コナミG、第1四半期決算は売上高719億円と過去最高も事業利益は30.5%減の140億円に 新作の制作費償却や広宣費の負担、原材料費上昇で
コナミグループ<9766>は、本日(8月4日)、2023年3月期 第1四半期(22年4月~22年6月)の連結決算(IFRS)を発表し、売上高719億0500万円(前年同期比5.5%増)、事業利益140億9900万円(同30.5%減)、営業利益140億4000万円(同27.8%減)、最終利益114億3200万円(同16.3%減)だった。
・売上高:719億0500万円(同5.5%増)
・事業利益:140億9900万円(同30.5%減)
・営業利益:140億4000万円(同27.8%減)
・最終利益:114億3200万円(同16.3%減)
主力コンテンツの新作タイトルを順次投入したことにより売上高は第1四半期における過去最高を更新した。一方、利益面では、新作タイトル投入直後の制作費の償却やプロモーション費用の負担に加えて、原材料費上昇などによる影響があった。
(デジタルエンタテインメント事業)
売上高は508億円(同1.9%増)となり、事業利益は133億6100万円(同30.3%減)となった。
新しい取り組みとしては、家庭用ゲームに続き、「eFootball2022」のモバイル版を配信開始した。モバイル版においても次世代のサッカーゲームを創ることを目標に、遊び方の見直し、リアルなグラフィックの実現、競技性の追求を行い、世界中のユーザーから好評を得ている。また、家庭用ゲームでは「パワフルプロ野球」(パワプロ)シリーズ2年ぶりの新作となる「eBASEBALLパワフルプロ野球2022」を発売し、好調な出足となった。
継続した取り組みとしては、「プロ野球スピリッツA(エース)」ではイチロー氏とのコラボ施策が大きな反響を呼んだ。また、1月に配信を開始し大きな話題となった「遊戯王 マスターデュエル」において、リリース後初の新カード追加や継続したイベントの実施により、好調な推移となった。カードゲームにおいては、「遊戯王トレーディングカードゲーム」が前期からの好調を維持しており、グローバルで売上が伸長した。「遊戯王 マスターデュエル」をきっかけとして新しく触れられたユーザー、再び遊び始めたユーザーも加わり、遊戯王コンテンツ全体の盛り上がりが続いている。
eスポーツでは、「eFootball2022」の公式eスポーツ大会「eFootball Championship2022」を開催中。盛況だったeスポーツプロ選手が参加する「eFootball Championship Pro2022」に続き、すべてのプレーヤーが参加可能な「eFootball Championship Open2022」の予選も開始し、多くのユーザーにeスポーツの楽しさを訴求している。「遊戯王 デュエルリンクス」では、昨年に引き続き大規模オンライン大会となる「KCグランドトーナメント2022」の予選を行った。
なお、2022年に入り主力コンテンツの新作タイトルを順次投入したことによる制作費の償却やプロモーション費用の負担により第1四半期累計は減益となった。
(アミューズメント事業)
売上高は29億3000万円(同17.5%減)となり、事業利益は1億600万円(同66.2%減)となった。
アミューズメント施設向けビデオゲームでは、オンライン対戦型麻雀ゲーム「麻雀格闘倶楽部」シリーズが20年目の節目を迎え、新戦績評価システム「八卦指数(はっけしすう)」及び新たなランキングシステムを搭載した最新作「麻雀格闘倶楽部 Extreme(マージャンファイトクラブ エクストリーム)」が稼働を開始した。
また、アーケードゲームをPCやスマートフォンでいつでも楽しむことができるサービス「コナステ(KONAMI AMUSEMENT GAME STATION)」では、「春の新生活応援キャンペーン'22」と題して、特典のプレゼントや新しい機能・楽曲の追加を行うなど、様々な施策を実施したことにより、ユーザー数が増加している。
さらに、今年で2回目の開催となる音楽とeスポーツを融合させたプロリーグ「BEMANI PRO LEAGUE」では、昨年の競技タイトルである「beatmania IIDX」に加えて、「DanceDanceRevolution」、「SOUND VOLTEX」が新たな競技タイトルとなった。チームオーナーとして新たのに2社が加わった全8社で規模を拡大して開幕した。
なお、製品の投入時期の違いから減収減益となった。
(ゲーミング&システム事業)
売上高は76億9500万円(同22.2%増)となり、事業利益は8億2300万円(同10.1%減)となった。
スロットマシンでは、主力商品である「DIMENSION49(ディメンション フォーティーナイン)」の各種筐体の販売が好調であり、引き続き事業収益に貢献している。また、第20回ゲーミング&テクノロジーアワードでベストスロットマシンに選出され、パーティシペーション(レベニューシェア)専用筐体として市場に展開している「DIMENSION49J(ディメンション フォーティーナイン ジェー)」が、市場から高評価を得ている。
ゲーミングコンテンツでは、北米市場において、「Fortune Mint(フォーチュン ミント)」が高稼働を維持し、スロットマシンの販売増加に繋がった。「All Aboard(オール アボード)」シリーズも高稼働を維持しており、多様なニーズに応えるため、通常版に加え、より高いベット額で楽しめる「All Aboard Gold Express(オール アボード ゴールド エキスプレス)」をリリースした。さらに、ニューヨーク州において、コナミとしては初となるVLT(ビデオ・ロッテリー・ターミナル)市場へ参入した。
カジノマネジメントシステムでは、キャッシュレスカジノを実現する「Money Klip(マネークリップ)」など、多彩な機能を充実させることにより、前期に引き続き堅調に推移している。
なお、第1四半期累計では、世界的な原材料価格の上昇の影響を受け、減益となった。
(スポーツ事業)
売上高は109億8300万円(同17.6%増)となり、事業利益は4億4800万円(同24.4%減)となった。
スポーツクラブ運営では、施設でのサービス提供に加えてオンラインサービスを充実させるなど、ユーザーが自身のライフスタイルに合わせて参加できるよう、安全・安心な運動機会の提供に努めた。
資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業では、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進しており、新たのに神奈川県横浜市、神奈川県秦野市、京都府京都市及び福岡県福岡市のスポーツ施設の業務受託運営を開始した。
学校水泳授業の受託では、学校側のニーズの高まりを受け、埼玉県で初めて志木市内全8校の小学校の児童に対し、水泳指導業務を開始した。
こども向け運動スクール「運動塾」では、スイミングスクールで、映像とAIを活用した「スマートスイミングレッスンシステム」と、コナミスポーツクラブインストラクターの指導技術との相乗効果により、練習効果を向上させる新たなデジタルサービスとして、「運動塾デジタルノート」の提供を推進している。
■2023年3月通期の業績見通し
2023年3月通期の業績は、売上高3200億円(前期比6.8%増)、営業利益810億円(同0.9%増)、経常利益765億円(同2.8%増)、最終利益550億円(同0.4%増)、EPS411.74円を見込む。
・売上高:3200億円(同6.8%増)
・営業利益:810億円(同0.9%増)
・経常利益:765億円(同2.8%増)
・最終利益:550億円(同0.4%増)
・EPS:411.74円
計画に対する進捗率は、売上高22.5%、営業利益17.4%、営業利益18.4%、最終利益20.8%となっている。
・売上高:22.5%
・営業利益:17.4%
・営業利益:18.4%
・最終利益:20.8%
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766