バンナムメタバース第1弾はガンダム、KONAMIがドラキュラNFTで1800万円の売上、遊んで稼ぐP2E参入企業も…各ゲーム会社の新規取り組みとは
21年10月〜12月の決算が出揃った。この中ではブロックチェーン/NFTやメタバースといった分野での報告も目立ち、新たに参入を発表した企業も登場するなど、2021年に火がついたNFTや、メタバースと名を変えて登場したVRXR領域へのサービスが形がいよいよ見え始めてきている。またPlay to Earn(P2E)と呼ばれるゲームで遊び稼ぐモデルへの参入企業モア新たに登場した。
本稿ではゲーム会社が決算で明らかにしたブロックチェーン/NFTやメタバース領域での取り組み内容をベースに、その後の新情報などを加えてお伝えする。
■バンナムのメタバース第1弾はガンダム、
KONAMIがドラキュラNFTで1800万円の売上、
スクエニは「The Sandbox」にゲームを提供
バンナム、IPとファンがつながる「IPメタバース」を発表
バンダイナムコホールディングス<7832>は、中期経営計画(2022年4月~2025年3月)のなかでバンダイナムコがIP(知的財産権)を軸にファンに寄り添う新しい仕組みとしてIPごとのメタバースを開発することを明らかにした。総額で150億円を投じるとのこと。
「IPメタバース」 は、 仮想空間の中で、 IPを軸に幅広いエンターテインメントを楽しむことができるほか、フィジカルな商品や場とデジタルが融合するバンダイナムコならではの仕組みを想定しており、ファンやパートナー がつながるための場を提供するオープンなものを目指す、としている。
メタバース第1弾はガンダムをテーマにした世界。メタバース内は、宇宙コロニーを舞台にしており、ゲーム、アニメ、ガンプラなど様々な情報が得られる。また自らがアバターに扮することも可能となっている。
カプコンはメタバース早期参入による先行利益には否定的
カプコン<9697>は、第3四半期の決算説明会(カンファレンスコール)で、メタバースへの取り組みについて質問を受けると、「先行して取り組むメリット以上に、高いクオリティのコンテンツを提供することが重要であると考えている」と回答し、市場への早期参入による先行者利益の追求に否定的な見方を示している。同社の魅力を発揮できるコンテンツの創出に向け、今後研究の進捗を図るとともに対応を検討していくとのこと。
スクエニ、ブロックチェーンゲームの取組みを着々
以前よりスクウェア・エニックスは、ブロックチェーンゲームの注力を明言、新たな柱として育てるとしている。同領域での進捗に関しては、来年度以降の事業計画において説明できるよう進めているとのことだ。
同社は2021年10月、NFTデジタルカード「資産性ミリオンアーサー」を発売。今回の取り組みによって、当社コンテンツとの親和性の高さを認識できたため、実証実験フェーズは終了。事業化に向けた準備を進めている。
昨年11月の段階では、十分なノウハウを有していないため、人材採用を強力に推し進めるとともに、他社との提携も含め、ノウハウ獲得に向けた取り組みとゲーム開発を同時進行で進めてゆくと説明していた。
また3月1日にはNFTメタバースゲームの「The Sandbox」上に「ダンジョンシージ」を展開すると発表している。
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KONAMI、「悪魔城ドラキュラ」シリーズのNFTを1月に発売、総売上は1800万円に
コナミホールディングスは決算説明会の資料では新領域に関しては触れたれていないものの、2022年1月に「悪魔城ドラキュラ」シリーズのNFTをオークション形式で販売した。利用したNFTマーケットプレイスは世界最大級ともされる「Opensea」となる。
全14種のNFTアイテムの総売上は1800万円ほどとなった。また転売時の手数料も見込まれる。次の決算説明会での詳細が明らかになるのか期待したいところ。
https://opensea.io/collection/castlevania-35th-anniversary
23年のIEOを見据え、自社コインの拡大を狙うモバイルファクトリー
モバイルファクトリーの短期的な方針として、23年のIEO(暗号資産取引所へのコイン上場)を目指し、自社コイン経済圏への拡大を目指すとした。具体的には、「駅メモ!Our Rails」のユーザー規模の拡大、NFTプラットフォーム「ユニマ」の自社及び他社NFT企画の強化、同プラットフォームのSaaS事業での営業強化と3つの柱を打ち立てている。
ロードマップでは「駅メモ!Our Rails」でのPlay to Earn(プレイして稼ぐ)の検証を開始、今夏にDAUの増加を狙ってプロモーション を行う。2023年にIEO後にQYSコイン(自社ポイント)の実装を行っていくとしている。さらに2023年には海外の取引所での上場を目指す。
モバファク、23年のIEOを見据え自社コイン経済圏の拡大を狙う 「駅メモ!Our Rails」のPlay to Earn(プレイして稼ぐ)を2Q〜検証開始
DeNA、ブロックチェーンゲーム「PICKFIVE」を提供開始 NFTカードは2次流通も視野
ロックチェーン技術を⽤いて開発した、実際の試合で活躍する選⼿を予想して楽しむことができるカードゲーム「PICKFIVE(ピックファイブ)」の正式版の提供を開始した。
同タイトルは2021年4⽉に試験版として提供した、試合での各選⼿の実際のスタッツと連動したオンラインカードゲームに各種改修、2021-22シーズン版カードの追加、有料でのカード販売機能などを追加したもので、スマートフォンのブラウザ上で利⽤できる。
グリー、バーチャルライブ配信アプリ『REALITY』の機能強化
メタバース領域は、バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」の機能強化やコンテンツ拡充、グローバル展開を進め、また、広告・メディア領域において、メディア力の強化とユーザー基盤の拡大を進めた。メタバース領域は、バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」の機能強化やコンテンツ拡充、グローバル展開を進め、また、広告・メディア領域において、メディア力の強化とユーザー基盤の拡大を進めた。
特にプロモーションを含めたグローバル展開強化によって、北米のユーザー1 人あたりの売上が増加し、堅調に成長しているようだ。
コロプラ子会社の360Channel、Webメタバースシステムを提供開始
コロプラ<3668>グループの360Channelは、これまで培ったXR領域の技術、ノウハウを活用し、高品質な3D空間で、高い操作性を有する独自のWebメタバースシステムを開発し、提供を開始。本システムがスカパーJSATが提供する「バーチャルホークス春季キャンプ2022 in 宮崎」に採用されている。同社のXR/メタバースへの取り組みについて、子会ここを軸に展開していくようだ。
決算説明会で宮本貴志社長は「今後もXR/メタバース領域での取り組みを加速していく」としていた。
enishはNFTゲームに参入、HashPortとの連携プロジェクトを22年夏に
NFTゲーム(GameFi)への参入を決定し、HashPortの「HashGames」と連携したプロジェクト『De:Lithe Φ 』を2022年の夏に公開する予定だ。『De:Lithe Φ 』は、オンラインRPG『De:Lithe』をベースに、ブロックチェーン活用の新要素を追加した「Play to Earn」モデルのゲームとなっている。
ミクシィはDAZNとNFTマーケットプレイスを今春に提供
ミクシィ<2121>は、DAZNと今春にスポーツ特化型NFTマーケットプレイス「DAZN MOMENTS」を提供する。ミクシィとDAZNの提携は木村社長いわく「スポーツコンテンツのライセンスが豊富であり、ミクシィだけでは開拓できないことも可能になる」からだという。
次世代ブロックチェーン「Flow」を基盤にサービス構築していること、ユーザー同士でコンテンツを売買できるマーケットプレイス機能や、コミュニティとして楽しく集まれる場を作る予定であることなどが明らかになっている。次世代ブロックチェーン「Flow」を基盤にサービス構築していること、ユーザー同士でコンテンツを売買できるマーケットプレイス機能や、コミュニティとして楽しく集まれる場を作る予定であることなどが明らかになっている。
その一方で、NFT購入の際には暗号資産が必須になるのか、先日ミクシィが発表した統合プラットフォーム「MIXI M」との関係、他マーケットプレイスへの出庫などの点に関しては、まだ非公開とのことだ。
リリースは今春としており、さらなる詳細は改めて告知していくとのこと。
gumi、ゲームに特化したパブリックブロックチェーン「Oasys」に参加表明
umi<3903>の連結子会社でブロックチェーン事業を展開するgumi Cryptosは、Oasysが手掛けるゲームに特化したEVM互換※1パブリックブロックチェーン“Oasys”に、 初期バリデータ※2として参加予定と発表した。
Oasysを活用することで、 ブロックチェーンゲームのユーザーに対して取引手数料の無料化と取引処理の高速化が実現され、 快適なプレイ環境を提供することが可能。 また、 Oasysにおける合意形成アルゴリズムは、 PoS(Proof of Stake)方式が採用されており、 環境面にも十分に配慮されたものになっている。
今回、 Oasysチェーンの運営に、 国内大手ゲーム会社を中心とした複数の事業者が参加を予定している。
※1 EVM互換…EVMはEthereum Virtual Machineの略。 EVM互換性を持つことで、 チェーン上のトークンなどをEthereumなどのあらゆるEVMチェーン上で簡単に取引できるようになる。
※2 バリデータ…ブロックチェーンのネットワークに接続し、 チェーン上の取引が正しいかを検証するノード(コンピューター端末)またはその運営者のこと。 運営者は、 その貢献度等に応じた報酬が得られる仕組みとなっている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6700万円、営業利益248億2000万円、経常利益182億5000万円、最終利益51億6100万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高160億0900万円、営業利益4億4700万円、経常損益1900万円の赤字、最終利益4億4500万円(2023年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高754億4000万円、営業利益124億9800万円、経常利益130億8600万円、最終利益92億7800万円(2023年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
- 設立
- 2006年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 東尾 公彦/代表取締役社長 早川 英樹
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1940億1100万円、営業利益336億4700万円、経常利益348億9300万円、最終利益278億2800万円(2023年3月期)
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコエンターテインメント
- 設立
- 1955年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 宇田川 南欧
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2896億5700万円、営業利益442億3600万円、経常利益489億5100万円、最終利益352億5600万円(2023年3月期)
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1259億3000万円、営業利益508億1200万円、経常利益513億6900万円、最終利益367億3700万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社enish
- 設立
- 2009年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 安徳 孝平
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3667
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668
会社情報
- 会社名
- 株式会社モバイルファクトリー
- 設立
- 2001年10月
- 代表者
- 代表取締役 宮嶌 裕二
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3912