に推移した。以上の結果、演劇事業の営業収入は119億0400万円(前年同期比148.3%増)、営業利益は24億5500万円(同10億4300万円の営業損失)となった。

なお、東宝における演劇事業部門の収入は、内部振替額(1億6000万円、前年同期比20.4%増)控除前で104億4400万円(同187.8%増)であり、その内訳は、興行収入が79億6000万円(同155.2%増)、外部公演収入が23億2400万円(同494.1%増)、その他の収入が1億5900万円(同34.6%増)だった。

■不動産事業
不動産賃貸事業では、オフィス環境の変化や商業施設の休館等で、引き続き厳しい状況下にあった。企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率については、0.3%台で推移したが、一時的なテナントの入れ替え等もあり減収となった。不動産賃貸事業の営業収入は202億7300万円(前年同期比3.9%減)、営業利益は87億6800万円(同8.8%減)となった。なお、東宝が2021年11月1日を効力発生日として、連結子会社の萬活土地起業を吸収合併した。

企業集団の固定資産の含み益については、2021年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約3461億円となっている。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うもの。)

なお、東宝における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(5億9100万円、前年同期比3.6%減)控除前で216億4500万円(同2.8%減)だった。

道路事業では、老朽化によるインフラ整備をはじめとする公共投資が堅調に推移するなか、スバル興業と同社の連結子会社が、技術提案等を通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注に努めたが、労務費・資機材価格の上昇傾向が継続する等、依然として予断を許さない状況が続いた。その結果、道路事業の営業収入は203億2400万円(前年同期比1.0%減)、営業利益は29億7200万円(同10.5%減)となった。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理及び東宝ファシリティーズにおいて、ホテルや劇場等、商業施設の稼働率の改善による受注増加や経費削減に努めた。その結果、営業収入は72億8800万円(前年同期比1.4%増)、営業利益は5億4100万円(同16.9%増)となった。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は478億8500万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は122億8300万円(同8.3%減)となった。

■その他事業
娯楽事業及び物販・飲食事業では、東宝共榮企業の「東宝調布スポーツパーク」において利用者数が増加傾向にあり、好調に推移した。TOHOリテールの飲食店舗・劇場売店等においては、外食需要の厳しい状況が続き、休業や店舗の閉店をした。その結果、その他事業の営業収入は19億6500万円(前年同期比0.1%増)、営業損益は3500万円の損失(同2億3200万円の営業損失)となった。


■2022年2月通期の見通し
続く2022年2月通期の業績については、売上高2260億円(前期比17.7%増)、営業利益380億円(同69.3%増)、経常利益400億円(同65.3%増)、最終利益260億円(同77.0%増)を見込む。

・売上高:2260億円(同17.7%増)
・営業利益:380億円(同69.3%増)
・経常利益:400億円(同65.3%増)
・最終利益:260億円(同77.0%増)

計画に対する進捗率は、売上高74.6%、営業利益74.1%、経常利益74.9%、最終利益77.6%となっている。

・売上高:74.6%
・営業利益:74.1%
・経常利益:74.9%
・最終利益:77.6%

東宝株式会社
https://www.toho.co.jp/

会社情報

会社名
東宝株式会社
設立
1932年8月
代表者
代表取締役社長 社長執行役員 島谷 能成
決算期
2月
上場区分
東証一部
証券コード
9602
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